京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab|初代諏訪蘇⼭アーカイブ化プロジェクトが展覧会開催のためクラウドファンディングを開始
明治期を代表する陶芸家・初代諏訪蘇山による陶芸作品の石膏型をデジタル技術で復元。保存再生のプロセスを展覧会で紹介するため、クラウドファンディングを行います。
歴史的価値のある⼯芸品を復元し、保存再生のプロセスをご紹介します
京都⼯芸繊維⼤学 KYOTO Design Lab(住所:京都市左京区、ラボラトリー⻑:岡⽥栄造教授、以下D-lab)は、2019年10⽉より、3Dスキャンや3Dプリントなどのデジタルファブリケーション技術を⽤い、明治期に活躍した帝室技芸員(現在の人間国宝に相当)の陶芸家・初代諏訪蘇⼭が残した貴重な陶芸作品の⽯膏型をアーカイブするプロジェクトを実施しています。当代となる四代諏訪蘇⼭氏との協働により、初代諏訪蘇⼭の貴重な作品群をデジタルデータとして記録保存するとともに、歴史的価値の⼯芸品を復元し、保存するプロセスを多くの方にご覧いただくべく、2021年8月19日よりクラウドファンディングを公開。展覧会の開催を目指しています。
初代諏訪蘇⼭アーカイブ化プロジェクトとは──
初代諏訪蘇⼭が遺した陶芸作品の⽯膏型をデジタルファブリケーション技術により複製・復元することで、オリジナルの型を用いることなく作品の再制作を⾏う。これにより、初代諏訪蘇⼭の貴重な作品群をデジタルデータとしてアーカイブ化すると共に、歴史的に価値ある⼯芸作品を復元し、保存する技術・手法の開発を目的として、2019年10月よりプロジェクトがスタートしました。
没後百年を前に、初代の技芸を継承するプロセスをご覧いただきたい
同プロジェクトの立ち上げから2年あまりとなり、デジタル技術を用いて伝統工芸の技芸を次代に橋渡しするための手法として、このプロセスを多くの方にご覧いただき、共有いただくことで、これからのものづくり、技術継承に役立ててもらえるよう、ご紹介する場を設けたいと考えました。そんな中で、古くから諏訪家と親交があり、諏訪蘇山作品のコレクションを多数お持ちの妙心寺大雄院という素晴らしい場を得て、この度展覧会を企画するに至りました。
クラウドファンディングに可能性を託して
一方で、大学内における研究に関しては予算の範囲で行えているものの、学外活動に関しては予算化の目処が立たず、このプロジェクトで得た技術的蓄積やノウハウを広く認知していただく機会に恵まれませんでした。そこで、大学で過去に事例のあったクラウドファンディングを活用しようという提案があり、クラウドファンディング・プラットフォーム「READYFOR」の協力の下、この度の支援のお願いへと至りました。
ご支援いただいた皆様への御礼としましては、展覧会鑑賞券、復元型のレプリカ、諏訪蘇山の茶器による茶会、諏訪蘇山AR付きサンクスメールなど、多彩なリターン品を準備しています。
初代 諏訪蘇山について
1851年(嘉永4年)加賀藩士・諏訪重左衛門好方の長男として現在の金沢市に生まれ、上京後はフェノロサに美術工芸を学んでいます。京焼の陶工・錦光山宗兵衛の窯に招聘後、1907年(明治40年)独立、京都五条坂に窯を開く。蘇山作品の特徴は石膏型を生かした彫像や置物、透かし彫りの花瓶、精緻な雲鶴彫の銀器を用いた火舎香炉などにありますが、「青磁は蘇山によって再生をした」と後に云われるほどに青磁作品において高い評価を得、1917年(大正6年)には帝室技芸員(現在の人間国宝に相当)となっています。
四代 諏訪蘇山氏からのコメント
「2022年に没後百年を迎える初代 諏訪蘇山が遺した石膏型は我が家の宝です。型を使った陶芸作品は一般的に安価な量産品と見られてしまうことも多いのですが、初代蘇山は焼成時に不良品が出やすい磁器製品の完成率を上げる為に、敢えて少量生産品も型を使って制作していたと思われます。
明治初期に日本に伝えられた時は最先端の技術であった石膏型をいち早く作陶に取り入れ、緻密な原型を作り、それを石膏で型に取り、その石膏型で陶磁器の製品を作り出す技術をD-labの3Dスキャナーで読み取り、試行錯誤した初代の思いを再現して後の世に伝えていきたいと思います。
明治と令和の最先端技術の融合を初代蘇山もきっと楽しみにしているでしょう」
展覧会概要
初代諏訪蘇山 没後百年記念展 in 妙心寺 大雄院
〜初代蘇山の遺した石膏型を次代へ with KYOTO Design Lab〜
会期 : 2021年10月7日[木]– 10月11日[月]
会場 : 臨済宗大本山妙心寺塔頭 大雄院
(京都市右京区花園妙心寺町52 Tel.075-463-6538 https://www.daiouin.com/)
開場 : 10:00~16:00
特別拝観料 : 700円
クラウドファンディング情報はこちらへ(READYFORサイト)
https://readyfor.jp/projects/dlab
KYOTO Design Labについて
KYOTO Design Lab[D-lab]は、京都⼯芸繊維⼤学がデザインと建築を柱とする領域横断型の教育研究拠点として設⽴した、コラボレーションのためのプラットフォームです。2014年の発⾜以来「Innovation by Design」をミッションに、基礎研究をとおした社会的課題の発⾒と解決のための、さまざまな専⾨性が交差するインキュベーターとして活動しています。
D-labは、世界中の⼤学から招聘する研究ユニットや学内のさまざまな分野の研究者、国際的な企業や地域の組織とともに、ワークショップや都市リサーチなど各種の国際的プログラムの実践を通じたイノベーションの社会実装に取り組んでいます。
京都⼯芸繊維⼤学 KYOTO Design Labのプレスリリース⼀覧
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/37287
KYOTO Design Lab
https://www.d-lab.kit.ac.jp/
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