視覚障害者の情報アクセスを支援 エクスポート・ジャパンと日本視覚障がい者美容協会が連携協定を締結

アクセシブルコードを利用した音声情報提供の環境整備を目指す

エクスポート・ジャパン

【概要】

エクスポート・ジャパン株式会社(以下、EXJ)と一般社団法人日本視覚障がい者美容協会(以下、JBB)は、視覚に障がいのある方々が日常生活に必要な様々な製品情報へ安心・安全にアクセスできる社会の実現を目指し、ユニバーサル対応のQRコード「Accessible Code®(アクセシブルコード)」の普及促進に向けたパートナー協定を締結いたしました。

2025年5月31日には、JBBの会員を中心とした視覚障がい当事者の皆さまをお招きし、アクセシブルコードの体験イベントを実施。参加者の声から社会実装に向けた課題や今後の展望について、数多くの貴重な意見が共有されました。

【開催の背景】

視覚障がい者にとって、食品、医薬品、家庭用品など、様々な製品の使用方法や成分、注意事項などの情報にアクセスできることは、命や健康に関わる重要なテーマです。しかし、現在も、多くの製品では視覚的情報のみしか提供されておらず、他者の助けを必要とする場面が少なくありません。

アクセシブルコードは、触ってその存在がわかるQRコードで、スマートフォンを使って読み込むと、多言語対応の音声による情報提供によって、視覚障がい者を含むすべての人にとって「情報のバリアフリー化」を実現します。また、この技術は高齢者や日本語が読めない外国人、読字障害のある方々にも有効であり、誰一人取り残さない社会を支えるための共通インフラとしての役割が期待されています。

視覚障害者や外国人にも情報が伝わるよう設計されたアクセシブルコードを、スマートフォンでスキャンするシーン。音声や多言語で内容を確認できる

【体験会の実施概要と参加者の声】

2025年5月31日、JBBの会員を中心とした視覚障がい当事者8名(全盲・弱視の方々)をお招きし、「アクセシブルコード」の体験会を実施しました。

参加者はご自身のスマートフォンで、実際の製品パッケージに貼付されたアクセシブルコードをスキャンし、音声読み上げやナビゲーションの分かりやすさ、情報への到達のしやすさなどを体感。体験後は自由に意見交換を行い、今後の改善に向けた貴重なフィードバックが寄せられました。

参加者の声(一部抜粋):

Q:アクセシブルコードがどのような商品に付いていると便利だと感じるか

医薬品、サプリメント:
「安心できる。使用上の注意やアレルギー情報を自分で確認できるのは大きい」

食品
「調味料、レトルト食品、冷凍食品など、調理法や成分が細かく書かれているものに役立つ」

生活用品・日用品
「生理用品や化粧品、洗剤などの成分確認がしやすいと嬉しい」「ホチキスの芯や修正テープの替えなど、パーツの買い間違いを防げる」

衣類・家電製品
「素材やサイズ、使い方や注意点などの確認ができると選びやすい」

飲食店や店舗
「QRコードでメニューが読み上げられると選びやすく、外食も楽しみやすい」

とくに印象的だったのは、「人に読んでもらいづらい商品こそ、アクセシブルコードを付けてほしい」という声でした。 生理用品や薬、衣類のサイズ表記など、プライベートな情報を他人に頼らず自分で確認したいというニーズは非常に切実であることが浮き彫りになりました。

アクセシブルコードの利便性に加え、「コードが付いているかどうかが購買行動に影響する」との声も寄せられました。また、従来の支援技術と比較しても、操作のしやすさや情報が整理されていることが好印象だったという声も聞かれました。

今回の体験会を通じて、アクセシブルコードが視覚障がいのある方々にとって、情報アクセスの新たな選択肢となり得ることが、参加者の実感として示されました。

アクセシブルコード体験会の様子
参加者が実際にコードを読み取り、情報の取得を体験

【今後の展望】

本体験会では、JBBと企業が連携し、初となる「アクセシブルコード・アンバサダー」認定を実施しました。参加者にはディプロマを授与し、今後は各自の視点からアクセシブルコードの価値を広めていただくことを期待しています。当事者の声を起点とした社会変革の循環も生まれていくことも願っています。アンバサダーの皆さんには、アクセシブルコードが実装された製品やサービスに関するフィードバックを継続的に提供いただき、今後の改善・開発にもご協力いただく予定です。企業や開発者と当事者がつながることで、現場に即した製品設計が可能になり、社会実装の加速にもつながると考えています。

私たちは、アクセシブルコードが「一部の特別な製品」に限られたものではなく、「すべての製品」に当たり前のように付いている社会を目指しています。QRコードが汎用的に使われているように、アクセシブルコードもまた、すべての人が情報にアクセスできる「新たな標準」となることを目指し、今後も取り組みを続けてまいります。

アクセシブルコード・アンバサダーの皆さま、プロジェクト関係メンバーとともに記念撮影

【JBB代表理事 佐藤優子様の声】

アクセシブルコードの実装に企業と消費者をつなぐ大きな可能性を感じました。視覚障がい者にとって、情報は生きる力です。とくに、医薬品やサプリメントなどは、誤った情報がアレルギーや体調不良を引き起こし、時には命にかかわります。

近年、それらを含む製品の健康被害など、消費者の不信感が高まる中で、誰もが成分表示や注意書きを正確に読み取れる仕組みは、企業と消費者の信頼につながります。そして、その情報に確実にアクセスできる環境作りは、「配慮」ではなく「責任」です。視覚障がい者にとってアクセシブルコードは、購入時のみならず購入後にも大いに役立ちます。


例えば薬の識別に点字を貼るとしても、点字は一文字が幅をとるため「かぜ、のど、せき」などの単語しか貼れません。時間が経過すると正式名称や使用法を忘れてしまうことも多く、危険なことが多々あります。アクセシブルコードには、「誰かの援助がなくても、自分自身で」すぐに確認ができる安心と安全があります。


こうした取り組みが進む一方で、視覚障がい者を消費者として想定していない製品やサービスもいまだ多く、企業の姿勢の差がはっきりと見える時代になりました。今、企業に求められているのは、利便性だけでなく“信頼”です。誰もが安心して選べる商品こそが、信頼されるブランドになる。
その第一歩として、多くの企業様にこの取り組みを知っていただきたいと思います。


【エクスポート・ジャパンについて】

「ビジネスを通じて多文化共生社会に貢献する」を経営理念に、2000年の設立時から、外国語とデジタルマーケティングを専門領域として活動しています。社員の国籍は、アメリカ、中国、ポーランド、バングラデシュ等10カ国以上に及び、省庁・自治体、公共交通機関等を主なクライアントとしてサービスを提供しています。近年は、ユニバーサル対応パッケージ「アクセシブルコード」の開発・提供を通じ、視覚障害者や外国語話者への情報支援に取り組んでいます。また、インバウンド領域では、月間200万人が閲覧する世界最大級の訪日メディア「ジャパンガイド( https://www.japan-guide.com/ )」の運営にも携わっています。

【お問い合わせ先】
エクスポート・ジャパン株式会社 担当:泉、劉、宇都
Email:pvip@export-japan.co.jp
Web:https://www.accessible-code.com/

本件内容については、以下にも記載
https://www.export-japan.co.jp/blog/accessible-code-with-japan-beauty-blind/

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会社概要

URL
http://www.export-japan.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
大阪市中央区南船場3丁目7番27号 NLC心斎橋7F
電話番号
06-6210-2722
代表者名
高岡 謙二
上場
未上場
資本金
6117万円
設立
2000年04月