最優秀賞を受賞!12/3(水)おもちゃAED『トイこころ』が、日本AED財団の『AED推進フォーラム2025 AED功労賞』にて最優秀賞に選ばれました。
株式会社坂野電機工業所(本社:北海道北見市、代表取締役社長:坂野恭介、以下坂野電機)が開発したおもちゃAED『トイこころ』が「AED功労賞2025」において、最優秀賞を受賞しました。

2025年12月3日(水)に一橋講堂(東京都千代田区)で開催された「AED推進フォーラム2025」(主催:公益財団法人 日本AED財団)において、おもちゃAED『トイこころ』が「AED功労賞2025」最優秀賞を受賞しました。



12/3(水)に行われた授賞式には坂野電機工業所と共にトイこころ開発推進を行ってきた、terasu社のメンバーも共に舞台登壇しました。約4年におよぶ活動を振り返ると共に、これからの活動を加速させていく結束も高まる1日となりました。
「日本AED財団 AED功労賞」とは
「AED推進フォーラム」は、厚生労働省・総務省消防庁・文部科学省・日本医師会・NHK・日本循環器学会など、20を超える省庁・学会・メディアが後援する、日本最大級のAEDイベント。その公式プログラムの中で行われる「AED功労賞」は、年に一度、AED普及に寄与した取り組みを全国から選出するものです。最優秀賞は、その年にAED普及へ最も大きく貢献した一つの取り組みに授与されるもので、全国で唯一の表彰となります。
おもちゃAED『トイこころ』開発の背景
私たちは、日本のAED使用率低迷を課題とし、
「次世代のAED認知サイクル」を構築して、
「日本のAED利用率10%達成」を目指して活動しています。

私たちのミッションは「次世代のAED認知サイクルを生み出す」ということ。それは啓蒙活動の中で実施したユーザーリサーチから生まれた視点です。
■AED啓蒙に関するユーザーリサーチからわかったこと
①多くの大人がAEDの大切さは分かっている
②だけど大人になるとAEDを使わないことも知っている
③そんな中で仕事や家庭と忙しい中で「わざわざAEDについて学ぶ時間」を優先することはできない
■大人になる前に自然とAEDを使えるようになる社会システムを作るしかない
AEDの使用率を高めるためには啓蒙を行うことではなく、日常の中で自然とAEDに触れる体験を創出し「社会人となるまでにAEDが使えるシステム」が必要と私たちは考えました。
3~5歳のAED体験を考える中で生まれた『トイこころ』


■2024年11月の初販限定1,000個がたった7日で完売
おもちゃAED『トイこころ』は昨年11月に販売開始。限定1,000個が7日で完売し、完売以降も再販希望の声が溢れる結果となりました。お医者さんごっこのセットに「AEDが存在しない」なかで、遊びながらAEDに触れる新たな体験を生み出すおもちゃとなりました。国内だけでなくアメリカ・ドイツなど海外から購入していただいた方、保育園・幼稚園に寄贈する方、イベントで利用する方など、多方面の展開も生まれています。
■2026年3月に再販決定!!!

今回の受賞は2026年3月に予定している再販開始に対しても追い風となりました。Xを通して来年3月の再販告知を行った中で、最優秀賞の受賞は非常に嬉しい結果となりました。
2026年3月再販決定!HPから再販連絡の予約受け入れ中!
■再販限定3,000個に対して「再販連絡予約申し込み1,500件」を突破!
再販まで4か月を迎える中で、公式HPから受け付けている「再販連絡申し込み」の登録は既に1,500件以上。多くの方々から、購入を待ち望む声をいただいております。
【再販連絡予約申し込みは公式HPから】
▼トイこころホームページ
▼坂野恭介Xアカウント
最優秀賞受賞!坂野の舞台上スピーチ内容

私たちは次世代のAED認知サイクルを生み出す
私は、元々医療従事者・医療機器メーカーとAEDに関わる仕事をしていました。6年前、父の会社を継ぐために北海道の片田舎である北見に戻り、医療業界とは全く異なる外側の世界を生きるようになりました。ただ、それでも「誰もがヒーローになれるAEDというものを伝えていきたい」。その想いは強く、AEDの設置販売を行っていくことにしました。提案をすると言われます「LED?光るやつ?」と。業界の現実と、生活者の現実には、まだまだギャップが存在します。その中で「知ってもらわねば…」と啓蒙活動を始めました。そして、おもちゃAED『トイこころ』を開発し、今回、最優秀賞を受賞することができました。今思うのは、大切さや学びを啓蒙することではなく、日常に溶け込む体験を生み出していくこと。私たちは「次世代のAED認知サイクルを生み出す」という目的のもと、子どもが大人になるまでに、自然とAEDを使える世界を作ります。トイこころは、その一つの体験です。日本のAED使用率を向上するために。まだまだ未来を作っていきます。本日は、最優秀賞に選んでいただき、誠にありがとうございました。
受賞式登壇メンバーのコメント

坂野さんと約4年にわたって取り組んできました。最初に「AEDを広めたい」と伺った時、「興味のない人に無理に啓もうしても広がらないのでは?」と率直にお伝えしたことが出発点でした。ゼロの人を興味ある状態に動かすには、命に関わるテーマであっても従来の重たい“教育”だけでは届かない。そのためには、楽しく・面白くという軽いタッチポイントづくりを重視し、これまで共に伴走してきました。『トイこころ』はその考えを形にしたプロジェクトであり、AED認知の新しい入口になれたと感じています。今回の受賞を励みに、AEDの認知サイクルをより楽しく広がる形でつくり続けてまいります。

わたしは都内の大学病院で看護師をしていました。「世界をもっと健康にしたい」という想いで、医療業界を飛び出し、新規事業を作る日々を過ごしています。命をすくう現場を経験した人は、命の大切さを啓蒙しますが、思っていても正しく伝わらない瞬間は多々あります。大切さを啓蒙しても行動変容には至らない。死や病気というネガティブな経験を経た人は命の大切さに気づき行動を変えます。しかし、それでは遅い。不幸な体験からではなく、未来を育む楽しい体験から学びや気づきを与え、行動変容を促し、社会を変えていく。トイこころの受賞はその第一歩。次世代のAED認知サイクルを生み出し、AEDの使用率を向上し、救われる命をひとりでも増やしていきます。

2021年にはじめて坂野さんとお会いしたとき、僕は日常の中でAEDについて考えることは全くありませんでした。当時の僕は坂野さんに「どうしてここまでAEDに熱くなれるのだろう」という疑問を持っていました。しかし、坂野さんとの出会いで変わったのは「命に対して考える時間」が増えたこと。この体験こそが、周りの人が命の危機に瀕した時に救える社会を生む重要な瞬間だと思います。いま社会を支える大人たちだけではなく、これからの社会を担う子どもたちがAEDを使える社会。そんな未来を目指して「次世代の新しいAED認知サイクル」を世の中に広めていきます。トイこころをはじめとしたまだ世の中にない必要なことを作り続け、救えたはずの命が失われない社会を目指します。
私たちは共創によって、これからもAED使用率向上に向けた活動に邁進していきます。今回の受賞をきっかけに、AEDに関わる人々との関係性を深く・広いものに変えていきながら、よりよい社会を目指して挑戦します。
【関連URL】
▼トイこころホームページ
▼坂野恭介Xアカウント
▼メディア「AED認知委員会」
今後の展開について
今回の最優秀賞受賞を受け、『トイこころ』をより多くの方に知っていただくための取り組みを順次進めてまいります。
■ 功労賞 最優秀賞 受賞の特設ページを近日公開
受賞の背景や開発ストーリー、応援メッセージなどをまとめた「功労賞受賞 特設ページ」を近日中に公開予定です。トイこころの誕生から今日までの軌跡を、より深くお伝えします。
■ 「#50人が語る、命をつなぐストーリー」企画を自社メディアにてスタート
坂野電機と『トイこころ』のブランディングディレクションを担っている合同会社terasuにて、共同運営している「AED認知委員会」において、医療従事者・救命士・教育関係者・一般市民など、AEDに関わる50名へインタビューする企画「#50人が語る、命をつなぐストーリー」 を11/21(木)より公開します。AEDの現場で何が起きているのか、なぜ“使われない”のか、現実の声を集め、社会に届けることを目的としています。
▼AED認知委員会はこちらから
■ 反響を受け、2026年3月にトイこころ再販(3,000個)へ
初回1,000個が大反響により早期完売したことを受け、2026年3月に、トイこころ3,000個の再販を予定しています。再販に向けては、実際に使われた声を反映し、おもちゃ自体のアップグレードも進行中です。より多くの子どもたちが安心してAEDに触れられる環境づくりを目指します。

▼再販開始までの改良ストーリーはこちらから
■『みぃつけた本』の販売
トイこころのある日常から発展。街中で「AEDを見つける習慣を育むこと」を目的に『AEDみぃつけた本』を開発・制作中となります。
来年3月の再販だけでなく、次世代のAED認知サイクルを生み出すために、様々な展開を予定しています。最速情報は坂野Xアカウントから配信しています。
▼坂野恭介Xアカウントはコチラ
最優秀賞を出発点に、"次世代のAED認知サイクル"を日本に根づかせる挑戦が始まる
『トイこころ』の挑戦は、今回の最優秀賞をひとつの節目として、ここから本格的な“社会変革フェーズ”へ進んでいきます。
子どもたちが遊びの中でAEDを知り、その家族や周囲へ自然に興味が広がっていき、“学習ではなく、興味から始まるAED認知サイクル” を社会に根づかせること。
そして、現在わずか5%未満の国内AED使用率を、10%へ引き上げる未来を現実のものにすること。
この2つこそが、私たちが本当に目指しているゴールです。今回の受賞は、そのための“スタートライン”。
坂野電機工業所およびAED認知委員会は、トイこころを通じて、救命行動がより身近で、自然で、恐怖や迷いのない社会の実現に向け、これからも歩みを進めてまいります。誰かの「助けたい」という気持ちが、確かな行動へ変わる未来へ。私たちの小さな一歩が、日本の救命文化を前へ進める大きな一歩となることを願っています。
本取り組みを取材いただけるメディア関係者の皆さまは、どうぞお気軽にご連絡ください。
【関連URL】
▼トイこころホームページ
▼坂野恭介Xアカウント
▼メディア「AED認知委員会」
トイこころの誕生、そして最優秀賞を受賞するまでのあゆみ
01. 国内AED使用率はわずか5%未満…
医療従事者でない方々が抱えるAEDへの誤解と使用抵抗を実感
日本では、医療従事者でない方々によるAED使用率がいまだ5%未満という現実があります。この課題と最初に向き合うことになったのが、祖父の代から続く坂野電機に入社した坂野。
AED販売の現場で彼が耳にしたのは、「電気が勝手に流れるんでしょ?」「資格がないと触れないんでしょう?」そんな根深い誤解と“なんとなく怖い”という抵抗でした。
「このまま “よく分からない機械を売る人” では、命は救えない」
その痛切な気づきが、坂野の普及活動の第一歩となりました。
02. ポスター、ペーパークラフト制作による普及活動を開始

「知ってもらうところから始めよう」
そう決意した坂野は、誰よりもひたむきに動き始めました。ポスター制作やX(旧Twitter)アカウントを開設し発信活動も開始――。そして、21年7月1日の『AEDの日』に「ペーパークラフトAED」を公開するまで、わずか1年足らず。
「知らないなら、知ってもらえばいい」
そのシンプルで強い想いが、初期の活動をぐいぐいと推し進めました。
03.“AEDを知ってほしい人”に間接的にしか届かない現実に直面
しかし、普及は思うように広がりませんでした。クラフトAEDは学校の先生や医療従事者に喜ばれたものの、最も届けたい医療従事者でない方々には “間接的に” しか届いていなかったのです。
「生徒に伝えたい」「講習で使いたい」と評価されながらも、それはあくまで“伝える側の人たち”の中での反響。医療従事者でない方々がAEDを手に取る機会は、まだ生まれていない。この時期、坂野は普及の“壁”と向き合うことになります。
04.AED普及の最短近道として「次世代へのアプローチ」を戦略

そんな中で坂野は、ひとつの確信に辿り着きます。
「大人を変えるより、子どもを通じて大人が変わる世界の方が、早い」
子どもの“楽しい!”という純粋な感情は、大人を笑顔で巻き込む力を持っている。そこにこそ、AED普及の突破口があると気づいたのです。だからこそ坂野は、子ども向けの「しゃべり方だけ大人っぽい教材」ではなく、子どもが心の底から楽しめる、本物の“子どもコンテンツ” をつくる必要性を強く感じ始めました。
05.おもちゃ試作品の制作

次なる挑戦は、「おもちゃ」というまっすぐな手段でした。“学ばせる”のではなく、“遊びの中で自然と知ってしまう” という体験を形にするため、坂野は本格的な試作に着手します。必要なのは、説明資料でも講習セットでもなく、子どもが「遊びたい!」と思えるワクワクそのもの。
誤解も恐怖も越えていくのは、“知識”ではなく“体験”。その信念が、ものづくりの中心に据えられていきました。
06.トイこころ誕生、「AED功労賞2025」最優秀賞を受賞

そしてついに生まれたのが、おもちゃAED『トイこころ』です。告知から誕生までに、約1年半の開発期間を経て、24年11月1日に限定1,000個の予約販売をスタート。瞬く間に反響を呼び、予約販売開始からわずか1週間で完売しました。
革新的な取り組みが認められ、「AED功労賞2025」最優秀賞を受賞。目指すのは、人が人を助けることに、恐怖も迷いもない世界。トイこころは、その未来への第一歩として歩み始めました。
株式会社坂野電機工業所 会社概要
社名:株式会社坂野電機工業所
所在地: 北海道北見市北6条西6丁目
設立日:昭和35年6月17日
代表者:代表取締役社長 坂野恭介
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