国内外の中学・高校教員600人、生徒15,000人が回答!英語の授業でのオンライン国際交流の学習効果に関する調査分析
国内外問わず教員の9割以上が、プログラム実施後の生徒の学習態度変容を実感

国際交流を起点に多様性あふれる社会の実現を目指す一般社団法人HelloWorld(ハローワールド、沖縄県沖縄市)は、国際交流や多文化理解等に関する調査・研究を推進するため、IntEx(*)研究所を設立しています。この度、連携先であるHelloWorld株式会社(本社:沖縄県沖縄市、Co-CEO野中光、冨田啓輔)が「英語の授業内でのオンライン国際交流が生徒の学習効果・意欲に与える影響について」の調査を実施し、日本国内の教員282名、日本の生徒13,059名、海外の教員315名、海外の生徒2,345名から回答を得ました。IntEx研究所が独自にその内容を分析しましたので、結果を公表します。
(*)「IntEx」(インテックス)とは、International Exchange / International Experienceの総称。リアル・オンラインを問わず、多文化理解等を目的に、人と人が国際交流をする活動を総体的に捉える概念をいいます。
調査分析結果 ポイント
★日本・海外とも教員の9割超が
「国際交流後、生徒が主体的に英語学習に取り組むようになった」と回答。
★国内外の生徒、それぞれ90%以上が、国際交流によるモチベーション向上を実感。
★日本では教員・生徒ともに、4技能のうち「『話す』力の向上に役立った」と回答した割合が
9割超でトップに。
★日本の生徒の88.3%が「世界中の文化や生活についてもっと知りたい」と回答、
多文化理解の促進に寄与することが明らかに。
一般社団法人HelloWorldの取り組みと調査分析背景について
一般社団法人HelloWorldは、異文化交流や多様性に触れる経験をより多くの子どもたちに届けることが、分断のない社会の実現につながると考えています。異文化交流や多様性に触れる国際交流活動は、オンラインで実施することでその対象を大きく広げることが可能です。さらに学校教育の授業内にプログラムとして取り入れることが機会提供の最大化に繋がると考え、HelloWorld株式会社と連携して、同社の提供する英語教材「WorldClassroom」を活用したオンライン国際交流プログラムの導入効果等の検証に取り組んでいます。
オンラインを含む国際交流への期待は教育政策においても顕著で、内閣官房が未来の人材育成につながる教育の在り方を議論する「教育未来創造会議」でも、その重要性が示唆されています。具体的には、2033年までの目標として「対面での国際交流を実施する高校の割合を現在の18%から50%に引き上げる」「中学・高校段階におけるオンライン等を利用した国際交流を行っている学校の割合を20%から100%に引き上げる」などが掲げられました。このような野心的な目標の達成に向け、教員・生徒がIntExによって感じる効果や今後への課題を示すべく、「WorldClassroom」でオンライン国際交流を体験した方々のアンケート結果の分析を実施しました。
尚、HelloWorld株式会社からは、個人を識別できない形式に加工した統計データとしてアンケート結果を受領しております。
調査分析結果 詳細
1. 日本と海外の教員にそれぞれ、「国際交流をすることによって、生徒は主体的に英語学習に取り組むようになったと思いますか」と伺いました。日本の教員の92.2%が「そう思う(とてもそう思う:55.0%、そう思う:37.2%)」と回答しました。また、海外の教員では「そう思う」と回答した割合は98.1%(とてもそう思う[Strongly agree]:84.8%、そう思う[Agree]:13.3%)でした。客観的に、国際交流による生徒の学習に対する姿勢の変化が感じられていることが分かります。
図1:「国際交流をすることによって、生徒は主体的に英語学習に取り組むようになったと思いますか。」(日本国内向け)

図2:「Do you think that students have become more proactive in learning English as a result of international exchange?」(海外向け)

2. 日本と海外の生徒に対し、英語を使うことへの意欲の変化を伺いました。日本の生徒への「国際交流授業によって、英語をもっと上手に話したいと思いましたか」という問いに対して、肯定的に回答した割合は91.8%(とてもそう思う:66.3%、そう思う:25.5%)でした。海外の生徒への「英語をコミュニケーションツールとしてもっと活用したいと思うようになりましたか」という問いに対しても、91.8%が肯定回答(とてもそう思う[Yes, significantly]:65.8%、そう思う[Yes, somewhat]:26.0%)でした。
国際交流体験は、英語を使用する機会が比較的少ないと考えられる日本の生徒に対してだけでなく、海外の生徒に対しても「コミュニケーションツール」としての実感を与え、モチベーション向上に寄与することがうかがえます。
図3:「国際交流授業によって、英語をもっと上手に話したいと思いましたか。」(日本国内向け)

図4:「Has your mind changed as you want to use English more as a communication tool?」(海外向け)

3. 日本国内の教員と生徒に、「聞く」「読む」「話す」「書く」の英語の4技能ごとに、国際交流体験がその力の向上に役立ったと感じるか伺いました。教員、生徒ともに、「役立った」と回答した割合が最も高かったのは「話す」、次いで「聞く」でした。対話を中心とした国際交流を「読む」力と「書く」力の向上につなげるには、国際交流後の授業でその内容を取り上げるなど、新たな工夫が求められることがうかがえます。
一方、「読む」力の向上については、国際交流が「役立った」と回答した教員は53.7%(とても役立った:17.4%、役立った:36.3%)だったのに対し、生徒は72.2%(とても役立った:34.3%、役立った:37.9%)と約20ポイントの差がつきました。今回の調査対象とした生徒が体験した国際交流では、実際の交流に先立って生徒が事前学習を行っており、その中で目的意識が明確になった結果、「読む」力の向上を実感することにつながったといえそうです。
図5:Q.「英語の4技能について、国際交流が力の向上に役立ったと思いますか。」(教員向け)

図6:Q.「英語の4技能について、国際交流が力の向上に役立ったと思いますか。」(生徒向け)

4. 日本国内の生徒に「国際交流授業によって、世界中の文化や生活についてもっと知りたいと思ったか」を伺ったところ、88.3%が「そう思った(とてもそう思った:54.8%、そう思った:33.5%)」と回答しました。国際交流の体験は、英語能力の向上や英語学習の意欲向上にとどまらず多文化理解への動機づけにつながっているといえます。
図7:「国際交流授業によって、世界中の文化や生活についてもっと知りたいと思いましたか。」

<総括>
本調査分析により、オンラインであっても国際交流体験(IntEx)が、生徒の英語スキルそのものの向上に寄与するだけでなく、学習の意欲向上や主体性の向上に繋がることが定量的なデータで示されました。また、語学力のみならず多様な価値観の相互理解の姿勢を培うことが可能であり、「グローバル人材」の育成に寄与すると考えられます。私たちは引き続き、オンラインのメリットを活かしたIntEx機会の最大化を目指すとともに、IntExで得た学びを通常の授業にフィードバックする好循環を生み出すべく、様々なパートナーと連携してまいります。
<調査概要>

調査期間 |
2024年5月1日~2025年3月31日 |
---|---|
調査機関 |
HelloWorld株式会社 |
調査結果分析機関 |
一般社団法人HelloWorld |
調査対象 |
「WorldClassroom」でオンライン国際交流に参加した、 日本・海外の中学校と高等学校の生徒及び英語科教員 |
有効回答数 |
日本国内の教員282名、日本の生徒13,059名、 海外の教員315名、海外の生徒2,345名 |
調査方法 |
インターネット調査 |
<団体概要>
団体名 :一般社団法人HelloWorld
代表者 :野中 光・冨田 啓輔
所在地 :沖縄県沖縄市中央1-7-8
設立 :2023年10月
活動内容:まちなか留学基金の運営、企業/団体等とのコラボレーションによる子どもたちへの支援、国際交流や多文化理解等に関する調査・研究の実施(IntEx研究所)など
本件に関するお問い合わせ先
一般社団法人HelloWorld 広報担当
電話:050-1754-0066 メール:association@hello-world.city
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