【社会課題】社会問題化する「退職代行ブーム」の裏側
“交渉権なき業者”の介在が招く、若手労働者の「成長機会の損失」と、キャリア形成への深刻な影響

劣悪な労働環境からの「駆け込み寺」として一定の需要を生んだ退職代行サービスが、今、新たな社会問題の火種となっています。
私たちは、このサービスの「安易な利用」と「常態化」が、日本社会の未来を担う若手労働者のキャリア形成において、看過できない“成長機会の損失”を招いていることに強い警鐘を鳴らします。
株式会社誠報社(本社:東京都渋谷区渋谷2-19-15 宮益坂ビルディング609、代表取締役:松尾匠)は、この社会課題の解決を目指す一つの試みとして、「ブラックバンク」(https://blackbank.jp/about_blackbank/ )の取り組みを開始しました。
■一般化した「退職代行」が隠す、3つの深刻な問題
かつては「最終手段」であったはずの退職代行が、近年ではSNSなどを通じて「気軽に使えるサービス」として若年層に浸透しています。しかし、この利便性の裏で、労働者本人、残された企業、そして日本社会全体が、深刻な代償を支払わされている現実が見過ごされています。

1. 労働者自身の「成長機会の損失」
退職は、労働者にとって自身のキャリアを見つめ直し、次のステップへ進むための重要な意思決定の場です。
上司との交渉、業務の引継ぎ、同僚への説明といったプロセスは、たとえ困難を伴うものであっても、社会人としての責任感、交渉力、問題解決能力を養う貴重な成長機会となります。
退職代行サービスを安易に、繰り返し利用する傾向は、この最も重要な「対話」と「責任」のプロセスをすべて回避させてしまいます。
これは、労働者自身が持つべき交渉のスキルや、困難な状況を乗り越える力を育む機会を根本から奪うことに他なりません。
2.「交渉権なき違法業者」の横行と、労働者の不利益
さらに深刻なのは、退職代行を行う業者の中に、弁護士資格や労働組合の団体交渉権を持たないまま、違法な「非弁行為」を行っているケースが散見される点です。
弁護士法に違反するこれらの業者には、本来、未払い残業代の請求や有給休暇の取得交渉など、労働者の権利を守るために不可欠な「交渉」を行う法的権限がありません。
利用する若い労働者は、その違法性を知らぬまま、本来得られるはずだった正当な権利(金銭)を失うという、深刻な不利益を被っている可能性があります。
3.「残された側」の疲弊と、職場の信頼関係崩壊
突然の「一方的な退職」は、企業側にも深刻なダメージを与えます。
十分な引継ぎが行われないまま業務が放棄されることで、残された同僚たちは過大な業務負担と、「なぜ自分たちだけが」という強い精神的ストレスを強いられます。
「昨日まで一緒に働いていた仲間が、ある日突然、業者を通じて辞めていった」という現実は、職場の信頼関係を著しく損ない、組織全体の生産性を低下させる要因となっています。
■「安易な退職」がキャリアを毀損する未来
私たちは、このまま「安易な退職」が社会的に容認され続ければ、近い将来、労働者自身がその代償を払うことになると危惧しています。
「退職代行を気軽に何度も利用する」という行為が、個人のキャリアにおいて「責任ある対話から逃避する人材」という負の履歴となり、再就職の際に決定的に不利になる社会です。
どこかで、この負の連鎖に歯止めをかけなければなりません。
日本の未来を担う若い世代が、困難な「対話」から逃げるのではなく、それを乗り越えて成長できる社会を実現するために、私たちはこの問題提起を続けます。
■健全な労働市場を目指す取り組み「ブラックバンク」について

こうした社会課題の解決と、労働者と企業双方が健全な関係を築ける透明性のある労働市場を目指す一つの試みとして、私たちは「ブラックバンク」(https://blackbank.jp/black-search-form/ )を開始いたしました。
本サービスは、安易な退職の繰り返しがもたらすリスクを社会に問いかけ、労働者一人ひとりが自身のキャリアに責任を持つことの重要性を喚起することを目的としています。
【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社誠報社
担当:松尾匠
Email:info-seihousha@seihousha.com
電話番号:090-6735-3419
会社URL:https://seihousha.com/
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