革新的な超精密加工技術により、高精度非球面シリンドリカルレンズの量産支援体制を確立
~ナノレベル精度0.1μm以下を実現、光通信・レーザー加工分野の技術革新に貢献~
株式会社東海エンジニアリングサービス(以下「TES」)は、独自開発の超精密多軸加工技術により、従来工法の精度限界を大幅に上回る形状精度0.1μm以下の高精度非球面シリンドリカルレンズおよびシリンドリカルアレイレンズの製造技術を確立したことを発表いたします。本技術により、光通信、レーザー加工、画像処理などの分野で急速に高まる高精度光学部品の需要に対応いたします。
急拡大するシリンドリカルレンズ市場と技術課題
シリンドリカルレンズの市場動向
シリンドリカルレンズは、光を平行光に変換し、光源のビーム成形を行う重要な光学部品として、特に光通信分野では必須のコンポーネントとなっています。また、複数のシリンドリカルレンズをアレイ状に配置したシリンドリカルアレイレンズは、レーザービームの変換・均質化技術として、産業用レーザー加工、医療機器、研究開発機器などで需要が急速に拡大しています。

従来製造技術の限界
従来の円形断面シリンドリカルレンズは、棒状ガラスを回転研磨する量産手法が確立されていました。しかし、断面が非球面形状の場合や、シリンドリカルアレイレンズの製造では、従来の古典的手法では対応できず、精密加工や精密プレス技術が必要となります。
特に、一般的なマシニングセンターによるラスター加工では、工具の輪郭精度や偏摩耗の影響により、形状誤差が数μm以上となってしまい、高精度が要求される光学用途には適用困難でした。
技術革新:超精密多軸加工によるナノ精度の実現
革新的加工技術の詳細
TESでは、以下の技術要素を組み合わせた独自の超精密加工システムを開発しました:
・超精密多軸加工システム:多軸同時制御による高精度加工
・専用工具・治具開発:非球面シリンドリカル形状に最適化された専用ツール
・最適化された加工条件:材料特性と形状要件に応じた加工パラメータの最適化
達成した技術仕様
・形状精度:0.1μm以下
・対応形状:凸形状・凹形状の両方に対応
・材料対応:各種光学ガラス、結晶材料、セラミックス、超硬材料
製品特長と市場優位性
1. 卓越した精度と品質
従来の数μm精度から0.1μm以下へと大幅な精度向上を実現し、最先端の光学システムの要求仕様に対応します。
2. 材料選択の自由度
光学ガラス、結晶材料から金型用セラミックス・超硬材料まで、幅広い材料への加工が可能です。
3. 柔軟な製造対応
・少量特注品:削り出しによる高精度レンズの直接製造
・量産支援:高精度金型製造による納品先での量産成形の実現
4. 設計自由度の向上
従来困難であった複雑な非球面形状やアレイ配置への対応が可能です。


対象市場と用途
主要ターゲット市場
・光通信・光ファイバー通信:光信号の整形・変換
・産業用レーザー加工:レーザービームの均質化・成形
・医療機器:レーザー治療装置の光学系
・半導体製造装置:露光装置・検査装置の光学系
・研究開発機器:分光器・測定器の光学系
【会社概要】
株式会社東海エンジニアリングサービス
京都工場:京都府京都市南区吉祥院宮ノ西町31
岐阜工場:岐阜県各務原市須衛町2-71
事業内容:光学非球面ガラスレンズの試作・金型加工及び金型材料の製造と販売
【本件に関する問い合わせ先】
株式会社東海エンジニアリングサービス
担当:井口祐介
※企業問い合わせフォームからお問い合わせください。
【関連プレスリリース】
世界最大の光学産業展示会「Photonics West 2025」で革新的技術を披露
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