スーパーエコスクール初 net Zero Energy Building(ZEB)を達成!
~岐阜県瑞浪市立瑞浪北中学校の取り組み~
全国に設置されている義務教育機関の公立学校施設によるZEB達成には、脱炭素化社会の実現に向けた国の取り組みを推進させる大きな意義があります。今後、全国の学校にもこうしたチャレンジが広がるための契機となれば幸いです。
■瑞浪市立瑞浪北中学校とは
瑞浪北中学校は、瑞浪市内公立中学校の統合再編に伴って誕生した新築中学校で、2019年4月に新築校としては全国で初めて開校した「スーパーエコスクール」です。
スーパーエコスクールとは、省エネを徹底して消費電力を抑え、創エネ・蓄エネの技術やさまざまな工夫でエネルギー消費を実質ゼロにする学校のことです。
全国的に公立学校施設の老朽化が進む中、環境負荷を減らし、環境教育の推進や環境保全への取り組みが求められることから、文部科学省は「スーパーエコスクール実証事業」を実施、同校はこの実証事業で認証された7校目となります。
■今回実施された調査概要
①実測期間:2019年9月~2020年8月
※実測期間中に新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言期間4月7日~5月25日を含みますが、本来夏季休暇にあたる7月21日~8月27日に授業が実施され実測を行いました。
②実測結果
一般的な中学校のエネルギー消費量364MJ/㎡年に対して、様々な省エネルギー手法の効果により50%削減でき、さらに創エネルギーである太陽光発電の発電量を学校内で消費することにより72%削減になりました。学校内で消費しきれず余った電力は、電力会社へ売電することにより学校外のオフサイトで使われ、地域の省エネルギーに寄与します。この効果も加味して、ネットで101%の省エネ実績を達成することができました。(図1)
昨年(2019年)と本年(2020年)の買電電力量を比較すると、4月~6月は登校の制限により電力量は減りますが、逆に登校を開始した7月~8月は冷房運転により電力量が大きく増え、4~8月の期間合計では昨年より電力消費量が増えました。このことより、コロナ禍による登校の制限によりエネルギー消費量が減ってゼロ・エネルギーを達成したのではなく、導入した省エネルギー手法を計画意図通りに発揮することでゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)を実現できたことが分かります。(図2)
■瑞浪北中学校で実施されている環境配慮手法の一例
瑞浪市の文化遺産である登り窯をモチーフにした自然換気、高断熱高気密化、自然採光・地中熱利用、高効率システムの採用(LED照明、高効率エアコン他)、エコモニターによるエネルギーマネジメントを採用するとともに、創エネルギーとして太陽光発電120kw、風力発電やペレットストーブを採用しています。
環境教育の一環として、「五感で育む環境体験」を大切にしました。感じる化の仕組みや、エコモニターによる見える化、継続的運用を支援する環境マニュアル、歴史や自然から癒しを享受するバイオフィリックデザインなどの環境教育プラットフォームを整えました。
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
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