NTT AI-CIXとRetail AIによるDX新会社の設立について~連鎖型AIエージェントの提供により、流通サプライチェーンにおける新たな事業を開始~
株式会社NTT AI-CIX(本社:東京都港区、代表取締役社長:社家一平、以下、NTT AI-CIX)と株式会社Retail AI(本社:東京都港区、代表取締役CEO:永田洋幸、以下、Retail AI)は、共同で新会社の株式会社Retail-CIXを設立し、流通サプライチェーンにおける新たな事業を開始します。当初は、POSデータ(※1)を活用した高度な需要予測と、業務プロセス間の連鎖型AIエージェント(※2)を用いたサプライチェーン最適化サービスの事業展開を進めます。
本取り組みは、NTT株式会社とトライアルホールディングス株式会社(以下、トライアルHD)との連携協定(※3)により進められているSCM(サプライチェーンマネジメント)改革の成果を基盤としており、製・配・販において見えづらかった需要・発注・在庫・棚割・物流・店舗作業といった一連のプロセスを、AIとデジタルツイン技術を用いて可視化・全体最適化する仕組みです。
1. 背景と目的
流通業界では、構造的な課題が原因で在庫過剰や返品・廃棄コストの増加といった問題が恒常的に発生しています。さらに近年では、製・配・販の各段階で人手不足が深刻化し、配送コストや店舗人件費が上昇、経営効率を圧迫しています。これに対し、NTT AI-CIXとRetail AIは、トライアルHDとの協力により、店舗における実証実験を繰り返してきました。その結果から大きな効率化が見込める段階に入ってきました。
2. 主な成果
トライアルHDとの取組みにより、以下のような実績が得られています:
•店舗作業コスト削減(例:▲20%)
•店舗在庫の圧縮(例:▲20%)
•発注の波動緩和による物流の平準化と効率化(例:▲10%)
•発注精度向上による欠品削減・廃棄削減(例:▲5%)
この最適化効果は小売業に留まらず、卸売業・メーカーと連携することにより、以下のような川上への波及効果も得られる見込みです。
•生産・出荷計画の合理化
•製造現場の作業平準化と残業削減
•返品率・廃棄率の大幅削減

3. 新会社の役割
こうした成果をさらに広く展開するために、NTT AI-CIXとRetail AIは新たに合弁会社を設立し、以下のサービスを提供します:
•小売業向け:自動発注、棚割最適化、業務負荷軽減
•卸売業向け:小売業と連携した需要予測による在庫最適化コントロール
•メーカー向け:小売業と連携した生産・出荷計画最適化
これらの機能を支える中核技術の一つが、DTC-SCM(デジタルツインコンピューティングによるサプライチェーンマネジメント)と呼ばれる「連鎖型AIエージェント」による最適化エンジンであり、流通サプライチェーンにおける“全体最適”を実現します。

4. 新会社概要
(1)会社名:株式会社Retail-CIX
(2)代表者:代表取締役社長 社家一平
(3)資本金:1億円(株主構成:NTT AI-CIX 50%、Retail AI 50%)
(4)所在地:東京都港区
(5)事業内容:流通サプライチェーンにおける業務最適化に関するAIエージェントサービスの提供・コンサルティングサービスの提供
(6)設立日:2025年7月8日
5. 今後の展開
複数の製・配・販企業との連携を予定しており、既存の業界慣習による構造的な課題を連鎖型AIエージェントを用いて解決する革新的なサービス創出と導入拡大をめざします。これにより、日本の流通構造全体を「需給の見える化」「在庫の圧縮」「作業の標準化」「配送の最適化」によって再構築し、持続可能な商流モデルの実現を図ります。
6. 本件に関するお問い合わせ
株式会社Retail-CIX contact@retail-cix.jp
※1:小売店等で商品の販売時に記録される販売データ
※2:課題解決に向けて様々なAIが自律的にタスクを遂行し、業務・業界横断で互いに連携する技術
※3:トライアルとNTT、サプライチェーンマネジメント最適化実現に向けた連携協定を締結 | ニュースリリース | NTT
(URL:https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/01/22/240122a.html)
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