男性の「産後うつ」にもアプローチする出産準備プログラム「出産まえ会議」を全国の医療機関向けに提供開始
大阪医科薬科大学病院にて先行導入
株式会社maemo atomo(本社:大阪府吹田市、CEO:西山夏実)は、夫婦*1参加型の出産準備プログラム「出産まえ会議」を、全国の病院向けに提供開始いたします。
本プログラムは、臨床経験豊富な助産師と理学療法士が連携し、「運動」「学び」「対話」を通じて2人で出産と育児への備えを実践的に深める参加型プログラムです。男性の「産後うつ(出産後に発生するうつ病)」や、産後の夫婦間に生じやすい価値観のすれ違いなど、近年注目されている課題にも対応し、産前からの包括的な支援を目指します。
今回、先行導入として2025年8月31日に大阪医科薬科大学病院(大阪府高槻市、病院長:勝間田敬弘)産科・生殖医学科にて「出産まえ会議」プログラムを実施しました。今後は全国の医療機関とも連携し、より多くの夫婦が安心して出産・育児に臨める社会づくりに貢献してまいります。

【『出産まえ会議』提供背景】
近年、男性の育児休業取得率は着実に上昇しており、2023年には30.1%に達しました*2。男性の育児参加が進む一方で、「産後うつ」は女性に限られた課題ではなく、近年の研究では男性における発症率も女性と同程度であることが明らかになっています*3。また、母親が「産後うつ」を発症した場合、父親も最大約50%の確率で発症するという研究報告もあり*4、家庭全体への支援の重要性が増しています。
一方、現在の主な産前産後支援は、女性を対象とするものがほとんどであり、男性の育児参画に対する支援体制はまだ十分に整っているとは言えません。さらに、産後の夫婦間の価値観の相違やコミュニケーション不足などを背景に、「産後クライシス」*5と呼ばれる関係性の悪化が生じるケースも増加しています*6。
こうした課題に対しては、出産前から育児について夫婦で話し合い、互いの考えを理解することが重要であるとされています。また、複数の研究により、定期的な運動を生活に取り入れることが、うつ症状の予防や軽減に一定の効果をもたらすことも明らかになっています*7。
このような社会的背景をふまえ、maemo atomoでは、夫婦が出産と育児に向けて心身の準備を実践的に進められる参加型プログラムとして「出産まえ会議」を開発し、全国の医療機関を通じて提供を開始する運びとなりました。
【『出産まえ会議』概要】
・ プログラム名 :「出産まえ会議」
・ 受講可能な場所:当社スタジオ または 提携医療機関内
・ 受講対象 :出産を控える夫婦
・ 講師 :産前産後の運動指導に特化した助産師および理学療法士
・ プログラム構成:「運動」「学び」「対話」の3つの軸で構成された参加型プログラム。
助産師による現場経験と最新知見をもとに、夫婦が心身共に出産に向けた準備 を進められる機会を提供します。

【大阪医科薬科大学病院産科・生殖医学科との開催経緯】
大阪医科薬科大学病院産科・生殖医学科は、高度な医療体制と多職種連携により、妊娠・出産時の緊急事態にも迅速かつ的確に対応できる体制を整えています。最新の知見に基づいた周産期管理を通じて、母体と胎児の安全を守る取り組みがなされています。
一方、多忙な診療現場においては、夫婦への個別の運動指導や、出産前のコミュニケーション支援といった包括的なサポート体制には、なお発展の余地があるのが現状です。
こうした中、maemo atomoは「出産まえ会議」プログラムを、同病院産科・生殖医学科との連携の中で先行導入し、高度な医療体制を補完する形で、出産を控えた夫婦を心身両面から支援できるのではないかと考えました。
このような背景のもと、医療と連携した新たな出産準備支援の取り組みとして、2025年8月31日に「出産まえ会議」を同病院にて開催しました。なお、同病院に通われている方の多様な家族の在り方に配慮し、第一部は女性のみで参加する妊娠期に特化した運動クラス、第二部を夫婦で参加できる「出産まえ会議」プログラムを実施しました。
<担当医のコメント>
永昜 洋子先生(大阪医科薬科大学病院産科・生殖医学科)

産前産後の方々と日々関わるなかで、身体づくりや運動習慣の形成、メンタルの揺らぎへのサポート、さらには夫婦関係の調整など、多面的な課題が存在することを痛感しています。特に、妊娠中から産後まで一貫して安心して取り組める「からだとこころのサポート」の場が求められています。
そのような背景から、今回maemo atomoにご依頼させていただきました。専門的知見に基づくプログラムと、温かく寄り添う姿勢は、妊産婦さんやご家族にとって大きな力になると確信しております。
私たち自身も、医療の現場から見えてくるニーズや声を共有しながら、共により良いサポート体制を築いていければと思います。maemo atomoの取り組みが、産前産後の方々にとって「安心して頼れる居場所」となり、多くの笑顔を支える活動となることを心から応援しています。
<参加された方のコメント>
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出産、育児のイメージがお互いに全くついていなかったので、実技や説明を通して学べて良かった。実技があったことで出産がイメージできた。
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情報が溢れている中で、どれを信じれば良いのか難しいことが最近の悩みでした。実際の現場感も入れながら、対面でご教授いただける機会があるのはとてもありがたかった。
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保育園探しなどですでに夫との熱量の差を感じているところでした。夫婦で同じタイミングで情報をもらえ、医療者のいる場面で一緒に考える機会があったことがとても良かった。
【今後について】
maemo atomoは、今後さらに多くの医療機関と連携し、「出産まえ会議」を全国へ広めることで、より多くの夫婦を支援していきたいと考えています。また、現在進めている大学との共同研究を通じて、妊娠・出産期の心身の健康に関する知見を深め、その成果を新たなサービス開発にも活かすことで、産前産後の女性や家族が安心して、出産・育児に向き合える社会づくりに貢献してまいります。
【医療機関の皆様へ】
maemo atomoでは、現在「出産まえ会議」の導入に関心をお持ちの医療機関を募集しております。出産前後における運動支援や夫婦間のコミュニケーション支援を重視されている病院・クリニックの皆さまと連携を深めることで、より多くの夫婦に質の高い支援を提供してまいります。
導入に関する詳細やご相談につきましては、お気軽にお問い合わせください。
<本プログラムに関するお問い合わせ先>
株式会社maemo atomo 「出産まえ会議」担当
E-mail:info@maemoatomo.com
*1 本リリースでは「夫婦」という表現を用いていますが、私たちは婚姻の有無や性別にかかわらず、さまざまな家族・パートナーシップのかたちを尊重しています。
*2 厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」育児休業取得率(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r05.html)
*3 Takehara, K., Suto, M. & Kato, T. Parental psychological distress in the postnatal period in Japan: a population-based analysis of a national cross-sectional survey. Sci Rep 10, 13770 (2020).
*4 Goodman, J. H. Prenatal and postpartum depression in fathers and its association with maternal depression: A meta-analysis. JAMA, 303(19), 1961–1969. (2010).
*5 出産後に夫婦関係が急激に悪化する現象を指す言葉。背景には、家事・育児の偏り、産後のホルモン変化や心身の不調、価値観の違いなどが指摘されています。
*6 内閣府(2022)『令和4年 男女共同参画社会に関する世論調査』(https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/survey_r04.html)
*7 Dipietro, J. A., Costigan, K. A., Kivlighan, K. T., & Chen, P. Effects of physical activity on depressive symptoms during pregnancy: A randomized controlled trial. Archives of Women's Mental Health, 23(6), 893–901. (2020).
<参考>
■ maemo atomoについて:
– 出産を、リスクにしないために。「運動」を、世の中の常識に。 –
maemo atomoは、出産をリスクにしない社会を実現するため、研究者と産前産後の医療専門職が連携し、科学的根拠に基づく安全な運動プログラムを開発・提供しています。私たちが目指すのは、単なる運動の提供ではありません。医療・教育・地域支援の垣根を越え、誰もが安心して運動によるケアを受けられる社会の仕組みをつくり、妊娠・出産・子育てに向き合う女性が運動することを世の中の常識にしていくことです。この挑戦を通じて、すべての女性とその家族が自分らしく生きられる社会の実現に取り組んでいます。
スタジオホームページはこちら → https://maemo-atomo-studio.com/
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