米国発調査を国内で初論考!世界のDMOはどこを目指しているか
激変する観光業界 ― アフターコロナにDMOに求められる役割とは
パンデミックで観光地や観光産業は大きな打撃を受け、ワクチン接種が一部の国で進んできた今も様々な模索が続いています。このような時期に、観光推進組織(以下「DMO」)はどのような戦略を立てるべきでしょうか。また、パンデミックの前後でそのトレンドに違いはあるのでしょうか。
公益財団法人東京観光財団(以下「TCVB」)は、これまで国内で本格的な論考がなかった米国MMGY Next Factor社による調査レポートを考察し、「アフターコロナのDMOの役割」についての共同研究成果を公表しました。
公益財団法人東京観光財団(以下「TCVB」)は、これまで国内で本格的な論考がなかった米国MMGY Next Factor社による調査レポートを考察し、「アフターコロナのDMOの役割」についての共同研究成果を公表しました。
TCVBと株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツは、米国MMGY Next Factor社によるDestinationNEXT Futures Study 2019及びOrganizationNEXTの2つのレポートを考察した共同研究成果を公表しました。Futures Study 2019の和訳は国内初であり、また、これらレポートの本格的な論考も初めてです。
<共同研究成果はこちらから>
https://www.tcvb.or.jp/jp/project/research/theme/
今回論考した2つのレポートは、最大55の国・地域のDMOのリーダーへの継続的なアンケートをもとに、DMOのトレンドと優先すべき戦略をモニタリングしている、類のない貴重な調査です。
<MMGY Next Factor>
https://nextfactorinc.com/
調査では、アンケートで収集した500以上の回答から、最新のデスティネーション(「観光地、観光を推進する地域全体」のこと)のトレンドやDMOが優先すべき戦略をランキング形式で示しています。
この調査によると、パンデミック前の2019年段階で、「デスティネーションのトレンド」としては既に以下のような項目がランキングされていました。
注目したいのは1位~10位のうち、デジタルに関する項目が多数ランクインしていることです。旅行者とデスティネーションの接点はデジタルプラットフォームが主体となり、いかに効果的にSNSやデジタル技術を活用すべきかが浮き彫りになっています。コロナ禍で加速したデジタルトランスフォーメーションですが、旅行者の認知・旅行意欲喚起のためのデジタル技術の効果的な活用は、コロナ禍以前から最重要トレンドの一つであったと言えます。
同じく2019年調査の「デスティネーションの戦略」には、以下の項目がランキングされました。
既に2019年時点で、オーバーツーリズムに代表されるように、国内外で地域住民の暮らしや環境への悪影響が顕在化していたことも事実です。このランキングからは、観光が起こし得る問題について、DMOが地域の中核となり対処し、コミュニティをつなぐ役割が求められていることが分かります。DMOの活動のためには、経営計画や活動計画を対外的に公表し、地域の理解を得ることも必要であることが示唆されています。
では、これらトレンドや戦略内容は、パンデミック下の2020年に実施されたOrganizationNEXTの調査ではどのように変化したでしょうか。調査では、コロナ禍からの回復において、DMOには次の3項目が重要であると示しています。
1 「地域社会の構築」
2 「カスタマーエンゲージメント」
3 「組織の持続性」
調査では、各項目に対しDMOが取るべき戦略をランキング形式で詳細に明らかにしています。
「地域社会の構築」では、観光産業の復興のためにはDMOと地域の観光産業が確実に参加して共に計画を策定することや、地域の有力者も巻き込んでいくことの重要性が示唆されています。これは2019年調査においても重要戦略とされた「地域との関係強化」にも共通しており、回復のためにはDMOと地域の連携がいかに重要であるかが再確認された形です。
「カスタマーエンゲージメント」では、引き続きデジタル技術を活用して回復の早い市場を見極めた戦略を練ること、変わりゆくトレンドをモニタリングし、旅行再開時に向けた情報発信をすることの重要性等が指摘されています。
最後に「組織の持続性」では、観光産業が疲弊した中で、いかに財政を確保していくか、そのために民間の観光事業者と戦略的に連携し、DMOが取り組むべき優先課題を洗い出し、効率的に予算を使うことの重要性を示しています。
以上を踏まえると、2019年調査でトレンド・戦略としてトップ10入りしていた【デジタルの活用】【地域との連携強化】に関する項目は、2020年調査であっても引き続きその重要性が確認される結果になりました。
アフターコロナの時代では、地域間の誘客競争が激化することが予想されます。DMOには、これまでのような
誘客プロモーションだけでなく、今後は旅行者の新たなニーズに合った高品質な体験を担保しながら、旅行者による消費を少しでも多く地域経済に循環させ、地域と一体となった取り組みが求められるでしょう。それを実現するためには、地域との接点をこれまで以上に増やし、住民の理解も得ながら、観光事業者に留まらないより広いネットワーク構築が必要だと考えられます。
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【公益財団法人東京観光財団(TCVB)】
https://www.tcvb.or.jp/jp/
東京の観光振興に関する各種事業を推進する東京都の政策連携団体。「世界から選ばれ続けるTOKYOへ。」を組織理念に掲げ、様々なパートナーと連携しながら、旅行者やビジネスイベンツを誘致するとともに、地域の観光振興や受入環境を向上するための取組を幅広く展開。
【株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ(WBA)】
https://www.wba.co.jp/
国内、海外を舞台に活躍する、調査、コンサルティング会社。観光では、観光地域づくり法人(DMO)や地方公共団体を対象に、戦略策定、地方創生、持続可能な観光などの分野に対応します。コンサルタントは、中小企業診断士の有資格者で構成され、組織強化や管理分野に強みを持つ。多様な専門分野のネットワークも活用し、すそ野が広い観光特有の様々な課題にも対応。
<共同研究成果はこちらから>
https://www.tcvb.or.jp/jp/project/research/theme/
今回論考した2つのレポートは、最大55の国・地域のDMOのリーダーへの継続的なアンケートをもとに、DMOのトレンドと優先すべき戦略をモニタリングしている、類のない貴重な調査です。
<MMGY Next Factor>
https://nextfactorinc.com/
調査では、アンケートで収集した500以上の回答から、最新のデスティネーション(「観光地、観光を推進する地域全体」のこと)のトレンドやDMOが優先すべき戦略をランキング形式で示しています。
この調査によると、パンデミック前の2019年段階で、「デスティネーションのトレンド」としては既に以下のような項目がランキングされていました。
注目したいのは1位~10位のうち、デジタルに関する項目が多数ランクインしていることです。旅行者とデスティネーションの接点はデジタルプラットフォームが主体となり、いかに効果的にSNSやデジタル技術を活用すべきかが浮き彫りになっています。コロナ禍で加速したデジタルトランスフォーメーションですが、旅行者の認知・旅行意欲喚起のためのデジタル技術の効果的な活用は、コロナ禍以前から最重要トレンドの一つであったと言えます。
同じく2019年調査の「デスティネーションの戦略」には、以下の項目がランキングされました。
既に2019年時点で、オーバーツーリズムに代表されるように、国内外で地域住民の暮らしや環境への悪影響が顕在化していたことも事実です。このランキングからは、観光が起こし得る問題について、DMOが地域の中核となり対処し、コミュニティをつなぐ役割が求められていることが分かります。DMOの活動のためには、経営計画や活動計画を対外的に公表し、地域の理解を得ることも必要であることが示唆されています。
では、これらトレンドや戦略内容は、パンデミック下の2020年に実施されたOrganizationNEXTの調査ではどのように変化したでしょうか。調査では、コロナ禍からの回復において、DMOには次の3項目が重要であると示しています。
1 「地域社会の構築」
2 「カスタマーエンゲージメント」
3 「組織の持続性」
調査では、各項目に対しDMOが取るべき戦略をランキング形式で詳細に明らかにしています。
「地域社会の構築」では、観光産業の復興のためにはDMOと地域の観光産業が確実に参加して共に計画を策定することや、地域の有力者も巻き込んでいくことの重要性が示唆されています。これは2019年調査においても重要戦略とされた「地域との関係強化」にも共通しており、回復のためにはDMOと地域の連携がいかに重要であるかが再確認された形です。
「カスタマーエンゲージメント」では、引き続きデジタル技術を活用して回復の早い市場を見極めた戦略を練ること、変わりゆくトレンドをモニタリングし、旅行再開時に向けた情報発信をすることの重要性等が指摘されています。
最後に「組織の持続性」では、観光産業が疲弊した中で、いかに財政を確保していくか、そのために民間の観光事業者と戦略的に連携し、DMOが取り組むべき優先課題を洗い出し、効率的に予算を使うことの重要性を示しています。
以上を踏まえると、2019年調査でトレンド・戦略としてトップ10入りしていた【デジタルの活用】【地域との連携強化】に関する項目は、2020年調査であっても引き続きその重要性が確認される結果になりました。
アフターコロナの時代では、地域間の誘客競争が激化することが予想されます。DMOには、これまでのような
誘客プロモーションだけでなく、今後は旅行者の新たなニーズに合った高品質な体験を担保しながら、旅行者による消費を少しでも多く地域経済に循環させ、地域と一体となった取り組みが求められるでしょう。それを実現するためには、地域との接点をこれまで以上に増やし、住民の理解も得ながら、観光事業者に留まらないより広いネットワーク構築が必要だと考えられます。
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【公益財団法人東京観光財団(TCVB)】
https://www.tcvb.or.jp/jp/
東京の観光振興に関する各種事業を推進する東京都の政策連携団体。「世界から選ばれ続けるTOKYOへ。」を組織理念に掲げ、様々なパートナーと連携しながら、旅行者やビジネスイベンツを誘致するとともに、地域の観光振興や受入環境を向上するための取組を幅広く展開。
【株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ(WBA)】
https://www.wba.co.jp/
国内、海外を舞台に活躍する、調査、コンサルティング会社。観光では、観光地域づくり法人(DMO)や地方公共団体を対象に、戦略策定、地方創生、持続可能な観光などの分野に対応します。コンサルタントは、中小企業診断士の有資格者で構成され、組織強化や管理分野に強みを持つ。多様な専門分野のネットワークも活用し、すそ野が広い観光特有の様々な課題にも対応。
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