大阪: 長いトンネルの先に見え始めた新規開発

オフィスマーケット 2019年 第三四半期レビュー&アウトルック

コリアーズ・インターナショナル・ジャパン(日本本社:東京都千代田区内幸町)は本日、「大阪: 長いトンネルの先に見え始めた新規開発-オフィスマーケット2019 年第三四半期 レビュー&アウトルック」を発表しました。当レポートは、2019年第3四半期の大阪オフィス・マーケットのレビューならびに今後の市場動向についてコリアーズの予測をまとめたものです。
要約と推奨

新規供給がほぼゼロであるため、需要が抑え込まれているにも関わらず、グレードAオフィスの新規供給は2021年以降までない。当面は、グレードAオフィス市場では、賃料の上昇と空室率の低下が続くと予想する。

テナントに対する弊社の推奨は:
■テナントの選択肢が非常に限られているため、新規供給の時期を見込んで契約期間を延長する

貸主に対する弊社の推奨は:
■高級ビルの賃料上昇を正当化するための付帯施設への投資を加速化する

投資家に対する弊社の推奨は:
■ツーリスト向けホテルなど景気感応度の高い資産に対する配分を再度見直し、オフィスへの転用を検討する
 

 

出典:コリアーズ・インターナショナル。 1米ドル=108円(2019年第3四半期の平均値) 1m2=10.76sf、1坪=3.306m2 注:賃料=貸付面積のネット実効賃料で、坪当たり月額(円)出典:コリアーズ・インターナショナル。 1米ドル=108円(2019年第3四半期の平均値) 1m2=10.76sf、1坪=3.306m2 注:賃料=貸付面積のネット実効賃料で、坪当たり月額(円)


2022年以降からは新規供給へ

過去9年間にわたり、大阪のネットベースでの新規供給は、既存在庫の1.0%を下回り続けてきたが、2022年以降にはようやく持ち直す見通しである。賃料上昇ペースも顕著な大阪駅周辺の主要地区では、既に大規模なプロジェクトが数件発表されはじめてきた。
 
総じて大阪市場は堅調に推移しているものの、四半期ベースで地区別にみれば強弱混在している。トップロケーションとなる梅田、中之島などの主要地区では、質の高い在庫に牽引された賃料の上昇と空室面積の減少により、最も勢いのあるエリアである。また、新幹線ネットワークへのアクセスが容易な 新大阪北部周辺地区では、優良ビルの賃料上昇により、新たなビジネス拠点が集積し始めている。

一方、本町、堺筋をはじめとする近隣地域では、大阪駅へのアクセスがやや不便であり、中古・小規模ビルへの需要が減退しつつあり、Bクラスの空室率も5~7%程度まで漸増している。品質の二極化傾向は、良質な在庫が少ない新大阪南部でも顕在化しつつあり、空室面積は市内最大、エリア空室率も6.4%まで増加している。

全般的に大阪の建物は古く、現行の耐震基準に適合させるための取り壊しは妥当である。築40年以上のビル、言い換えれば取り壊し候補は、大阪市内ストックの約26%に達している。これに対し、同比率は、東京では18%、横浜では13%となっており、オフィス市場への投資を増やしたことで、賃料上昇がより早く進んだ事を示唆している。

また、国内主要都市を対象とした最新の年次調査1では、大阪のオフィスの滅失が大幅に進んでおり、これまでの3年間に比べて3倍近い規模に相当する12万3,000平方メートルが喪失されたことが判明している。このことは、新規投資の大部分が、エンターテイメント、食事、ホテルなどの機能を有する安価な複合施設の増設に向けられてしまっていること、「世界のエンターテインメント都市、大阪」を目指すという達成不可能とも思われる政策提言に固執してしまっている事を示唆している。事実、2018年度の新規着工合計うち約24%がこのような施設に向けられてしまったが、不動産業者による開発は全体の3.2%2にとどまっている。
 

出典:コリアーズ・インターナショナル、J-REI 1日本不動産研究所「2019年全国オフィスビル調査」、2国土交通省「建築着工統計」出典:コリアーズ・インターナショナル、J-REI 1日本不動産研究所「2019年全国オフィスビル調査」、2国土交通省「建築着工統計」


大阪で最も注目すべき賃料の傾向は、「質への逃避」である。最も高価な梅田地区でさえ、東京の半分以下の賃料であり、全体の賃料水準はまだ割安である。大阪市内の質の高いオフィススペースに対する需要は右肩上がりであり、人気のある地区の空室面積はほぼゼロになっている。梅田の総賃貸可能面積130万平方メートル(1400万平方フィート)に対して、空室面積は3,890平方メートル、空室率0.3%であり、2019年第1四半期末の1.0%から更に低下した。空室率が1%未満に低下する同様の傾向は、中之島、淀屋橋、新大阪北などの近隣地区でも現れつつある。ただし、低品質のオフィスは、タイトな需給の中でも、需要が弱含みしており、同期間のグレードBオフィスの空室率は1%から2.8%まで上昇した。

サブマーケット別に見ると、本町、堺筋、新大阪南は年末からさらに空室が増加していくだろう。堺筋では、オフィスの取り壊し面積が過去最大となり、空室面積も過去3四半期で2倍強に増加した。一方、大阪での質の高いビルの不足に対処するために、新しい大規模開発計画が始動を始めている。大手不動産開発業者も、駅前エリアで改善しつつある収益見通しを追い風として、前向きな姿勢に転じつつあり、梅田と淀屋橋それぞれの総床面積対比で約36%と約49%に相当する新規供給が見込まれている。
 

出典:コリアーズ・インターナショナル 注青は空室が大幅に低下した地区,黄は空室が大幅に上昇した地区、賃料は貸床面積における月額賃料。  注:上記の数字は、特に記載がない限り全てのグレードの建物を対象としている。 全てのグレードとは、1フロア当たり面出典:コリアーズ・インターナショナル 注青は空室が大幅に低下した地区,黄は空室が大幅に上昇した地区、賃料は貸床面積における月額賃料。 注:上記の数字は、特に記載がない限り全てのグレードの建物を対象としている。 全てのグレードとは、1フロア当たり面


詳しい内容は、本日発刊の「大阪: 長いトンネルの先に見え始めた新規開発-オフィスマーケット 2019年 第三四半期レビュー&アウトルック」をご覧ください。

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(C) 2019 Colliers International Japan KK.
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