<新型コロナ> 臨時休校支援のオンライン講座 子どもの表現力や感性を豊かにする「香り感性教育プログラム」開催レポート
セントマティックは香りと言語を相互に変換するAI型システム「KAORIUM(カオリウム)」を教育向けツールとして活用するべく、2020年3月13日(金)に、株式会社ミライLABO(代表取締役:白井智子、本社:東京都、以下「ミライLABO」)と共同開発中の香り感性教育プログラムをオンライン授業にて無償提供いたしました。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が全国の公立小中高校などについて臨時休校を要請し、小学校の98%が休学することを決定しました。これを受け、ミライLABOでは休校中の過ごし方の課題を解決するために、小学生向けにオンライン授業「Hello world〜好きから世界を広げよう!~」を提供することとなり、セントマティックは現在開発中のプログラムの要素をピックアップし、ミライLABOのオンライン講座向けに香りの感性教育プログラムを無償提供いたしました。
自宅にある身近なものの香りから物語を
総勢約30人の子どもたちが集まり実施したオンライン授業は、子どもたちが自宅にある身近な香りのあるものを用い、香りを感じて自分の言葉で表現したり、香りからオリジナルの物語や絵を作成する感性教育プログラムを体験いただきました。
子どもたちには、自宅にある身近な香りとしてシャンプーや石鹸、ハンドクリーム、香りのあるキャンドル等を用意いただきました。
用意した身近なものからする香りを目を閉じて嗅ぎます。嗅覚に集中し、今まで香りに対して持っていた「なんとなく好きか嫌い」という感覚を超え、頭の中に香りのイメージを膨らませていきます。その香りをもとに感じた言葉から、さらに物語にしていきました。
香りと言葉による感性教育の可能性
香りから言葉にすることで発想が豊かに膨らんだ子どもたちが発表した物語の一部を紹介します。
- 「爽やかな風が吹き抜ける草原に、一本の木が立っていた。今は8月も終わろうとしているとき。清々しい香りのする一本の木の周りには、清々しい空の下で、可愛らしい虫たちが飛んでいた。」
- 「春も中旬。動物たちは踊っていて、木と花が歌う。そよ風が吹き、気持ちがいいな。」
- 「3月の晴れの日、てんとう虫がレモン色の蝶と踊りに、たんぽぽ村へ行きました。蝶さんと空の上で踊りました。その下でたんぽぽも踊っています。蝶は春の匂いがしてその夜ぐっすり眠りました。」
- 「初夏、6月14日。わた雲がプカプカとひとつふたつ浮かぶ晴天下。イタリア中央部にある隠れレストランでほんのりと感じるレモンのにおい。」
- 「暑い夏の8月、少し爽やかな風が吹く中、水の妖精と私は踊った。とても楽しい。なぜか汗はかかなかった。家に帰ると、そこはいつもの家じゃない。水の妖精が私を待っていた。」
また保護者の方からいただいた声も一部ご紹介します。
- 自分の娘がこんな文章を書けるなんて、驚きです。感性を引き出してもらえて、ありがとうございます。
- オンライン授業以来、家にある化粧品や整髪料などから、子どもがお話をつくって遊んでいます。
- 最近は殺伐としたニュースが多いが、家にいないといけない中でこういう授業があることがありがたいです。
臨時休校で、家に滞在する多くの子どもたちは積極的に手をあげ、そして香りを通してつぎつぎとイメージを膨らませ、まるで小説家のように物語を作り上げていきました。嗅覚に集中し香りを楽しむ体験から、こんなにも子どもたちの豊かな感性を引き出せることにスタッフ一同驚きました。香りと言葉には、子どもたちの感性をより磨いていける可能性があると実感しました。
実施後のコメント
セントマティック 代表 栗栖 俊治
新型コロナウィルスによる臨時休校措置を背景に、不安を感じていらっしゃるお子様や保護者の方々に少しでも楽しんで頂けたら、と提供させていただきました。
とはいえ、今回のプログラムは開発中のプログラムという位置づけだったことや、オンラインでの実施だったこともあり、開始前までは「はたして子どもたちに楽しんでもらえるだろうか?」と少し不安に思っていました。それが、プログラムが始まると、子どもたちが一斉に盛り上がって楽しんでもらえただけでなく、子どもの想像力や大人顔負けの表現力の開花がみられたことは想定以上の驚きであり、我々としても新たな発見でした。
「嗅覚は想像力の感覚である」 - ジャン=ジャック・ルソー
18世紀の哲学者で、人民主権を説いた政治哲学『社会契約論』や、教育論を説いた『エミール』の著者であるジャン=ジャック・ルソーが述べていたところに通じます。
目に見えず曖昧な存在であるが、心に豊かさを与えてくれる香りだからこそ、子どもたちの想像力を活性化することができたのだと考えており、香りの「教材」としてのポテンシャルを強く確信することができました。
以前から、香りの感覚には右脳が関与し、言語は左脳の言語野が関与するといわれていました。また記憶は大脳皮質に格納されているといわれています。KAORIUMを用いた香りの言語化体験は、右脳、左脳の両脳を活性化し、さらに記憶をたどって香りのイメージを実体化させる行為を通して大脳皮質を活性化していると想定されます。言い換えると、脳全体が活性化する状態が子供達に起きており、想像力・表現力の開花につながったのではないかと考えます。
これは、2019年3月に東京大学東原研究室より「香りを意識して嗅ぐ行為が右脳・左脳の両脳に関与する」という研究発表がありましたが、上記仮説の一部を示唆しているのではないかとも考えます。
抽象的な感覚をより鋭く実体化させる体験は、感性を高めることにつながります。それは、これからの21世紀人材に求められるといわれる「感性」の向上に貢献するポテンシャルが極めて高いと考えております。
ミライLABO 代表 白井 智子先生
今回のワークは、これまでの状況とは違いオンラインで実施することとなったため、子どもたちに直接関わることができないという条件下でどこまで楽しさや価値を届けることができるのか、実施前は不安があったのが正直なところでした。しかし、実施してみると、子どもたちはみるみる香りの世界へと入り込んでいき、大人たちの想像を遥かに超えたオリジナルの「香りの物語」を創作していました。子どもたちにとって、「香りを深く感じる」という経験はおそらく初めてのことでしたが、KAORIUMが提案する「香りと言葉」というテーマが合わさることで、香りを感じるという経験がぐっと身近に感じられるようになったかと思います。
子どもたちの作品を見て、自分の中にある目に見えない何か、形のない感情を言葉で表現するという創作活動は、感性をぐっと引き出してくれるコンテンツだと感じました。
この授業をきっかけに、子どもたちが香りをより意識するようになったとの声を多くいただいております。家の中だけでもいろんな香りがあふれています。セントマティックでは、今後も、普段の日常でも香りから生まれる発想や言葉を楽しんでいただけるようなきっかけ作りに取り組み、香りと言葉を通し、感性豊かな人材が育めるように、香りの感性教育プログラムをさらにアップデートしてまいります。
本件に関する概要・お問い合わせ
お問い合わせは「CONTACT」よりお気軽にお問い合わせください。
【SCENTMATIC株式会社】
代表者:
代表取締役 栗栖 俊治
所在地:
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4丁目22番7号 6階
URL:
https://scentmatic.co.jp/
【株式会社ミライLABO】
代表者:
代表取締役 白井 智子
所在地:
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-29-9-102
URL:
http://www.mirai-labo8.com/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像