「令和5年度 地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査(内閣官房)」に採択されました!
【事業の背景】
●福岡市では核家族・共働き子育て世帯が増加しているが、その内の半数の女性が非正規雇用(個人事業主含)であり、世帯内での家事育児を一人で担っている状況にある。また、世帯収入500万以下の世帯が65%を占め、二子以上の家庭においては、制度や自費サービスの利用も困難で、シングルマザーに近しい状況で極めて孤独・孤立状態にあると推測される。そのことより身心不調・疾病や貧困へのリスクも増大する。
●令和3年度経済産業省フェムテック等サポートサービス実証事業 内フレンドナース チャット サポート(2021年9 月~ 2022年1月5 ヶ月間)の結果、(https://drive.google.com/file/d/1NKSFYB11Dq_Y0ENSqmlJU_i6oHjNLA90/view )実証事業に参加した福岡市に住み働く女性の約7割が、健康と仕事を両立するためにパートナーや家族から家事育児サポートを必要としていることが明らかになった。
本事業では、かかりつけナースによるLINEを使ったチャットサポートにより、身心不調の軽減とその背景にある暮らしの要因の現状把握をすること、ボランティア(互助人材)による安価な家事サポートを行うと同時に家庭内家事人材の育成をすることで母親の孤独孤立と疾病、貧困の予防を図ることを目的としている。
【事業内容】
●かかりつけナースチャットサポートの実施
かかりつけナースによるLINEチャット相談にて意思決定・伝達支援を重ねることで信頼関係を構築し、友人のようなつながりをつくり、早期に孤立を防止する。また地域内の各種団体と連携し、身心の不調不安の軽減を行う。
○ 対象者:福岡市中央区在住、世帯所得500万以下の核家族、2子以上(シングルマザー、生活保護者を除く)の女性100名
○ 期間:2023年8月~10月の3カ月間
○ 費用:無料
○ 体制:専門アドバイザー4名と連携しながらナース2名が7時~21時まで対応(相談受付は24時間)。その他地域の関連ステークホルダーと連携しながら実施。
● 有償ボランティアを活用した家事サポート兼家庭内家事人材の育成
養成講座(90分×6コマ)修了後の家事経験の豊富な有償ボランティアが、利用者宅で家事サポートを行いながら同居家族(小学生以上の児童、父親)に家事教育を行う。そのことで家庭内だけではなく同生活圏内に頼れる存在を創出し、孤独孤立を予防する。
○ 対象者:上記モニター100名内希望者25名限定
○ 内容:初級家事(90分×10コマ:掃除②片付け①料理④補講③)
○ 費用:7,500円
【実施体制図】
●啓発活動
チャット相談やアンケート回答をもとに専門家と共にデータ分析を行い、「かくれシングルマザーの現状(身心の健康度、その要因、ニーズ等)と課題」をとりまとめ、ハンドブックを作成し、配布公表を通して社会に認知と理解を深めることで孤立孤独の予防に取り組む。
○相談内容の集計:期間中に相談件数、主訴となる身心症状、素因となるもの、対応内容等を月次で集計
○アンケート実施:健康に関わる「食・運動・睡眠習慣」や社会健康に関することについて毎月実施
○仕様:イラストを中心とした、A5両面カラー10貢程度、200冊印刷
本事業ではコミュニケーション能力が高く、ホスピタリティ精神にあふれ臨床経験豊富なナースがかかりつけナースチャットサポートを担当をすることによって、安心して不安不調を吐露しやすい関係を構築することができる。また「健康」という老若男女共感を得やすい話題を通じて会話を重ねることで信頼関係が構築され、時間の経過とともに表層の課題だけでなく深層の課題まで共有することや、一緒に課題解決することが可能となる。また、生活圏内のボランティアが自宅で家族に家事教育を行うことから、生活圏内に家族のような近しい存在がいる安心感を得、家庭内にも母親を支援する家族の関りを作ることで「私は他者に頼ってもよいのだ」と思える状態へ働きかけることができる。
以上の体験を通して、不安不調を自分だけで抱えることなく、家族や他人、社会に対しオープンに表現し、助けを求め、人生や暮らしの課題を協働しながら解決することで、自然と多くの人と繋がれる能力が身についていく。
【その後の展望】
「有償ボランティアを活用した家事サポート兼家庭内家事人材育成」事業を対象地域を中心とした福岡市内で非営利(自団体の寄付事業)・営利(個人または中小企業内育児休暇中の福利厚生)の両事業で展開を行う他、他地域展開、各自治体の「子育て支援サービス」の一環となるモデルも展望を描いている。その他、本モデルを基にした「育児休暇中の男性やこども対象の家事教育プログラム」等のサービスの展開も行う予定。
【代表メッセージ】
笠 淑美(Yoshimi Ryu)
大学時代に受けた父の余命宣告から、約10年間の療養生活を家族と共に過ごしてきました。幸い、ナース・ケアマネージャーとなった二人の妹が最強のサポーターとしてサポートしてくれたおかげで、私自身は自分らしく働き続けることができましたが、「それは全ての人に必要なもの」という思いから「かかりつけナース」の仕組みを考えるに至りました。そして当時利用者であったご婦人の遺贈寄付により、「健やかな未来を次世代へ」との願いを込めて、一般財団法人として本格的に活動をスタートしました。本事業は、一見、日々の暮らしを精一杯おくるあまり「助けを求める」ことさえ思い及ばない当事者と、周りからも「助けが必要」だと認識されずに、核家族内で家事育児を一人で負担する地方都市の働く女性の不安不調の常態化を目の当たりにしたことにより着想したものです。誰しもがどんな時でも自分らしく健やかに安心して社会参画できる社会づくりを目指して、日々活動を続けてまいります。
【団体概要】
団体名:一般財団法人ウェルネスサポートLab
代表理事:笠 淑美
住所:〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2-9-20-1103
電話:092-231-9762
設立:2020年1月
事業内容:不安不調期・療養期の意思決定支援事業、不安不調期・療養期のコーディネート看護ケア事業、ウェルビーイングに関する地域貢献人材育成事業、終活コーディネート事業
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