投資INSIDE-OUT「新型ウイルス感染拡大の“影”に隠れる「米中貿易摩擦」」
~語られざる投資の真実 NO.16~
「投資INSIDE-OUT」~語られざる投資の真実~では、マーケットでは知られているもののハッキリとは語られない、でも投資をする上で大切なことを考えていきます。
◆中国当局、力づくで感染拡大を封じ込め?
中国の新型コロナウイルス感染者は2月7日時点で3万人を突破しました。依然として感染者の拡大は続くものの、感染者の「増加率」はやや鈍化してきた模様です。
中国当局は1月23日、発生源の武漢市周辺地域を封鎖、25日には団体旅行の中止を命令、さらに1月31日までの春節休暇を2月2日まで延長、上海市、広東省などでは2月9日まで企業の休業期間を延長するなど、「感染拡大」を力づくで封じ込める構えを見せています。
さて、今後の感染がどこまで拡大するのか(何十万人規模?)、ピークアウトは何時か(2月?3月?)といった予想は専門家に任せるとして、ここでは中国当局の対応に関して心配される点を取り上げてみます。
中国当局、習近平政権にとっては、今回の新型コロナウイルス感染問題の早期収束は「対外的な面子」だけでな「国内の政治安定」の観点からも、最優先の課題であることは異論がないでしょう。当面は生産、消費の下振れをある程度容認の上、ウイルス対策を推し進める可能性が高く、少なくとも今後の経済が想定以上に下振れするリスクは大きいと考えたほうが良さそうです。ただし、感染が収束すれば停滞していた生産や消費が戻りはじめ、市場は「足元の指標悪化」よりも「今後の指標改善」を先取りする動きになると予想されます。
一方で、中国当局がウイルス問題に「かかり切り」となり、他の重要課題への対応がおざなりとなるのでは?という心配があります。1月15日に米中通商協議の第1段階の合意という「明るいニュース」はスッカリ過去の話となった感があります。しかし、絶対に忘れていないと見られるのは、トランプ米大統領です。
中国当局がウイルス対策で手一杯となり、「対米輸入の拡大や知的財産権保護などの具体策が進みませんでした!」との言い訳は同氏には通用しないでしょう。何故なら、中国当局がウイルスを封じ込めたところで、第1段階の合意が履行されなければ大統領選の相手候補により徹底的に攻撃され、同氏の支持率上昇にはつながりません。春先になってウイルス問題が収束したころ、米中通商問題が再炎上といった展開も念頭に置いたほうが良さそうです。
中国当局のウイルス対策は「やり過ぎ」(景気減速)よりも、「かかり切り」(米中合意の放置)にご用心!
▼詳細はこちらから。
https://www.smtam.jp/report_column/pdf/cat_07/HPVol.8220200207_076_k.pdf
▼語られざる投資の真実の過去分(No.1~No.15)はこちらから。
https://www.smtam.jp/report_column/cat_07/
【 ご留意事項 】
●当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。
●ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
●投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。
●投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。
●当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。
●当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。また、将来の市場環境の変動等により運用方針等が変更される場合があります。
●当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。
商号:三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第347号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
中国の新型コロナウイルス感染者は2月7日時点で3万人を突破しました。依然として感染者の拡大は続くものの、感染者の「増加率」はやや鈍化してきた模様です。
中国当局は1月23日、発生源の武漢市周辺地域を封鎖、25日には団体旅行の中止を命令、さらに1月31日までの春節休暇を2月2日まで延長、上海市、広東省などでは2月9日まで企業の休業期間を延長するなど、「感染拡大」を力づくで封じ込める構えを見せています。
さて、今後の感染がどこまで拡大するのか(何十万人規模?)、ピークアウトは何時か(2月?3月?)といった予想は専門家に任せるとして、ここでは中国当局の対応に関して心配される点を取り上げてみます。
中国当局、習近平政権にとっては、今回の新型コロナウイルス感染問題の早期収束は「対外的な面子」だけでな「国内の政治安定」の観点からも、最優先の課題であることは異論がないでしょう。当面は生産、消費の下振れをある程度容認の上、ウイルス対策を推し進める可能性が高く、少なくとも今後の経済が想定以上に下振れするリスクは大きいと考えたほうが良さそうです。ただし、感染が収束すれば停滞していた生産や消費が戻りはじめ、市場は「足元の指標悪化」よりも「今後の指標改善」を先取りする動きになると予想されます。
一方で、中国当局がウイルス問題に「かかり切り」となり、他の重要課題への対応がおざなりとなるのでは?という心配があります。1月15日に米中通商協議の第1段階の合意という「明るいニュース」はスッカリ過去の話となった感があります。しかし、絶対に忘れていないと見られるのは、トランプ米大統領です。
中国当局がウイルス対策で手一杯となり、「対米輸入の拡大や知的財産権保護などの具体策が進みませんでした!」との言い訳は同氏には通用しないでしょう。何故なら、中国当局がウイルスを封じ込めたところで、第1段階の合意が履行されなければ大統領選の相手候補により徹底的に攻撃され、同氏の支持率上昇にはつながりません。春先になってウイルス問題が収束したころ、米中通商問題が再炎上といった展開も念頭に置いたほうが良さそうです。
中国当局のウイルス対策は「やり過ぎ」(景気減速)よりも、「かかり切り」(米中合意の放置)にご用心!
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