IT業界フリーランス実態調査第1弾を公開

「フリーランスになってよかった」のは全体の63.3%と多数派。「フリーランスになってよくなかった」はわずか8.9%。

「フリーランスに安定したキャリア形成」を掲げるフリーランスコミュニティHORNOでは、フリーランスのキャリア形成の参考情報として、IT業界/エンジニアの皆さまの業務実態調査を定期的に実施、公開していきます。

今回は調査第一弾として、
フリーランスになる理由/きっかけは?
フリーランスになって良かったこと/悪かったことは?
フリーランスの年収実態は?フリーランスと正社員で年収分布はどう違うか?

など、フリーランスで働くIT従事者/エンジニアの実態について、気になる内容を調査しました。

 

  • 調査結果サマリー
・フリーランスになった理由No1は「自由に働きたい」。一方で解雇や倒産、体や心の不調等「仕方なく」フリーランスを選択した方も多数。「稼げるから」は少数派。

・「フリーランスになってよかった」方は全体の63.3%と多数派で、「フリーランスになってよくなかった」方は、わずか8.9%。一方で、フリーランスの生活に不安感を感じている方も全体の79.6%と非常に多い。

・正社員に比べ、フリーランスの年収は300万円未満の方が多い一方で、1000万円以上のプレイヤーの率も高い。但し、300万円未満の方でも「フリーランスになってよかった」と回答する方は非常に多く、年収と満足度は比例しない傾向。
  • 調査概要
調査モニター:fastaskモニター
スクリーニング調査:20代~50代のモニター25,826名に調査
本調査:IT業界で勤務している×フリーランスで勤務していると回答した方165名に調査
対象職種:サーバーサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、データベースエンジニア、データサイエンティスト/データアナリスト、AI/機械学習エンジニア、エンベデッド(組み込み系)エンジニア、ゲーム(ソーシャルゲーム)エンジニア、ゲーム(コンシューマ)エンジニア、IT系コンサルタント、セールスエンジニア、テストエンジニア、社内SE、プロジェクトマネージャー、PMO、Webデザイナー、Webコーダー、Webディレクター
調査期間:2021年10月19日(火)~11月1日(月)
  • 調査結果①フリーランスになった理由/きっかけは?
今回の調査では、フリーランスになった理由を自由回答(フリーアンサー)で聴取し、その回答を編集部側でいくつかのカテゴリにわけて、集計をおこないました。

Q:あなたがフリーランスになった理由について、なるべく詳しくお答えください。


※「無回答/特になし」49件、「その他」6件を除いてグラフ化

自由に働きたい/組織に向いていない・縛られたくない、という回答が42件と圧倒的に多くなりました。時間や場所を選ばず自由に働きたい、縛られたくない/管理されたくない、という傾向は、一般的なフリーランスのイメージにも近い回答ではないでしょうか。
次いで、解雇・倒産・失業などでやむを得ずフリーランスになったという方も19件と多くみられました。育児や介護など家庭の事情や、体・心の不調によりフリーランスを選択された方も一定数みられ、必ずしもポジティブな理由でフリーランスになる方ばかりではない、ということもわかります。
反面、どこまでやれるか自分の力を試したい/挑戦したいといった方も10件と一定数みられました。

また、意外だったのは、高単価・稼げることを理由にフリーランスを選ばれた方が非常に少なかったこと。今回の調査は自由回答での調査でしたので、まず思い当たる純粋想起の理由として、「お金」を出す人が少なかったということかもしれません。選択式の設問であれば、お金の項目も高く出る可能性はあるかと思います。

細かい回答の内容は、こちらのページで公開していますので、より詳しい内容を知りたい方はご覧ください。
https://horno.jp/article/14
  • 調査結果②フリーランスになって良かったか?
2つ目の調査結果として、フリーランスになって良かったかどうかという、満足度をみていきましょう。

Q:あなたは、フリーランスになって良かったと思いますか?あなたのお気持ちに最も近いものをお選びください。



よかったと回答している方が多数派で、63.3%の方は良かったと回答しています。
また、よくなかったと答えている回答はわずか8.9%です。
更に、先ほどの調査①の結果で、「解雇・倒産・失業」きっかけでフリーランスになったと回答している方のみを抽出しても、なって良かったと回答している方の割合は52.6%、よくなかったと答えている回答は15.8%となっており、仕方なくフリーランスになった方でも、なってみるとフリーランスの満足度は高いと言えそうです。

フリーランスになってよかった理由/よくなかった理由についての回答は、こちらのページで公開していますので、より詳しい内容を知りたい方はご覧ください。
https://horno.jp/article/14
  • フリーランスに不安はあるか?
次に、「フリーランスとして働く中で、不安を感じることはありますか?」という質問をしてみました。その結果がこちらです。

Q:フリーランスとして働く中で、不安を感じることはありますか?

不安を感じている方が79.6%と高い数値となりました。先ほどの質問では、「フリーランスになってよかった」と答えている方が多い反面、不安もまた大きいことがわかります。あまり不安を感じない/全く不安を感じない方は、15.9%と少数派となりました。

どのようなことに不安を感じているかの回答は、こちらのページで公開していますので、より詳しい内容を知りたい方はご覧ください。
https://horno.jp/article/14
 
  • 調査結果③フリーランスの年収は?
今回の調査報告の最後のテーマ、フリーランスの年収と、正社員の年収を、比較してみましょう。

Q:あなたの現在の年収について教えてください。(手取りの年収をお答えください。)

正社員に比べて、フリーランスは年収300万円未満の方が多い傾向にあります。一方で1,000万円以上の高所得層も正社員に比べると割合が多くなっています。フリーランスの方は、中間の所得層が薄く、高所得者と低所得者に2極化している傾向がみてとれます。今回の調査では、フリーランスの方に、時短や週2日勤務等、フルタイム勤務ではない方が含まれることや、エンジニア以外のクリエイター職(WEBデザイナー等)の方が含まれるため、300万未満の比率が高くなったと推察されます。この点は、今後の調査や追加分析でまた検証していければと思います。
  • 年収の違いがフリーランスの満足度に与える影響
300万円未満の年収が多いという傾向がみてとれましたが、年収の違いは「フリーランスになってよかったかどうか」に違いを与えているのかを集計してみたところ、下記のような結果となりました。

Q:あなたは、フリーランスになって良かったと思いますか?あなたのお気持ちに最も近いものをお選びください。



年収が高いほど満足度も高いという結果になるかと思いきや、年収が300万円未満の方が、「とてもよかった」の回答率が最も高いという傾向になっています。フリーランスになって良かったとお答えの方は、「自由な働き方」や「ストレスのなさ」等の理由が多いため、年収の高低によって、満足度にはあまり大きな違いがないのかもしれません。
フルタイムで働かれているかどうかや、家庭環境や体調などのご事情、職種や言語経験等、様々な要因で満足度の違いは生まれていると推察されますので、一概に年収は関係ない、とは言えませんが、この点は、今後も調査や集計で深堀りをしてみていきたいと思います。
 
  • まとめ


今回は、第1回IT業界フリーランス実態調査として、フリーランスになった理由や満足度、年収等、基礎的な質問に絞って結果をまとめました。今回の調査の要点を、再度おさらいしたいと思います。

・フリーランスになった理由No1は「自由に働きたい」。一方で解雇や倒産、体や心の不調等「仕方なく」フリーランスを選択した方も多数。「稼げるから」は少数派。
・「フリーランスになってよかった」方は全体の63.3%と多数派で、「フリーランスになってよくなかった」方は、わずか8.9%。一方で、フリーランスの生活に不安感を感じている方も全体の79.6%と非常に多い。
・正社員に比べ、フリーランスの年収は300万円未満の方が多い一方で、1000万円以上のプレイヤーの率も高い。但し、300万円未満の方でも「フリーランスになってよかった」と回答する方は非常に多く、年収と満足度は比例しない傾向。

今回の結果から、自由に働きたい/組織に縛られたくない、という想いがある方は、フリーランスに向いていると言えそうです。また、収入をあげたい、という目的でのフリーランスはなかなか厳しい実情が見受けられました。
また、「フリーランスになって良かった」と思う方は多い一方で、そのような方でも、案件の継続や収入に対する不安は感じざるを得ない、という実態もみえてきました。

「フリーランスに安定したキャリア形成」を掲げるフリーランスコミュニティHORNOでは、そんなフリーランスの皆さまの不安に寄り添い、多様な働き方を実現するキャリアサポートもおこなってまいります。
技術に関してはもちろん、職種・業種・報酬・働き方等、ご希望やお話したい内容を何でもお聞かせください。エンジニアの方々や参画先と最新情報を共有しているキャリアサポーターが親身に対応いたします。様々なご提案や、今後のキャリアアップについてのアドバイスも可能です。

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次回の調査報告では、性年代や事業規模、言語経験等で、どのように年収や満足度等の回答が異なるのか、更に深堀りした調査報告をお届けできればと思います。お楽しみに。

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代表者名
井上達樹
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2009年11月