国内一例目「洋上風力発電における風況観測機器の精度検証試験サイト」の利用申し込み受付を公式WEBサイトにて開始
レラテック、神戸大学、日本気象協会とともにNEDO事業にて推進
本取り組みにより、日本の洋上風力発電のさらなる発展を目指します。
公式WEBサイトURL:https://mo-testsite.com/
※本事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が公募した「洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築」における事業の一環として推進している取り組みです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000078696.html
【むつ小川原洋上風況観測試験サイトについて】
精度検証が可能な国内一例目の試験サイト
2023年4月より、風況観測に利用するリモートセンシング機器の精度検証を行うための設備を利用者に開放いたしました。当施設は、NEDO「洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築」事業(2022~2023年度)の下で青森県むつ小川原港湾内に整備された設備であり、NEDO「洋上風況調査手法の確立」事業(2019~2022年度)では現場観測の主サイトとして利用されました。同事業で作成された「NEDO洋上風況観測ガイドブック」では、国内の洋上風力発電事業で利用するリモートセンシング機器には事前の精度検証が求められており、当施設は、この精度検証が可能な国内一例目の試験サイトとして整備されています。
NEDO「洋上風況観測にかかる試験サイトのモデル検討・構築」事業についてのご案内URL:
https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100351.html
NEDO「洋上風況調査手法の確立」事業についてのご案内URL:
https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100261.html
NEDO洋上風況観測ガイドブックについてのご案内URL:
https://www.nedo.go.jp/library/fuukyou_kansoku_guidebook.html
精度検証試験サイトの設備を利用者に開放し、観測データを提供
2023年度は、上記のNEDO事業の下で、主に風況調査用リモートセンシング機器の精度検証を目的として、精度検証試験サイトの設備を利用者に開放すると共に、洋上風況観測マスト等の観測データを提供し始めました。2024年度以降は、神戸大学を中心とした新たな運営体制(2023年度中に構築予定)の下、研究機関、教育機関、風力発電事業関係者(発電事業者、観測業者 等)、研究開発プロジェクト(風況、気象、生態系、環境 等)、地元関係者(港湾安全、教育活用 等)など、多くの方々に幅広く利用いただける、公益性のある精度検証試験サイトの構築を目指してまいります。
【公式WEBサイトについて】
利用申込手続きを含め、むつ小川原洋上風況観測試験サイトに関するあらゆる情報は、以下の公式WEBサイトから得ることができます。
公式WEBサイトURL:https://mo-testsite.com/
ご利用の対象は、精度検証試験サイト設置の主目的である①風況調査用ライダー機器の精度検証の他にも、②研究開発・共同研究 ③教育利用 ④その他(湾岸安全利用など)などが考えられます。※利用目的に応じて、提供データ、利用可能期間ならびに費用等が異なります。精度検証試験サイト利用に関する情報は、以下のページをご確認ください。
ご利用案内URL:https://mo-testsite.com/about/
ご利用の流れURL:https://mo-testsite.com/instruction/
【精度検証試験サイトのご利用事例】
日本気象協会と独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によるライダー機器の精度検証(ご利用の対象①に該当)
JOGMECセントラル方式の風況調査で使用するスキャニングライダーの精度検証を実施しました。この精度検証は、洋上風力発電の基本設計に必要な情報とデータを収集するためのプロジェクトの一部で行われており、JOGMECが公募した「洋上風力発電の導入促進に向けた基礎調査に係る業務」の一環です。
日本大学の気象観測実習(ご利用の対象③に該当)
日本大学の大気水圏分野の研究室(三隅良平教授、宇野史睦准教授)が、ゼミの一環として、本試験サイトにおいて気象観測の実地見学と実習を行いました。本実習では、ヘリウムを充填した風船と位置情報を測量する機材を使用した鉛直方向の風況観測や、ドローンに取り付けた温湿度計を使用した高層気象観測が行われました。本試験サイトの気象観測データは、この実習で収集されたデータと比較され、検証などに利用される予定です。
【精度検証試験サイトを利用した技術開発プロジェクト(JIP方式(注2))について】
今後、精度検証試験サイトで収集される充実した陸上および洋上の気象観測データを活用した今後の研究開発が期待されます。風力発電市場では、民間事業の需要に合わせた即効力のある技術開発が必要とされています。そのため、本試験サイトを利用してJIP方式などによる技術開発プロジェクトを立ち上げることを検討しています。具体的には、スキャニングライダーやフローティングライダーシステム(注3)を使用した風況観測手法の実証試験を行い、残されている課題を調査・解決することを目的として、2024年度にJIP方式のプロジェクトを開始することを計画しています。このプロジェクトへの参加に興味がある方は、以下のページをご参照ください。
本件に関するページURL:https://mo-testsite.com/news/231024/
【事業背景】
洋上風力発電では、事業性評価やウィンドファームの実施設計にあたり高精度な風況データを取得することが不可欠です。しかし、そのために洋上に風況観測マストを設置することは、一般的に地元との調整、許認可手続きや多大なコストを要します。近年はこれに代わる観測手法として、国内外でスキャニングライダーやフローティングライダーシステムを始めとした、ドップラーライダー(注4)による風況観測が取り入れられています。
ドップラーライダーの観測精度を担保するためには、観測に使用する機器の精度検証試験が必要です。しかし、国内において一般に開放されている試験サイトが存在しないことが、観測精度の向上や設計までの期間短縮を阻害する要因となり、利用障壁の低い検証施設の整備や運用が求められていました。
それらの課題を解決する、今回の試験サイト一般開放により、日本における洋上風力発電の前進が加速することが期待されています。
事業採択に関する詳細:https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100351.html
注1)スキャニングライダー:レーザービームを照射し、大気中の浮遊粒子による後方散乱を受信することで、風況を観測できる装置。 沿岸に設置し、洋上に向かってレーザーを発することで洋上の風況を測定できる。スキャニングライダーは首を振りながらレーザーを照射して、レーザーが通った部分の風況を測定する。
注2)JIP方式:民間事業者を主体とした協議会などを組成し、複数の民間事業者から開発資金を拠出する形の技術開発事業
注3)フローティングライダーシステム:洋上の浮体構造物に上空の風をレーザーにより測定するドップラーライダーを設置し、洋上の風況観測を行う装置。
(スキャニングライダーやフローティングライダーシステムを利用することにより、気象マストで観測する事が困難であった、洋上の高高度や水深の深い海域での風況観測が比較的容易に可能となります)
注4)ドップラーライダー(Doppler LiDAR):ドップラー効果による周波数の変移を観測することで、観測対象の相対的な移動速度と変位を観測する事のできるLiDARの一種。LiDARとは、Light Detection and Ranging(光検出と測距)、Laser Imaging Detection and Ranging(レーザー画像検出と測距)の略であり、光を用いたリモートセンシング技術の一つ。ライダーはリモートセンジングで風況観測をおこなうため、風速計などと比較した校正が必須である。
【レラテック株式会社について】
「気象×ICT」で「学術と産業」の架け橋となり、風力発電の正しい導入の道しるべになるべく、2020年11月にレラテック株式会社を設立いたしました。特に洋上風況を対象として、「観測」「シミュレーション」「解析」を一気通貫で提供できる風況調査を実施しております。レラテックは神戸大学認定の研究開発型ベンチャー企業であり、神戸大学大学院 海事科学研究科の海洋・気象研究室(教授 大澤輝夫)のノウハウを活かした実務を行っております。
【企業情報】
• 社名 レラテック株式会社(英名: Rera Tech Inc. ; RTI)
• 本社住所 〒658-0022 兵庫県神⼾市東灘区深江南町5丁⽬1-1
• 資本⾦ 7,000万円(2023年11月現在)
• 設⽴ 2020年11⽉
• 代表取締役 ⼩⻑⾕ 瑞⽊
• 技術顧問 ⼤澤 輝夫、林 陽⽣
• 業務内容 ⾵況観測・解析・予測評価、コンサルティング、研究開発(共同研究:神戸大学、産業技術総合研究所)
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