佐賀発「STEAMDAYS!!佐賀2025」が示す、共創型アントレプレナーシップエコシステム

地域企業・学生・大学・自治体が共に育つ実践の場の実現

一般社団法人InnoDrops

一般社団法人InnoDrops(イノドロップス 代表理事:小山直子、所在地:佐賀県唐津市)は、
2025年6月〜9月にかけて、国立大学法人佐賀大学の協力のもと、
STEAM教育を基軸とした社会課題解決プログラム「STEAMDAYS!!佐賀2025」を開催しました。

本プログラムは、地域企業・大学・自治体が連携し、
中高生・大学生・社会人が協働で課題解決に挑む「共創型アントレプレナーシップエコシステム」として位置づけられています。

STEAMDAYS!!佐賀2025実施レポート解説ポッドキャスト(視聴時間20分)


■ 地域から始まる“共創型人材育成エコシステム”

AI時代において、求められるのは「答えを知る人」ではなく、「問いを立て、他者と共に解を創る人材」です。

STEAMDAYS!!が行っているのは、地域の教育機関・企業・行政が連携し、学生たちが社会課題を“自分ごと”として探究し、実装まで取り組む実践型プログラム。

中高生はユーザーインタビューから課題(インサイト)を発見し、デジタルツール(ゲーム・アプリ)で解決策を形にしていきます。

受動的に教えられるのではなく、主体的に考え、行動し、「自分たちでそのレールを作ったことがある」経験を積む失敗と試行を繰り返すアジャイル型の学びを重視し、自ら課題を発見し形にする力を育むことで、地域から次世代の社会起業家を輩出することを目的としています。

この“共創の場”は、地域社会全体で次世代を育てる人材育成インフラとして機能しています。

■ 企業・行政(大学)にとっての新しい人材育成モデル

本プログラムでは、中高生を支援する「伴走サポーター」を大学生・若手社会人が担うことにより、支援する側自身がコミュニケーション能力(コーチング/メンタリング)やリーダーシップ・共感力・問いを立てる力を育成し、実践する機会として提供しました。

一般的な単なる支援者ではなく、「他人の能力や特性を引き出す経験を通して、自らのアントレプレナーシップ(起業家精神)を育てる」次世代を導く「共創型リーダー」として地域に循環する存在へと成長の場としても活用されました。

大学生・社会人ともに、「相手の立場で考える力」「課題を構造的に捉える視点」を獲得し、 中高生との協働を通じて、共創型リーダーシップへの意識変容が見られ、終了後のアンケートでは全体の8割以上が学生起業や次へのチャレンジへの意欲を示しました。

地域企業が教育現場に参画し、学生・行政・大学と共に“人材を育てる”ことで、
地方発の人的資本経営モデルとして注目が高まっています。

■ 成果とインパクト

参加者総数:中高生32名、伴走サポーター約20名

実施期間:2025年4月〜9月

最終発表会場:佐賀大学オプティム・ヘッドクォータービル

テーマ:「精神・発達障がいと自分らしい個性の活かし方」

来場者数:51名/YouTube視聴数424回

本年度のテーマでは、佐賀県で就労継続支援B型事業所を運営し、「生きづらさ」を「おもしろさ」に転換する事業に取り組む株式会社すみなす様のご協力のもと、障がい者支援の現場でのフィールドワークを実施。

中高生たちは「環境が変われば障がいはなくなる」という視点を得て、社会的包摂や多様性をテーマにゲームやアプリ開発に挑戦しました。

また、最終プレゼンコンテストでは、参加者全員が自分の言葉で成果を語り、
審査員から「教育プログラムとして完成度が高い」「探究と創造を結びつけたモデル」と高く評価されました。


■ 「アントレプレナーシップ教育 × 産学官連携」の独自性

STEAMDAYS!!の特徴は、「手段ではなく目的を実践する」プログラム設計にあります。
プログラミングやデザイン思考などの手段を使って「何を解消するのか」という本質的な目的の理解と実践の場を提供し、プロセスと非認知能力の成長を重視した独自のプログラムを、地域をフィールドにして学生と企業、地域が共に「社会に変化を起こす一歩」を踏み出すことに焦点を当てています。

  1. 目的達成能力の育成: 手段の学びで終わらせず「目的達成のための実践の場」

  2. 社会起業家の養成: 「社会起業家」(ソーシャルアントレプレナー) を輩出/育成する場

  3. 自律型人材の育成: 「敷かれたレールではなく自分たちでそのレールを作ること」を実行する場

さらに、学生の“やり切れなかった悔しさ”をあえて残す「戦略的放置設計」により、
挑戦を継続するモチベーションを生む仕組みを構築しています。
この“未完の熱”が、次なる創造(SANDlabや地域起業への発展)へとつながっています。

■ 今後の展望

InnoDropsでは、本プログラムを単発の教育事業にとどめず、
「地域の中で共創型の人材育成エコシステムをつくる基盤」として拡張を進めています。

今後は以下の3つの展開を予定しています。

  1. 地域エコシステム展開:企業・大学・行政が共に運営するモデルの他地域展開

  2. 次世代リーダー育成:企業社員や大学生が共に育つ循環型育成設計

  3. AI×伴走支援ツールの活用:会話データをもとに伴走能力プロセスを可視化し、再現性のある育成モデルを構築


関係者コメント

佐賀トヨペット株式会社 代表取締役社長 唐澤 俊章 氏

「中高生がここまで“考え抜くプロセス”を実践していることに驚きました」
フィールドワークや中間発表など、情報収集から自ら考え、他者に傾聴し、振り返りながら見直すという一連のプロセスを各チームから感じることができました。
一つひとつのチームが自分たちのテーマに真摯に向き合い、課題解決へとつなげようとする姿勢に感動しました。
中高生がここまで実践的な探究活動を行えることに驚かされ、全チームのプロセスをもっと知りたいと強く思いました。


【STEAMDAYS!!支援の理由】
「地域創生」が当社のテーマです。
かつては“自動車の普及”が地域を支える活動でしたが、人口減少が進む今の佐賀県では、 「学生支援プロジェクト」「子どもの居場所づくり」「店舗の利活用」など、地域と共に歩む取り組みこそが、次の時代の“地域創生”だと考えています。
その思いから、佐賀の未来を担う学生たちの挑戦を応援し、地域を活性化したいという目的でSTEAMDAYS!!に協賛しました。

【学生へのメッセージ】
自分の可能性を信じて、一歩踏み出す勇気を持ってください。
佐賀トヨペットは、皆さんの挑戦を心から応援しています。

株式会社ANDCO 代表取締役社長 江口 英希 氏

「中高生が“課題解決”と“自己形成”を同時に経験できる、貴重な学びの場」
中高生という、将来の自分を形づくる大切な時期に、デザイン思考や課題解決のフレームワークを“実体験”として学べる機会が提供されていることに大きな価値を感じました。
さらに、大人の前で自分の考えをプレゼンし、直接評価してもらえるという経験は、何ものにも代えがたい学びだと思います。
一人ひとりが社会との接点を通して、自分の視点を磨き、挑戦する姿が印象的でした。

【社会人伴走サポーター派遣企業としての感想】
当社では、社員育成の一環としてSTEAMDAYS!!に伴走サポーターを派遣しました。
若手社員にとって「教える立場」ではなく「支える立場」で関わることは、日常業務では得られない貴重な経験となりました。
約10歳以上年下の中高生に対し、自らの経験を語りながら伴走する過程で、自分自身のキャリアを振り返り、成長を再認識する機会になったと感じています。
また、STEAMDAYS!!は単なる指導の場ではなく、コーチングやメンタリングといった“支援の在り方”を実践的に学べる環境であり、社員育成の場として非常に有意義でした。
今後も若手社員が外部と積極的に関わり、地域や教育の現場で実践するきっかけを増やしていきたいと考えています。

【学生へのメッセージ】
皆さんが取り組んだ経験は、きっと社会に出てからも自分の中で生き続けると思います。
自分の意見を持ち、他者と協働しながら新しい価値を生み出す姿勢を、これからも大切にしていってください。

ガイアックス株式会社 DAO事業部 事業責任者 廣渡 裕介 氏

「コンテストの場として進行・演出のクオリティが非常に高く、プロフェッショナルな印象を受けました」
司会進行が的確で、オープニング映像や音楽・ビジュアルデザインなど細部まで丁寧に作り込まれており、全体の完成度が高いと感じました。エンターテインメント性と教育的意義がうまく融合しており、学生たちの表現とよく調和していました。

「ピッチに“コント”の要素を取り入れる構成が新鮮で素晴らしかった」
単なる発表会ではなく、創造性やユーモアを交えたプレゼンが多く見られ、観客を惹きつける力がありました。学生たちが自分たちの価値観やアイデンティティを軸に発想していることが伝わり、「何をつくったか」よりも「どんな視点で考えたか」に価値があると感じました。

「評価軸は“ユニークさ”。大人には真似できない貪欲さを大切にしてほしい」
成果物の完成度よりも、どこまで独自性や発想の源泉を突き詰められたかが本質的な評価ポイントだと感じました。最終日に完成していなくても、設計図や構想段階での思考の深さこそが重要であり、それを認め合う文化がSTEAMDAYS!!の魅力だと思います。
大人にはない貪欲な探究心や柔軟な発想を、これからも大切にできるプログラムとして発展していくことを期待しています。


▼詳細はプログラム実施レポートへ

STEAMDAYS!!実施プログラム詳細や学生・企業・地域への提供価値をレポートにまとめておりますので、ぜひ御覧ください。中高生や伴走サポーターのリアルなアンケート結果も公開しています。

STEAMDAYS!!佐賀2025プログラムレポート

■ 一般社団法人InnoDropsについて

InnoDropsは、「認識の枠を超えて、世界の半径を広げる」ことを理念に、
STEAM教育・アントレプレナーシップ教育・伴走者育成を融合した学びの仕組みを地域に実装する団体です。
教育・企業・行政が連携し、地域発のイノベーションが生まれる土壌を育てる活動を行っています。


【お問い合わせ(報道関係者・協賛・参加希望の方)】

一般社団法人InnoDrops(イノドロップス)
Mail:contact@innodrops.org
URL:
https://www.innodrops.org/

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

一般社団法人InnoDrops

0フォロワー

RSS
URL
https://www.innodrops.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
佐賀県唐津市京町1783 KARAE2F
電話番号
050-1807-5600
代表者名
小山直子
上場
未上場
資本金
-
設立
2024年01月