さらなるユネスコ世界遺産でヨーロッパを代表する文化の旅の目的地としての地位をさらに向上させたドイツ
東京、2021年8月4日 – ユネスコ世界遺産協会の最新の決定は、文化探訪の旅の目的地としてヨーロッパ第1位の評価を受けてきたドイツにさらなる追い風をもたらした。ダルムシュタットにある芸術家村マティルデンヘーエ、そしてバーデン・バーデンやバート・エムスやバート・キッシンゲンをはじめとするドイツの温泉保養地と並んで、全部で8か所の温泉保養地が「ヨーロッパ温泉保養地」として新たにユネスコ世界遺産に登録された。これに加えて、ユダヤ連合の町であるマインツとヴォルムスとシュパイヤーがヨーロッパでのユダヤ教発祥の地として、そして低地ゲルマンリーメスならびにドナウのリーメス西部がローマ帝国との境界線として世界遺産に認定された。
ドイツ観光局(DZT)のペトラ・へードルファーCEOは、次のように話している。「今年の新規登録によってドイツの世界自然・文化遺産は51か所となり、ユネスコ世界遺産という品質保証マークを獲得することができた。我々は、パートナーはもちろんドイツユネスコ委員会やドイツユネスコ世界遺産協会と力を合わせて、自然史と人類史にとって極めて有益なユネスコ世界遺産を世界中にアピールしながら観光の国ドイツというブランド認知度をさらに向上させていく。ユネスコ世界遺産は、DZTの世界向けマーケティングにとって基本テーマとして欠かすことのできない重要な要素である。
ダルムシュタットの芸術家村マティルデンヘーエ
エルンスト・ルートヴィッヒ大公が1899年に創設した芸術家村マティルデンヘーエは20世紀への転換期から第一次世界大戦初期にかけてヨーロッパはもとより、世界を代表する芸術と建築の中心地であった。若手建築家と芸術家はこの実験空間でアイデアを形にし、ユーゲントシュティールから新即物主義への橋渡し役を担い、究極的にはバウハウス運動の原動力となった。
独創的な建造物群の中でひときわ目を惹くのは、ペーター・オルブリッヒが設計した婚礼の塔で、今ではダルムシュタットの町のシンボルにもなっている。この塔からはライン川とマイン川が流れる平野の絶景を楽しむことができ、塔内部は芸術家村を創設した23人の作品が常設展示されるアトリエになっている。プラタナスの木立が広がる広大な公園を見渡してみると、多数の彫刻やオブジェがあり、その奥にはリリエンベッケンと呼ばれる大きな泉とロシア正教の美しいチャペルが見える。公園を取り囲む住宅街にある芸術家たちの瀟洒な豪邸は、新しい芸術が生まれようとしていた20世紀初頭の雰囲気を今に伝えている。
ヨーロッパを代表する温泉保養都市
温泉をベースにした保養地は、ヨーロッパでは医療施設というカテゴリーを超えた重要な役割を担っている。浴療法という医療措置と文化のマリアージュは1700年から1930年にかけて熟成されていった。休養やリフレッシュのための施設だけではなく、文化や社交を楽しめる施設が作られ、町として形を整えていった。ヨーロッパ7か国にある11か所の保養地が国境を越えたプロジェクトを実現させヨーロッパを代表する保養地としてユネスコ世界遺産の認定を受けることになった。バーデン・バーデンとバート・エムスとバート・キッシンゲンというドイツの保養地と並んで、ベルギーのスパ、フランスのヴィシー、イギリスのバース、ウィーン郊外のバーデン、イタリアのモンテカッティーニ、チェコのフランティシュコヴィ・ラーズニェ、カルロヴィ・ヴァリ、マリエンバートもユネスコ世界遺産に認定された。
DZTの最新キャンペーンGerman.Spa.Tradition. は、ドイツ国内にある350か所の認定済み保養地をフォーカスし、各都市の文化や歴史と質の高い医療サービス、さらにはウエルネスプログラムを詳細に紹介している。コロナ前の2019 年には、保養地での外国人観光客の延べ宿泊数が720万件を数え、訪独外国人観光客全体の宿泊数の8%を占めていた。 コロナ禍によって、ウェルネスや健康増進のためのバカンスに対する関心の高まりは顕著である。
ユダヤ連合の町、マインツ、シュパイヤー、ヴォルムス
マインツとシュパイヤーとヴォルムスのヘブライ語の頭文字を組み合わせたSchUM都市と呼ばれる町は、ヨーロッパでのユダヤ教の発祥地と言われている。今回世界遺産に登録されたSchUM都市には、シュパイヤーのユダヤハウス、ヴォルムスのシナゴーグ地区、そしてヴォルムスとマインツの旧ユダヤ人墓地がある。これらの町の歴史は、数世紀におよぶユダヤ人の暮らしぶりを映し出している。キリスト教社会との平和的共存から迫害や破壊やジェノサイドを経て、今日も守り続けられている信仰とユダヤコミュニティーの伝統が色濃く反映されている。
マインツとシュパイヤーとヴォルムスは、ライン川とマイン川それにライン川とネッカー川が流れる地域に位置し、文化探索の旅の目的地として多彩な魅力にあふれる人気スポットである。
低地ゲルマン境界線
世界遺産登録が続く中で、ローマ帝国との境界線となっていた低地ゲルマン境界線も世界遺産として認定された。ライン川に沿った古代ローマとの境界線の一部は400kmにも及ぶもので、ラインラント・ファルツ州のラインブロールからノルトライン・ヴェストファーレン州を経て北海に面するオランダのカトヴァイクまで続いている。ローマ帝国領と自由ゲルマン領を隔てていた自然の境界線は川であった。44 の町村では宮殿や要塞や教会にローマ文化が色濃く反映され、これが今日の大都市ボンとケルンの起源となった。
古代の境界線の大部分は地下に眠る遺跡としてしっかりと保護されており、発掘調査の結果や出土品も博物館展示という形でしっかりと記録が残っている。
ドナウ境界線(西部)
約600kmに及ぶ西部の境界線は、現在のバイエルン州のバート・ゲッギンからオーストリアを経てスロバキアまでドナウ川の流れに沿って作られた。一般に知られているように、この境界線は乗り越えられない壁ではなく、軍事的な要塞と市民の建物とを結びつけるもので、国境交通をコントロールするためであった。このようにして、この境界線は文化的景観の発展にも貢献した。かつての要塞の一部は現在でも見ることができ、観光スポットにもなっている。例えば、「ニーダーミュンスター文書」の発掘現場や、レーゲンスブルクの「ポルタ・プレトリア」などが挙げられる。
メディア向けバックヤード情報
ユネスコ世界遺産は、167か国で1,000件以上に上る。ドイツには51か所のユネスコ自然・文化遺産があり、世界で3番目、欧州ではイタリアに次ぐ2番目に多い登録件数を誇っている。ドイツでは、8つの周遊ルートがあり、誰もが手軽に多種多様な世界遺産を楽しむことができる。どのルートも起点と終点が主要国際空港に近く、海外からのアクセスも非常に便利である。どの世界遺産も独自性と真正性が守られ、傷もない状態で人類の資産として大切に保護されている。
プレスフォト:
芸術家村マティルデンヘーエ ダルムシュタット: https://dam.germany.travel/XKe9V2M
クレジット:© DZT/Francesco Carovillano
バーデン・バーデン トリンクハレ: https://dam.germany.travel/XFB3XFe
クレジット:© DZT/Francesco Carovillano
バート・エムス, ラーン川からの夜景: https://dam.germany.travel/Xldafve
クレジット:© lookphotos/Heinz Wohner
バート・キッシンゲン, クアガルテンの噴水: https://dam.germany.travel/XgXGMo5
クレジット:© Getty Images/Igor11105
シュパイヤー, 古代のミクワー: https://dam.germany.travel/XZjmh0q
クレジット:© Getty Images/Rudolf Ernst
ヴォルムス, ユダヤ人墓地: https://dam.germany.travel/XBQekJ0
クレジット:© lookphotos/Jalag/Klaus Bossemeyer
マインツ: ヨーロッパ最古のユダヤ人墓地: https://dam.germany.travel/XTLaSqO
クレジット:© Landeshauptstadt Mainz
クサンテン, 考古学パーク内のローマ時代の壁: https://dam.germany.travel/X6G56y4
クレジット:© Getty Images/Ventura Carmona
レーゲンスブルク, ポルタ・プレトリア
画像1 クレジット:© Regensburg Tourismus GmbH
画像 2 クレジット: © Regensburg Tourismus GmbH/Michael Vogl
新しい世界遺産の紹介ビデオ:
https://cloud.d-z-t.com/s/Z3orzcDdZLYXSGB
ドイツ観光局 (DZT) について
ドイツ観光局 (DZT)は、フランクフルト・アム・マインに本部を置く国営のドイツ観光振興機関。連邦経済エネルギー省 (BMWi) の委託により観光の国ドイツを代表しており、また、ドイツ連邦議会の決議に基づきBMWiから助成されている。 DZTは、観光の国ドイツのイメージアップと外国人旅客のドイツ旅行促進のための戦略を立て、デスティネーションを開発しプロモート。世界27 ヶ所にある海外支局が40か国以上でマーケティング活動を行っている。 詳細はオンラインプレスセンター www.germany.travel/presse を参照。
重点テーマ:デジタル化と持続可能性
ドイツ観光局 (DZT)は、ドイツ政府の目標に沿う将来を見据えた持続性のある観光の促進に力を入れている。中でも重点項目となっているのは、デジタル化と持続可能性である。DZTは、チャットボットといったようなAI人工知能や(言語アシスタント機能を持つ)対話型インターフェイスを駆使した多くの人を夢中にさせる新技術(VR仮想現実、AR拡張現実、MR複合現実)実用化のペースメーカーである。AI支援型マーケティングプラットフォームで、観光分野のサービスやオファーを目に見えるわかりやすい形で提供できるようDZTは、ドイツ観光経済のデータプロジェクトと連携して、ナレッジグラフの開発を進めている。
持続可能性というテーマは、10年以上も前から分野の垣根を超えたテーマとして、あらゆる 業界が戦略的に取り組んでいるテーマである。組織委員会は、3本柱の戦略でまず外部に向けた知識の伝達を行い、これを支援する形で組織内での持続可能性イニシャティブと組み合わせている。DZTは、観光の国ドイツが国際競争の中で、内容も充実し持続可能性 にも富んだ観光の目的地として過去たる地位を確立できるよう、責任感に満ちた観光という 将来的テーマに取り組んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大により、これまでの価値観は大きく変わり、旅行に対する姿勢でも社会経済的な責任感が反映されるようになっている。
プレスコンタクト:
German National Tourist Board (Frankfurt)
Martina Binhack
Director Press und Public Affairs
Beethovenstraße 69
60325 Frankfurt am Main
Tel.: +49 69 97464-262
E-Mail: presse@germany.travel
ドイツ観光局日本支局
武井 由起
yuki.takei@germany.travel
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