SIRC、独自のセンシング技術でルワンダの無収水削減と省エネに挑む

―社会課題解決と海外市場展開に向けて

株式会社SIRC

2024年11月21日 10時05分

株式会社SIRC（サーク）（本社：大阪市中央区、代表取締役CEO：髙橋　真理子、以下「SIRC」）は、2024年9月に独立行政法人国際協力機構（以下、「JICA」）と「ルワンダ国 IoTデバイスを活用した無収水削減と省エネルギー対策に係る案件化調査」にかかわる契約を締結しました（契約期間：2024年9月27日から2026年1月30日）。本事業は、開発途上国の課題解決に貢献する日本の民間企業等のビジネスづくりを支援する、JICAによる「中小企業・SDGsビジネス支援事業（JICA Biz）」として採択されたものです。

ルワンダ共和国（以下「ルワンダ」）は、人口約1,300万人のアフリカ中部の内陸国で、一人当たりのGNI（国民総所得）が約960USDの最貧国ながら安定したGDP成長を続け、ICT（情報通信技術）の推進や、他国からの技術導入にも力を入れています。

一方で、インフラ整備が不十分で給水状況に課題が多く、首都キガリ市（人口約113万人）では常態化している給水停止のため、約35％の住民が週1～3回しか給水を受けられない状況です。給水停止の主な原因は、41%と高い無収水率（水道事業体にとって料金収入にならない水道水のこと。生産水量から販売水量を引いた量の生産水量に対する割合を無収水率という。）を背景とした水供給能力不足で、キガリ市の都市給水事業を一元的に担うWASAC（ルワンダ水衛生公社）は、2025年までに無収水率を25%までに削減することを5か年戦略アクションプランとして実施中ですが、老朽化した既存施設の再構築や水道管の交換といった根本的な対策を行うための予算がなく、過去5年間の無収水率はほぼ横ばいとなっています。また、水源が低地に位置するため、水供給量あたりのエネルギー消費量が高く、WASACの年間維持管理費に占める電力費は2018年時点で51%に達しており、エネルギー削減が重要な課題となっています。

無収水の要因は、①質の低い給水資機材や施工による漏水、②配水管理が不十分なために発生する高水圧（漏水事故・量の増加）、③メータの精度不足と特定されています。この問題への対策として、「高品質な給水資材の調達システムの確立」「配水区域の分割と、圧力および流量の適切な管理（ブロック化）」、「メータの適切な管理」が重要であると指摘されており、計画的な無収水対策を進めるためには、各所の状況を把握するため、様々なデータの可視化が重要になります。

当社は本事業において、コア技術のひとつである「SIRCデバイス」を活用した独自のDXソリューションによって可視化を図り、漏水・高水圧の調査や、水道メータの効率的な検針に加えて、WASACの経営課題である電力量に関する調査も実施します。これらの取り組みにより省エネを推進し、維持管理費削減で得た資金を無収水対策に充当することで、地域の皆様に安心・安全な水の供給ができる体制の構築を目指します。また、ルワンダにおけるビジネス展開の可能性を検討するほか、無収水削減や省エネルギー化の実現に向けたODA（Official Development Assistance（政府開発援助））事業との連携の可能性についても調査します。

今回の取り組みは、海外市場への展開を見据えた新規事業であり、ルワンダの社会課題解決に貢献するとともに、SDGs（持続可能な開発目標）における、以下の目標に寄与することを目指しています。

当社は、地球環境に配慮しながら、これから発展する人や経済の成長を実現する社会の実現に尽力してまいります。