【多摩ニュータウン】福祉への“見えない境界線”を薄める「ナチュラルワインバー」が、11月8日に諏訪名店街の多機能型循環施設『modoki』でオープン

「ひとりになりたいけれど、ひとりきりになりたくない」あなたへ。特定短期入所や私設図書館併設予定の『modoki』が、第一弾のワインバーをオープン。昼間はカフェ・ダイニングとしても機能。

Life is

2025年12月2日 10時00分

福祉視点でのまちづくり事業等を行う一般社団法人Life is（東京都多摩市、代表：影近卓大）は、多摩ニュータウン・諏訪商店街にて運営する多機能型循環の場『modoki（モドキ）』の第一段として、2025年11月8日（土）に「ナチュラルワインバー」をオープンしました。

『modoki』は「なにものでもなく、なにものにでもなれる」をテーマに、医療的ケア児者の特定短期入所や私設図書館などの機能を順次開いていく新しい場所です。

今回オープンするワインバーは、昼間はカフェ・ダイニングとしても機能し、「おいしそう」「ナチュラルワインってなんだろう」という興味から入った人が、自然に福祉の世界に触れられる機会を提供します。

「ひとりになりたいけれど、ひとりきりになりたくない」そんなときに立ち寄れる、福祉と日常生活の境界線をゆるやかに薄める場所を目指し、まちの新しい景色の創出につながることを目指しています。

▼「modoki（モドキ）」公式Instagram

■ modokiの第一章、ナチュラルワインバーから始まる日常

ナチュラルワインは、多摩市のリカーMORISAWAや、ココ・ファーム・ワイナリーなどからセレクト。
農薬や添加物に頼らず、自然の力を活かして育てられた葡萄から生まれる“ナチュラルワイン”は、土地やつくり手の個性がそのまま表れる一本です。

リカーMORISAWAは、地域に根ざしながら、国内外の個性豊かなナチュラルワインを丁寧に扱う専門店。つくり手の思想や背景を大切にし、ワインを“人の営みを味わう文化”として紹介する姿勢が特長です。

障害のある人たちとともに葡萄づくりから醸造までを行うココ・ファーム・ワイナリーは1950年代、地元公立中学校の特殊学級の生徒たちとその担任教師たちが急な山の斜面を開墾し葡萄畑をつくったことから始まったワイナリー。
自然の力を活かし、化学的介入を最小限にした醸造にこだわり、土地の個性やつくり手の営みがそのまま表れるナチュラルワインを生み出しています。

modokiでは、リカーMORISAWAやココ・ファーム・ワイナリーを通じて、多摩市にも新しいワイン文化の風景を描いていきます。

クラフトビールは、多摩市が誇るブルワリーである Bierernst のビールをラインナップ。

食事は、野菜をふんだんに使ったごはんやおかしを提供する「cacamamma」
オリジナリティ溢れる小さなおつまみを作る「幽霊」など、

地域の個性豊かなメンバーとともに。

自然の恵みと人の営みが重なり合う味わいの中で、
人と人、人とまちがゆるやかにつながる時間をお届けします。

「おいしい」「ナチュラルワインってなんだろう」そんな興味で入った場所が、実は出会ったことのない福祉の世界につながっていた。

「わたしの日常生活」から「わたしたちの日常生活」に彩を変えるきっかけを作るのがmodokiです。

■多機能型循環の場『modoki』とは？

全国には、人工呼吸器や経管栄養など日常的に医療的ケアを必要とする「医療的ケア児」が約2万人いると推計されています（令和3年度）。
医療の進歩により病院ではなく家庭や地域で暮らす子どもが増える一方で、地域の受け皿はまだ不足しており、家族が孤立するケースも少なくありません。

厚生労働省の調査では、保護者の71.1％が慢性的な睡眠不足を抱え、約3割が「家族の団らんの時間がない」と回答しています。
また、2021年に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律（医療的ケア児支援法）」が成立し、都道府県に支援センターの設置が進められていますが、体制の充実度には地域差があり、制度の谷間に取り残される家庭も少なくありません。

こうした現状は複雑な課題が絡まり合っているため、一つの解決策を提示するだけでは不十分です。そのため、医療的ケア児者とその家族が安心して休める場に加えて、地域の中で人と人との関わりが緩やかに循環し、互いにエンパワメントされていくような、多機能の場をmodokiは目指しています。

modokiは以下の4つの機能を持ち合わせた場となっていく予定です。

〇医療型特定短期入所「tonari+laugh」

tonari＋laughは、医療的ケアのある子どもや若者が安心して一時的に滞在できるショートステイ機能です。ゆくゆくは宿泊も行います。
本人が家庭の外で過ごすことで、保護者が安心して休息や外出の時間を確保できるだけでなく、子ども自身も「医療があっても外で安心して過ごせる」という経験を重ねることで地域で生きていく力になります。

〇ナチュラルワインバー
このまちで暮らす人が店主を務めるコミュニティダイニング。
医療型特定短期入所の隣にダイニングを併設することで、家族が医療的ケア児者のケアと家庭から離れた状態で、団らんを体感できるようにします。
ここでは、飲めても飲めなくても、話しても話さなくても、まちの中に“自分の居場所”があると感じられる空間を育んでいきます。

〇私設図書館とセレクトショップF＋

予約も登録も不要で、わたしもあなたも地域も心地良く過ごせる場所。
本を買ったり借りたり、オーナーになって自分だけの本棚を持つこともできます。
小さな本屋とセレクトショップをきっかけに、気づいたら福祉と触れあっていたという場を作ります。

〇泊まれるまちの休憩所

がんばり続ける毎日に、ふっと肩の力を抜ける “泊まれる休憩所” です。
ここでは虐待や孤立などのリスクを防ぐためにも、「理由を問わず、誰でもふらっと立ち寄って休める、地域に開かれた“安全な逃げ場”」であることを大切にしています。
ベッドで横になる、静かな部屋でひと息つく、ただぼんやりする。そんな小さな“余白”をつくることで、少しずつ自分の感情や身体の状態に気づき、帰る頃には来た時よりも少しだけ心と身体が軽くなる。いつもよりも自分に優しくなれてエンパワーメントできる場所です。