世界に一つだけの睡眠革命!「リライム」オーダーマットレス
ユーザーの身体データとクッション材の弾性データを基に、個々のユーザーに対応する寝姿勢の維持と体圧分散性能を兼ね備えたマットレスをシミュレーション技術で実現しました
マットレスの体圧分散性が使用するユーザーによって違うことは当然のことですが一般にはあまり知られていません。身長185cm、体重90kgの大柄な男性と身長150cm、体重45kgの小柄な女性が同じマットレスに寝たときの体圧分散性が同じになるはずがありません。
では、どうすればユーザーに合うマットレスを作ることが出来るのか?
従来の技術では試作と測定を繰り返して、ユーザーに合うマットレスを見つけ出すしかありませんが、現実には不可能です。この課題を解決するためグループ会社のウレタンフォーム加工メーカーのソフトプレン工業株式会社(静岡県浜松市、代表:前嶋宏明)が、理化学研究所と静岡県工業技術研究所の協力のもと開発したシミュレーションによる設計技術を活用することで「世界に一つだけのオーダーメイドマットレス・リライム」が完成しました。
本設計技術は3Dレーザースキャナーで取得したユーザーの身体形状データと体組成計で取得した体重等のデータから作成したユーザーの身体データと、マットレスを構成する複数のウレタンフォームの弾性データを基に試作と測定を繰り返すことなく、シミュレーションにより個々のユーザーに対応する体圧分散性能を有したマットレスを設計する技術です。
・試作と測定の繰り返しによらず、シミュレーションでマットレスを設計
現在市販されている高機能マットレスの重要なスペックは体圧分散性能です。しかし、体圧分散性は同じマットであってもマットレスを利用するユーザーによって変化することをご存じでしょうか。大柄なスポーツ選手と小柄な女性が同じマットレスで寝たときの体圧分散性は明らか違います。
開発のきっかけは開発会議での若いスタッフの素朴な質問でした。
「体圧分散性能って、寝る人の体重や体型によって変わるんじゃないの?」
確かに、身体の大きなお相撲さん、がっしり体型のアスリート、スリムなモデルさんや小柄なお年寄りが同じマットに寝たときの体圧分散性が同じなるだろうか。
早速、実験開始。当社が販売している低反発マットレスを使って体重45Kgと55Kgの女性、そして体重57Kgと100Kgの男性の4人のモデルで体圧測定をしてみました。結果は以下の通り、全く異なった体圧分散データとなりました。

現在市販されている高機能マットレスは同じモデルによる一般的なマットレスとの体圧分散性能データを比較し、その違いから体圧分散性能の優位性を示しています。しかしながら、上記の実験結果から明らかなように体圧分散性はマットレスが同じでもユーザーの体重や体型で変化します。
では、個々のユーザーに適した体圧分散性能のマットレスの設計は可能なのか。
この課題解決のために衝突や転倒により人体が受ける衝撃をシミュレーションする「生体力学シミュレーション技術」を研究している静岡県工業技術研究所と理化学研究所にオーダーメイドマットレス設計技術の開発協力を依頼し、開発がスタートしました。
従来技術でユーザー個々に対応する体圧分散性能のマットレスを設計するには
「マットレスを試作する➾体圧測定をする」を目標値に到達するまで繰り返し行うことが必要ですが、この作業には膨大な費用と時間が必要となり実際には不可能と言えます。
しかし、この作業をコンピューターによるシミュレーションで行うことで大幅に費用と時間を削減でき、オーダーメイドマットレスの設計が可能になりました。
・マットレスを構成するウレタンフォームはイノアックコーポレーション製カラーフォーム
リライムに使用するウレタンフォームはウレタンフォームのトップメーカー、(株)イノアックコーポレーションが製造するクッションやマットレスの材料として実績があるカラーフォームの中から、ゆっくりと沈み込みユーザーの身体をやさしく包み込む低反発ウレタンフォームと底づきを抑えてしっかりと支える高弾性ウレタンフォームを採用しました。
・設計指標は、理想な寝姿勢S字カーブの維持と身体への負担を軽減する体圧分散性

リライムは、理想な寝姿勢S字カーブの維持と、身体への負担を軽減するための体圧分散性のバランスをとりながら、S字カーブの維持と体圧分散性の両立を目指した設計をしています。一般的に身体に負担のかからない理想的な寝姿勢は、人間が直立して立っているときのS字カーブを維持することと言われています。このため現在市販されている高機能マットレスは部分的にクッション材の硬さを変化させてS字カーブを維持する構造にしていますが、前述の体圧分散性がユーザーの体型や体重によって変化すことと同様に、ユーザーごとに体型が違うため個々のユーザーの体型にあったS字カーブを維持するには、試作と測定の繰り返しをするしかありません。
リライムはS字カーブの維持と身体への負担を軽減する体圧分散性の両立を設計指標にして、自社開発のシミュレーションによる設計技術でオーダーメイドを実現しました。
・1㎜ずつ厚さを変えて積層したウレタンフォームブロック
今回開発したマットレスの設計技術は、ユーザーの人体形状データと、低反発ウレタンフォームと高弾性ウレタンフォームの積層比を変えたブロックの弾性データを基にユーザーごとに理想な寝姿勢S字カーブの維持と、身体への負担を軽減するための体圧分散性のバランスをとりながらコンピューター内で積層比を変えたウレタンブロックを入れ替え、目標値に到達するまで繰り返します。
本設計技術のポイントの1つ目は、設計指標となる低反発ウレタンフォームと高弾性ウレタンフォームの厚さを1mmから99㎜の範囲で変化させ積層した50㎜角のブロックの弾性データを、それぞれの弾性データを基に作成したことです。

・レーザースキャナーによる体型データ取得に代えて、スマホ・タブレットのカメラの画像データから3Dデータを作成
2つ目のポイントはレーザースキャナーで取得していたユーザーの体型データをスマホやタブレットのカメラで撮影した2次元画像からシミュレーションに使用する3次元(3D)データを作成することが可能になったことです。
開発当初は理化学研究所所有のMRIで実験のモデルとなる人体形状データを取得し、実験を繰り返しましたが、シミュレーション技術完成後は事業化を視野に、3Dスキャナーと体組成計の組合せで人体データを作成し、この人体データとウレタンフォームの弾性データでシミュレーションを行っていました。そして新たにスマホで撮影した写真から体型データの作成が可能になり、遠隔地のユーザー様にも弊社にお越しいただきレーザースキャナーでの体型データ測定をすることなくオーダーメイドマットレスの設計が可能になりました。
・寝返りを想定したウェーブレイヤー構造
低反発ウレタンフォームと高弾性ウレタンフォームの積層比を変えたブロックを並べ替えて、理想な寝姿勢S字カーブの維持と、身体への負担を軽減するための体圧分散性のバランスを両立した設計をしていますが、人は就寝中に寝返りをします。設計上はユーザーがいつも同じ位置で寝ていることを前提にしていますので、寝返りへの対応が課題となりました。
そして3つ目のポイントが寝返りを想定したウェーブレイヤー構造です。

就寝中にゴロゴロと左右に寝返りを打って横向きになっても身体にかかる負荷が平均的になるように、左右一列のブロック構成比を平均化し画像のようなウェーブ構造に加工して重ね合わせることにしました。このウェーブレイヤー構造が理想な寝姿勢S字カーブの維持と、身体への負担を軽減するための体圧分散性のバランスを保ちながら寝返りによる寝姿勢の変化にも柔軟に対応しています。
【製品仕様・販売価格】
材質・カバー:ポリエステル100%
・クッション:ポリウレタンフォーム


【お問い合わせ先】
株式会社フィスランド
新規事業推進責任者 佐藤涼介
電話:053-449-3121
メールアドレス:ryosuke.sato@softpren.co.jp
FAX:053-449-3110
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