Poxel社、代謝性疾患領域におけるパイプラインを拡大 DeuteRx社との戦略的提携により、臨床開発段階NASH治療薬の新規候補化合物DRX-065および他化合物を獲得

本資料はPOXEL本社が2018年8月30日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳し要約したものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

・NASH治療を目的として臨床開発中であるDRX-065(重水素安定化R-ピオグリタゾン)の全世界における独占的所有権を獲得
・代謝性疾患、特定疾患および希少疾患の治療薬候補である重水素化化合物を含む他の化合物も獲得
・独自かつ補完的作用機序を有する候補化合物であるPXL770およびDRX-065について2019年にNASH治療を対象としたPoC(Proof of Concept)試験を実施予定
 リヨン(フランス)、アンドーヴァー(米マサチューセッツ州) ―2型糖尿病および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む代謝性疾患の革新的な治療薬の研究開発に取り組んでいるバイオ医薬品企業POXEL SA(本社:フランス リヨン、CEO:Thomas Kuhn、以下「Poxel社」)およびラセミ体医薬品の改良に注力する株式非公開のバイオ医薬品企業DeuteRx LLC(本社:米国、マサチューセッツ州、CEO:Sheila DeWitt, PhD、以下「DeuteRx社」)は、Poxel社がDeuteRx社より、NASH治療薬の開発を目的として臨床開発段階にある新規候補化合物DRX-065を獲得したことをお知らせします。また、Poxel社は、代謝性疾患、特定疾患および希少疾患の治療の候補化合物である重水素化化合物ポートフォリオも獲得しました。

 Poxel社は、現金680万ユーロ(800万米ドル)およびPoxel社の新規普通株式129万株をDeuteRx社に前払いします。この前払い額はPoxel社の発行済株式の4.99%に相当します。また、DeuteRx社は、開発、承認申請および販売の各段階におけるマイルストーンに応じた支払い、ならびに製品の純売上高に応じたロイヤリティを受け取る権利も有します。

 Poxel社CEOのThomas Kuhnは「本日の発表は、Poxel社にとって戦略的に重要なものであり、ここ1年間で当社が達成した3つ目の主要な企業間契約になります。」と述べています。「大日本住友製薬およびRoivant Sciences社とのImegliminに関する業務提携、NASH治療を対象として開発中のAMPKの直接的アクチベーターであるPXL770のフェーズ1試験が無事完了したことと合わせて、DeuteRx社と重要な契約を締結したことで、当社は財政面と戦略面の双方で強化されました。当社は、大きな市場機会の獲得を目指した、中期から後期開発段階にある強固かつ多角的な代謝性疾患のパイプラインや、早期開発段階にあり開発を進めている代謝性疾患の化合物を有しており、今後の展開に大変期待をしています。」

 本プレスリリースはマルチメディアを使用しています。リリースの全文はこちらからご覧ください。 https://www.businesswire.com/news/home/20180829005794/en/ 


DeuteRx社との契約締結によるPoxel社の代謝性疾患パイプラインの戦略的拡大
 本戦略的提携および獲得契約締結により、Poxel社は代謝性疾患のパイプラインを拡大し、現在、フェーズ1段階にあるミトコンドリアのピルビン酸輸送体(MPC)阻害剤であるDRX-065(重水素安定化R-ピオグリタゾン)に関して、全世界での独占的所有権を獲得します。

 DRX-065はピオグリタゾンのR-立体異性体(単一異性体)です。2型糖尿病の治療薬として承認されているピオグリタゾンは、NASH治療において有効性が示されており、生検により確定診断されたNASHの患者さんに対する診療ガイドラインで唯一推奨されている薬剤です1。 しかしながら、体重増加、骨折および体液貯留を含むピオグリタゾンの副作用により、NASHに対するピオグリタゾンの使用は制限されています。

 特許で保護されているDRX-065は、NASHの治療に対して新たなアプローチを提供する新規候補化合物です。これまでに得られた非臨床試験およびフェーズ1試験の結果より、DRX-065は、有効性の増強や、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)の活性化に関連する副作用が減少するなど、ピオグリタゾンと比較してより優れた治療プロファイルを示すことが期待されています。

 また、Poxel社は、他の化合物についても全世界での独占的所有権を獲得し、これにより、代謝性疾患、特定疾患および希少疾患を含む様々な適応症に対して開発を行うことが可能になります。本契約の一環として、DRX-065および他の化合物の開発を引き続き推進していく上で要となるDeuteRx社の特定のスタッフが、Poxel社と緊密に連携していく予定です。

 米マウントサイナイ医科大学のScott Friedman, MD (Dean for Therapeutic Discovery、Professor of Medicine and Pharmacologic SciencesおよびChief, Division of Liver Diseases)は次のように述べています。「NASHは有病率が増加しているアンメットメディカルニーズが高い疾患領域です。肥満および2型糖尿病の有病率の劇的な増加などが原因で、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が蔓延しています。NAFLDおよびNASHの発症および進行を促進する根底にある病態生理学的機序は、非常に複雑であるため、異なる標的に作用する新しい治療法の開発が必要です。AMPKの直接的活性化やMPC阻害といった様々な関連経路について取り組むことにより、NASHに対する併用治療は、将来さらなる大きな成功をもたらす可能性があります。」

 Poxel社のPascale Fouqueray MD, PhD (EVP, Early Development and Translational Medicine)は次のように述べています。「AMPKの直接的アクチベーターであるPXL770およびMPC阻害剤であるDRX-065は、非常に有望なNASH治療の候補化合物であり、肝疾患の根本的原因の治療にも対応できる可能性を秘めています。これらの作用機序から、PXL770およびDRX-065の各単剤療法や併用療法、または他の薬剤との併用療法を行うことで、肝疾患の広範な治療にも対応できる可能性があると信じています。」

 DeuteRx社の社長兼CEOのSheila DeWitt, PhDは以下のように述べています。「NASHおよび他の特定疾患や希少疾患を含む代謝性疾患の患者さんのベネフィットのために、DeuteRx社はPoxel社のチームと連携してDRX-065および他の化合物の開発を推進していけることを喜ばしく思います。Poxel社との契約締結は、国際的な医薬品開発の専門知識を有し、かつ、多大な価値を生み出す多国間共同研究で成功実績を有する革新的企業と提携するという、当社の目標と戦略的に合致するものです。」

 
本契約の財務条件
 DeuteRx社との契約のもと、Poxel社は、DRX-065ならびに代謝性疾患、特定疾患および希少疾患の治療の候補化合物である重水素化化合物を含む化合物群を獲得し、その対価として、現金680万ユーロ(800万米ドル)およびPoxel社の新規普通株式一株あたり6.91ユーロ(8.09米ドル)2 に決定された129万株を、前払いします。この前払いの額はPoxel社の発行済資本の4.99%に相当します。

 この株式の発行は、フランス商法典(Code de commerce L.)第225-138条および2018年6月21日に開催された株式総会の第15決議に従い、増資を通じて行われ、DeuteRx社のみを受益者とする優先引受権は付与されません。

 また、DeuteRx社は、フェーズ2の完了時から開発および承認申請の各段階におけるマイルストーンに応じて、現金および/または株式報酬を受領する可能性があります。さらに、DeuteRx社は、株式報酬とともに製品の純売上高に応じた1桁台前半の料率のロイヤリティを受領する可能性があります。これらの支払いは、これらの化合物の今後の臨床開発および/または製品化の成功に基づいて行われるものとします。

 2018年6月30日時点で、Poxel社は9,440万ユーロ(1億1,010万米ドル)の現金および現金同等物を有していました。本取引を含む現在の現金の見込み(cash expectation)に基づくと、当社のキャッシュランウェイは2021年まで有り、これにはPXL770およびDRX-065のPoC(Proof of Concept)試験の完遂費用も含まれています。


迅速な開発および承認申請の可能性
 DRX-065について、Poxel社は、DRX-065の親化合物であるピオグリタゾンのデータに依拠した迅速な開発および承認申請を目指す予定です。このリスクを軽減した方法は、単一立体異性体の化合物および重水素化化合物の開発を通じて確立されました。これらの化合物の開発方法によって、親化合物と比較して改善された治療特性を有する医薬品が承認されています。

 本取引では、MTS Health Partners, L.P.社の一社がPoxel社の財務顧問を務めました。


NASHについて
 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、疾患の原因が明らかでない代謝性疾患であり、世界中で急速に増加しています。NASHは、肝臓に脂肪が蓄積し、これにより肝臓に炎症や線維症が生じるという特徴があります。NASHは、長期間、無症状であることがありますが、重度の肝障害や肝線維症に進展し、最終的には肝不全および/または肝癌の発症に至る可能性があります。

 NASHの典型的な危険因子は、肥満、血中脂質(コレステロールや中性脂肪など)濃度の上昇および糖尿病です。現在、NASHに対する治癒的治療法や特異的治療法はありません。


PXL770について
 PXL770は、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の革新的な直接的アクチベーターであり、Poxel社が開発しています。AMPKは、脂質代謝制御、グルコース恒常性維持および炎症抑制へと導く、複数の代謝経路の主要な調整因子です。この主要な調整因子の役割に基づき、AMPKを標的とすることによって、NASHなどの肝臓に影響を及ぼす疾患を含む慢性代謝性疾患を対象として、幅広い適応症の取得を目指す機会が与えられます3。


DRX-065について
 DRX-065は、DeuteRx LLC社が開発した重水素安定化R-ピオグリタゾンです。ピオグリタゾンはNASHを対象として最も広範に研究されている薬剤であり、フェーズ4試験で「線維症悪化のないNASH消失」が認められました4。ピオグリタゾンは、米国肝臓学会(AASLD)および欧州肝臓学会(EASL)の診療ガイドラインにおいて、生検により確定診断されたNASHの患者さんに対する唯一の推奨薬です1。しかしながら、体重増加、骨折および体液貯留を含む、PPARγの活性化に伴う副作用の発現のため、NASHに対するピオグリタゾンの使用は制限されています。

 ピオグリタゾンは、2つの鏡像体(立体異性体)が1:1の割合で混合された、生体内(in vivo)で相互変換する化合物です。DeuteRx社は、重水素を用いてそれぞれの立体異性体を安定化させ、それぞれの立体異性体について根本的に異なる薬理学的特性を明らかにしています。生体内(in vitro)試験では、DRX-065はMPCを阻害することが示されています。前臨床モデルにおいて、DRX-065は、ピオグリタゾンに関連して抗炎症活性およびNASHに対する有効性を示しており、S-立体異性体に関連した副作用である体重増加や体液貯留は、ほとんどまたはまったく生じていません。これまでに得られた前臨床およびフェーズ1の結果に基づき、DRX-065はNASHに対して、ピオグリタゾンと比較してより優れた治療プロファイルを示すことが期待されています。


Poxel SA について
 Poxel SA(Poxel社)は、2型糖尿病および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含む代謝性疾患を対象とした医薬品の研究開発に注力し、開発パイプラインの拡大を進めています。ミトコンドリア機能障害をターゲットとした革新的主力製品であるImegliminについては、米国、欧州、および日本でフェーズ2試験を完了しています。さらに現在日本において、当社は提携する大日本住友製薬と共同で、2型糖尿病の治療を対象としたフェーズ3のTIMES試験(Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety)を実施中です。米国および欧州など、大日本住友製薬との提携地域である日本、アジア各国以外の国々では、当社と提携するRoivant Sciences社がImegliminの開発・販売を担当することになっています。当社の第二の主力製品であるPXL770は、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の革新的な直接的アクチベーターで、NASH治療を対象として現在フェーズ2aのPoC (Proof of Concept)プログラムに進んでいます。またPXL770は他の代謝性疾患の治療にも対応できる可能性があります。当社は今後も戦略提携やパイプラインの開発により、さらなる成長を目指します。詳細については、 www.poxelpharma.com をご覧下さい。


DeuteRx, LLCについて
 DeuteRx, LLC(DeuteRx社)は、「重水素によるキラルスイッチ法(deuterium-enabled chiral switching: DECS)」と呼ばれる画期的な技術を開発しました。本技術を使用し、種々の適応症を対象として、上市後のラセミ体(2つの鏡像体又は立体異性体が1:1の割合で混合)低分子医薬品および候補化合物の改良に取り組んでいます。ラセミ体医薬品である親化合物から好ましい方の単一の立体異性体を用いて開発を行う方法は、「キラルスイッチ」としても知られており、しばしば、優れた治療特性を持つ薬の創出につながります。しかしながら、多くの化合物は、その立体異性体が生体内(in vivo)で化学的に相互変換することから、依然としてラセミ混合物として開発・販売されています。これまでに、DeuteRx社は、DECS技術を使用することにより、多くのラセミ体において有効成分である立体異性体を安定化させ、これらの立体異性体の特性を明らかにしています。


今後の見通しに関する記述
 本プレスリリースには、将来の見通しに関する記述が含まれており、過去の事実に関する記述ではない記述はいずれも(1)予告なく変更されることがあり、(2)当社が制御できない要因の影響を受けます。これらの記述に該当するのは、「目標」、「確信」、「期待」、「目的」、「意図」、「可能性」、「予想」、「想定」、「計画」、「予測」、「~するつもり」、「~のはずである」、「~の可能性がある」、「たぶん~だろう」、「~だろう」、「~があり得る」等の表現およびこれらの類義語や否定語が、先行または後続する記述、もしくは含まれている記述ですが、これらに限定されるものではありません。将来の見通しに関する記述は、当社が制御できない固有のリスクや不確実な要素によって影響を受けることがあり、当社の実績やパフォーマンスが、将来の見通しに関する記述の中で記述または示唆されたものと大きく異なる場合があります。適用される法律および規制に則り、本プレスリリースに記載された当社の新規普通株式の発行に際して、目論見書の発行は必要とされません。


1. J Hepatol. 2016, 64(6),1388-402; Hepatology 2018, 67, 328-357
2. 本契約に従って、DeuteRx社に支払われる新規普通株式129万株に対して9カ月間のロックアップ、および他の特定の制限事項がある。前金としてDeuteRx社に支払うべき株の発行価格およびその後の株式報酬の株の発行価格は、株発行日前20日間の出来高平均荷重価格とする。取引前のPoxel社の持ち株比率が1パーセントの株主の場合、取引後に当該株主の持ち株比率は0.9501パーセントとなる。
3. Smith B. K et al., (2016) Am J Physiol Endocrinol Metab 311, E730-E740
4. Cusi, et al., Ann Intern Med. 2016, 165(5), 305-315

情報提供元:POXEL SA
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