株式会社Herix、独自開発AIエージェントを用いた構造化ワークフローにより、デューデリジェンス業務において高精度の出力を実証
実案件に近いデューデリジェンスベンチマークにおいて正確性・網羅性において優位性を確認

株式会社Herix(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:中村丞、以下「Herix」)は、M&A・投資向けデューデリジェンス支援プラットフォーム「Aidiligence」に、"専門家の調査プロセス"を工程ごとに分担し、複数のAIエージェントが連携して統合できる構造化ワークフローを実装し、汎用LLMを超える再現精度を実現しました。
従来のLLMによる応答生成とは異なり、デューデリジェンス(以下「DD」)業務全体をAIエージェントが工程ごとに分担し、手順・根拠・判断プロセスまで再現する仕組みを採用しました。これにより、属人的で膨大なDD作業を効率化し、精度とスピードを両立します。
本結果は、M&AにおけるDD実務に近い複合的な調査シナリオを用いた社内ベンチマークテストにより得られたもので、法務・労務などの領域を横断して実施いたしました。
AidiligenceはM&Aなどの事業投資における買手側の案件開始時の検討フェーズでのDDや、会計事務所・法律事務所が行う財務・法務・労務等の専門的なDDへの活用を目指しており、本独自エージェントを組み込んだAidiligenceのβ版を順次ご案内しています。
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https://aidiligence.ai/#form
■ 取り組みの背景
DDにおいては大量の資料をもとに企業のリスクを洗い出す必要がありますが、現在のLLMでは大量のファイルの処理やコンテキスト量を扱うことが難しく、結果的に“部分的な補助”にとどまることが多くありました。Aidiligenceはこの課題を踏まえ、専門家が行う調査プロセスを工程レベルで明示化し、AIエージェントがその流れを再現可能にするワークフロー設計に取り組みました。
Aidiligenceでは企業活動で生じる大量の書類データを正規化し、調査フローを構造化した複数の推論エージェントを実装しました。これにより、LLM単体の方式に比べて、出力の再現性を大きく向上させています。
■ 新スキームの概要:構造化AIワークフロー
本スキームでは、調査領域ごとに特化した複数のAIエージェント(法務・財務・税務・労務など)が並列的に調査を実施し、各エージェントが根拠資料と判断理由を明示した出力を生成。それらを統括エージェントが集約し、根拠を示した上でディールにおけるリスクを明示します。
■ 実施したベンチマークの概要
DDにおいては案件ごとの対象企業の業種やビジネスモデル、調査スコープに応じて、調査対象となる書類や調査の結果が大きく異なるため、LLMの性能を一意に判定することは困難です。
そのため、今後より高度なDD業務に対応できるよう、実際の案件に近い架空の企業情報や書類を作成し、社内でのベンチマークを構築しました。
実案件に近いM&Aシナリオ(架空企業250ファイル)をもとに、従来のLLMを利用したケースと、Aidiligenceワークフローを比較し、再現性・網羅性の観点から定量評価を実施し、Aidiligenceワークフローが従来構成を上回る再現性を示したことを確認しました。
想定ケース:架空の中堅メーカー買収案件(ファイル数250)
実際のM&Aを想定した架空の企業に対して、実際の専門家が法務・労務に関するDDとして指摘される調査事項を正解とし、対象企業のファイル群を与えた上でAidiligenceと汎用LLMの最新モデルAPIの出力を以下の評価軸にて採点を行いました。
※今後も様々な業種・ビジネスモデルでのベンチマークを追加していき、外部ベンチマークとして公開する予定です。
評価軸
専門家指摘事項を正解とし各LLMでの出力を以下の基準にて採点。

正確性:専門家指摘の事実整合性 |
網羅性:正解に含まれる必須要素のカバー率 |
---|---|
致命的誤り・ハルシネーション:大幅減点 |
本質的欠落(複数の必須リスク・結論):大幅減点 |
重大な不整合・内部矛盾:内容に応じて減点 |
限定的欠落:内容に応じて減点 |
細部の不正確さ(日付・数値・固有名詞等):減点 |
軽微な抜け:減点 |
結果概要:


項目 |
Aidiligence |
汎用LLM最新モデル |
---|---|---|
総合得点 |
41.01 |
13.96 |
- 正確性 |
39.17 |
15.81 |
- 網羅性 |
42.85 |
12.12 |
■ 調査特化の複数エージェント構造によって様々な領域でのAIによる調査を実現

Aidiligenceの根本技術としては、一般的な法務や財務DDなどの特定領域に特化したものではなく、企業の事業内容などに幅広く調査実行を行えるような複数推論エージェントを構築しております。そのため、法務・財務DDに加え、企業情報を基にした初期的なビジネスDDやIT/セキュリティDDなど幅広い領域の調査実行を迅速に行うことができます。
今後はM&Aだけでなく、様々な調査・審査業務に対してのユースケースの拡大も想定しております。
Aidiligenceの調査エージェントを自社の業務フローに組み込むことなどに興味のある方も以下よりお問い合わせください。
お問い合わせ先:https://herix.jp/#contact
Aidiligenceに関して

■ Aidiligence とは
「Aidiligence」は、DD業務の工数と属人性を解消するAIサービスです。
対象企業の情報をアップロードするだけで、AIが資料の要約やデータの論点別整理、各領域・スコープごとに調査を実施。根拠資料まで提示しながら、レポートのドラフト生成まで支援します。
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■ コメント
株式会社Herix 代表取締役CEO 中村丞
我々はLLMを“専門家の代替”ではなく、専門家の知的能力を拡張するパートナーと位置づけています。属人的な調査プロセスを構造化し模倣実行することは、AI時代におけるM&A・監査・コンプライアンスなどの知識集約業務の効率化・高度化への新たな一歩になると確信しています。今後はユーザーからのフィードバックを通じ改善を重ね、精度向上と業界標準化を進めてまいります。
■ 本件に関するお問い合わせ
株式会社Herix 広報担当
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