2024年能登半島地震発生直前に電離圏電子数密度が異常増加したことを発見

2025年論文発表された高速高精細3次元電離圏トモグラフィー技術FCITによる高度別電子数密度の推移により解明

京都大学大学院情報学研究科物理統計学分野

 京都大学大学院情報学研究科の梅野健教授と、京都大学工学部4回生の山本信吾氏が中心となるグループ(物理統計学分野)は、ちょうど2年前の元旦に発生した能登半島地震について、同研究科で開発された高速高精細3次元電離圏トモグラフィー技術(FCIT)を用いて、地震前後のデータに基づいて高度別の電子数密度の時間変化を調査しました。その結果、高度310km付近の電子数密度が地震発生直前の14時40分から15時15分(地震発生の約1時間半前から55分前)に異常な増加を示し、その後急激に減少する現象を特定し、この結果は2025年12月20日に開催された日本地震予知学会学術講演会にて発表されました。

 今後は、大地震前兆の検出が可能な高速高精細3次元電離圏トモグラフィー技術(FCIT)を他の地震に適用し、大震災発生直前の電離圏異常に関する物理的解明を進めるとともに、同グループが開発した準リアルタイム異常検知システムへの実装を行う予定です。


高速高精細3次元電離圏トモグラフィー技術について:

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-10-20-2 (2025年10月京都大学プレスリリース)

https://doi.org/10.1029/2024JA033404 (Journal of Geophysical Research: Space Physics)


2024年元旦に発生した能登半島地震については、果たして電離圏異常があったのかどうかは未解決な問題でした。

まず、地震発生当日の2024年元旦に、京都大学物理統計学分野の電離層観測による速報が下記の通り報告されましたが、

https://chaos.amp.i.kyoto-u.ac.jp/ishikawa-20240101/

その詳細なメカニズムは不明でした。更に、イオノゾンデ電離層観測による結果、及び電離層ー地殻ー断層間の超臨界水による容量結合モデルから、直前にジグザグ電離層が降下することを突き止め、

2025年5月に論文発表しました。

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-05-02-1

(2025年5月京都大学プレスリリース)

同グループは、更に、国土地理院が運営するGEONET電子基準点データに対して、グループが開発した上述の高速高精細3次元電離圏トモグラフィー技術を適用したところ、地震発生約1時間40分前から55分前まで、高度約250kmから400kmの電離層において異常な電子数密度の増加と下降が起きていたことを発見しました。能登半島地震が発生したのは夕刻16時10分であり、通常は電子数密度がなだらかに減少する時間帯です。

図1:地震発生前後の高度別電子数密度の変化。高度580kmの電子数密度(赤)はなだらかに増加しているが、その増加のタイミングとその直後の減少のタイミングは、高度310kmの電子数密度(緑)の推移よりも遅くなっていることから、高度310kmから高度580kmにその電子数密度の増加の波が伝搬していることがわかる。一方、高度250kmの電子数密度(水色)はそのタイミングで急速にチャージされほぼ一定の電子数密度を約30分程度保ちその後解放されている様子がわかる。これは、電離層ー地殻との間の容量にチャージされている(高度250kmに負電荷である電子がチャージされ、地殻に正電荷がチャージされることを示唆)ことがわかる。

図2:地震発生前後の電離層の全高度別の電子数密度の変化。

ここで明らかになった2024年能登半島地震の電離圏異常の詳細は、高精細3次元トモグラフィー技術FCITを使うことなしでは解りませんでした。今後は、同高精細3次元トモグラフィー技術FCITの他地震への適用を進めるとともに、研究室で開発している準リアルタイム地震検知システムへの実装を進めて参ります。

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<問い合わせ先>

京都大学大学院情報学研究科・教授         

梅野健(うめのけん)               

TEL:075-753-4919                

E-mail:umeno.ken.8z@kyoto-u.ac.jp

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会社概要

URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
京都府京都市左京区吉田本町 総合研究10号館2F222号室
電話番号
075-753-5495
代表者名
梅野健
上場
未上場
資本金
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設立
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