Veneno Technologies・アルファフュージョン・田辺三菱製薬が共同研究を開始
~独自ペプチド技術で、革新的がん治療薬開発を加速〜

Veneno Technologies株式会社(本社:茨城県つくば市、代表取締役社長:吉川寿徳、以下「Veneno」)は、アルファフュージョン株式会社(東京都千代田区、代表取締役CEO:藤岡直、以下「アルファフュージョン」)、田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:辻村 明広、以下「田辺三菱製薬」)と共に、革新的ながん治療薬開発に向け共同研究を開始しました。
本共同研究ではジスルフィドリッチペプチド(Disulfide-Rich Peptide: DRP)の優れた特性とVenenoが保有する独自のDRP探索技術を活かし、複数のがんターゲットを標的とした新規アスタチン-211標識放射性医薬品の研究開発に取り組みます。
DRPは分子内に複数のシステイン残基を有し、これらが形成するジスルフィド結合(S-S結合)によって非常に安定した立体構造をとる特殊なペプチドです。従来型の直鎖ペプチドと比べ生体内での安定性に優れ、がん細胞を正確に標的として薬剤を効果的に送り届けることが可能となる次世代ペプチドとして期待されています。
また、近年世界的に注目されている標的α線核医学治療(Targeted Alpha Therapy: TAT)は、α線を放出する放射性同位体をがん細胞に選択的に集積させて物理的にがん細胞を破壊する治療法です。中でも短半減期のアスタチン211は、安全性と投与設計の柔軟性に優れており、これまで治療が困難だったがん患者への新たな治療選択肢として実用化が期待されています。
本プロジェクトでは、Venenoが独自に保有するDRP取得技術(PERISS法*)を活用し、がん関連標的分子に対して選択的に結合するDRPを取得します。さらに、アルファフュージョンのアスタチン創薬プラットフォームと融合させ、効果的な医薬品候補化合物を創製します。田辺三菱製薬は豊富な創薬開発経験を活かし、これら候補化合物の早期実用化を推進します。
3社の強みを融合することで、従来治療困難であったがん患者に画期的で安全な新規治療法を提供できる可能性が高まります。
Venenoは今後も革新的なDRP技術を基軸に、国内外の企業や研究機関との積極的な連携を進め、医療・ヘルスケア分野における社会課題解決を目指し、世界中の人々や生き物、そして地球環境の健やかな未来に貢献してまいります。
*脚注
PERISS法:進化分子工学に基づき、当社が体系的に構築した数十億~数百億のジスルフィドリッチペプチド(DRP)ライブラリを活用し、標的の膜蛋白質に対して高選択性のDRPを高速かつ効率的に取得できる技術である。

《Veneno Technologies株式会社について》
Veneno Technologies株式会社は、2020年に産業技術総合研究所(AIST)の技術シーズを基に設立されたバイオベンチャーです。Disulfide-Rich Peptide(DRP)を活用した独自の製品開発プラットフォーム「Veneno Suite」を中心に、医薬・農薬・アニマルヘルス分野におけるオープンイノベーションを推進しています。膜タンパク質を標的とした新薬開発や環境負荷の少ない農薬・飼料添加物の開発を進め、製薬企業や化学メーカーとの共同研究を展開中です。技術アクセスフィーやライセンス契約等の収益構造を持ち、世界の健康と環境保全に貢献する製品創出を目指しています。
《お問い合わせ先》
Veneno Technologies株式会社 (https://veneno.jp/)
TEL: 029-869-8869 E-mail: info@veneno.jp
事業開発本部 DRP創薬事業推進部長 永田 篤史
広報戦略室 担当 久野 孝稔
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