「生理の課題についてもっと知ろう」limerime主催「MHM(月経衛生対処)座談会」とアンケートのレポートを公開!
多文化のバックグラウンドをもつICUの女子学生、男性医療従事者、薬剤師、広告炎上チェッカー、limerimeが結集
●イベントレポート●
【第一部/MHMとSDGs】環境問題と生理の関係
世界で注目されているMHMはなぜ日本に浸透していないのか?
日本では馴染みのないMHMという言葉。MHMとは、「menstrual hygiene management(月経衛生対処)」の略で、と国際社会で定義されています。
日本では、MHMの課題が「発展途上国 / 貧困を抱える人たち」の問題と認識されがちですが、生理の貧困があったり、軽減税率対象商品から除外されていたり、専門家(医師等)にアクセスできなかったり……と実は課題は無数にあります。
■MHMの8つの課題とは?
「ユニセフは、2014年にMHMとして女性をとりまく環境にも目を向け、8つの課題を打ち出しました。これらはSDGsとも密接に関わっており、日本にも安全で手ごろな価格で生理用品が入手できない人もいますし、知識を持ち安心できる専門家へのアクセスが容易でない人もいます。
(※引用https://ic.hus.osaka-u.ac.jp/mhm/ ※WHO and UNICEF. 2012. "Consultation on Draft Long List of Goal, Target and Indicator Options for Future Global Monitoring of Water, Sanitation and Hygiene." UNESCO. 2014. "Puberty education & menstrual hygiene management."大阪大学 杉田映理氏日本語訳)
■サニタリー用品にも、プラスチック表示を求めるEUとアメリカの2州
環境汚染を防ぐため、“使い捨てプラスチック製品”の削減を目的に欧州委員会はプラスチックが使用されているウェットシートおよびサニタリー用品に統一ラベル表示を義務化しました。また、カリフォルニア州とニューヨーク州もサニタリー用品の全成分表示を始めました。こういった動きには脱プラスチックを目指す目的もありますが、消費者がラベルを見て自分の納得のいくサニタリー用品を選ぶ選択肢を増やす目的もあると考えられます。
サニタリー用品に対しても環境配慮を求めるアメリカやEU。一方、日本ではそのような政策はまだ施行されていませんが、日本人女性のサニタリー用品に対する環境意識はどのようなものでしょう?
■日本女性のサニタリー用品に対する環境意識とは?
limerimeは、渋谷区のモニター制度、三井住友海上火災保険株式会社のご協力のもと「サニタリー用品と環境・社会課題」のアンケート調査を実施しました。(2023年4月2日~6月12日実施・東京都/近郊在住の20代~60代の女性133人を対象にした調査)
天然由来の素材を意識して買ったことのある女性はわずか3割ほどですが、その理由で圧倒的に多かったのが「敏感肌/乾燥肌など、肌トラブルがあるから」。環境を理由にサニタリー用品を買った人はわずか5%でした。
「敏感肌/乾燥肌など、肌トラブル」(67%)と「農薬・化学物質・石油系成分が不使用」(26%)をあわせると、約9割の人々が“天然由来素材は肌や体によい”という意識をもっているようです。しかし、環境問題とサニタリー用品を結びつけて考える人はまだ少ないのが現状です。
【第二部/変化する生理の表象】
生理の表象が変わってきたのはなぜ?
Twitterで広告炎上チェッカーとして活動するコタースカ梨華さんとICUの日本人女子学生と韓国人女子学生、医療従事者の男性が意見を交わしました。
興味深いことに、諸外国の生理用品のテレビCMは下記のような特徴がありました。
・「生理を明るく、優しく、幸せに見せない」イギリス
・「生理中は何かしてもよいし、何もしなくてもよい」韓国
・「生理で苦しむ彼女のために買い物に行く男性が登場する」台湾
コタ―スカ梨華さんによると、2010年頃まで、生理用品の広告は“幸せの朝”などの言葉と共に笑顔の女性を演出していました。ふわっとした羽やパステルカラーなどを使い、ハッピーさを表現させたものが多かったそうです。ところが、海外では10年前ぐらいから、商品特徴や明るさを排除して、生理の苦しさやその実態を”隠さず”、“リアル”を映し出した表象に。過去10年でジェンダー平等が進み、これまで社会が期待する”優しい女性像”を見せるCMに女性が”押し付けられている”と感じるようになったのではないかと分析しました。
その一方で、アンケートによると、女性の7割近くが「購入時、レジでサニタリー用品を隠すために紙袋に入れる」ことを希望しています。日本ではまだ”生理を隠す”という月経禁忌が残っていると言えるのではないでしょうか?
【第三部/学生生活と生理~女子学生の悩み~】
100年前の女性より、一生における生理の回数が約9倍も増えている現代女性の悩みとは?
薬剤師の岡下真弓さんとICU大学生の2名が、それぞれの視点でディスカッションしました。
■学生生活と生理~低用量ピルで生理をコントロールする~
日本でも生理痛で学校を休まなくてはいけない女性もたくさんいます。現代の女性は、栄養も行き届いて出産回数も減っています。出産回数が減るということは、生理のなくなる妊娠・出産・授乳を経験しない分、生理を多く経験するということ。100年前の女性より約9倍も生理が増えている現象と比例して、生理にまつわる様々な悩みや婦人科系疾患も増えています。
生理の回数や痛みをホルモン治療でコントロールすることも、時には必要だと薬剤師の岡下真弓さんは語ります。しかし、「ピルは高価で手が出せない」という大学生たち。岡下さんは、低用量ピルは“避妊用”という固定観念が強く、子どもには低用量ピルが必要ないと決めてかかる大人もいることも大きな問題だと指摘しました。
■大学生が気になる生理のQ&A
※薬剤師・岡下真弓さんによる回答はlimerimeの公式サイト↓をご覧ください。
https://limerime.com/shop/information/journal_3
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最後に。「従来のサニタリー用品は、女性が生きていく上で必要だった利便性を追求してきた成果であり、決して否定されるべきではないと思います。しかし環境やジェンダー平等、リプロダクティブヘルス・ライツの課題が可視化されてきた今、よりよい社会になるためにはブランドとしてどうすればよいか。いま一度、これまでの“生理の常識”を見直して、みなさんと一緒に考えていきたい。それがlimerimeのミッションです」(limerime須藤)
【ジェンダード・イノベーション薬剤師/岡下真弓】
「ホルモンを味方にしてワタシらしく生きる」をサポートするフリーランス薬剤師。緊急避妊ピルコンシェルズとしてSRHRに貢献。
https://biyou-do.jp/
Twitter@biyou_do Instagram@aromaymi
【広告炎上チェッカー/コタースカ梨華】
広告炎上チェッカー(@EnjoCheck)として改善提案までする、消費者視点の炎上広告分析がツイッターで注目を浴びる。普段は会社員、秋からはイギリス大学院に進学予定。
■limerimeについて
土にかえる素材でつくられているから、からだにも環境にもやさしい。竹の繊維を表面材に用いた、新しいあり方[new+be]を提唱するプラスチックフリー&生分解性のサニタリーブランド。
●公式Web:https://limerime.com/
座談会の詳細は下記、limerime公式サイトにて。
https://limerime.com/shop/information/journal_3
■本件に関するお問い合わせ先
info@v-v-v.jp
株式会社VVV(ヴィースリー) : www.v-v-v.jp
■お客様お問い合わせ先
フリーダイヤル:0120-572-056 hello@limerime.com
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