高畑裕太 主宰の劇団ハイワイヤが送る介護問題をテーマに描いた新作公演『墓場までのかえりみち、ゆりかごからブランコへ。』開幕!
舞台写真と主宰・高畑裕太、タナカ役・薄平広樹、トシエ役・大竹このみ(贅沢貧乏)幻役・松尾望によるコメントが到着!
高畑裕太が主宰・作・演出を務める劇団ハイワイヤの新作公演『墓場までのかえりみち、ゆりかごからブランコへ。』は7月24日に初日の幕が開いた。

家族介護という重層的なテーマを中心に、主人公と主人公を取り巻く人々がそれぞれの「死生観」
(生き方/逝き方)と向き合い、変化していく姿を群像劇として描き出している。
劇団主宰・高畑裕太が実際に介護従事者として働いた経験をもとに執筆・演出を手がけた完全新作で重厚な作品になっている。
舞台写真と主宰・高畑裕太、タナカ役・薄平広樹、トシエ役・大竹このみ(贅沢貧乏)幻役・松尾望によるコメントが到着した。初日は満席で無事終え、公演は7月30日(日)までの公演となる。当日券も全ステージ開演の45分前から劇場受付で発売する予定だ。





主宰・作・演出 高畑裕太 コメント
劇団ハイワイヤの第二回公演が、ついに幕を開けました。本当に、心から誇れる作品ができたと思っています。尊敬する先輩から「二作目は大変だよ。本当に大変」と言われていたのですが、まさにその通りでした。ここまで来るのに、苦しい時間や迷いもたくさんありました。「なぜ自分はそれでも演劇を続けるのか?」と聞かれたら、正直その「意味」はまだ分かりません。
けれど少なくとも今、言いたいことや、感じていることが自分の中に確かにあって、この作品が出来上がった時に「あぁ、今、自分は生きているんだ!」という実感を心から強く感じました。
前作は私自身の中学時代の体験をもとにした、いわば半自叙伝のような作品でしたが、
今作は、認知症になった親と、現代社会のあらゆるしわ寄せを一身に浴びた、
とある男の人生の一幕を描いたオリジナルの物語です。
私たち自身や、身近な人たちが今この日本で暮らす中で抱えていることと、
誰にでも訪れる「老い」や「死」への不安、
そしてそうした避けがたい現実の中に、
確かに存在する「希望」や「人間の尊さ」を描きたいと思い、この作品を創作しました。
自分自身にとっても、劇団にとっても、何よりも尊い時間を描けたと胸を張って言えます。
この作品は、劇団ハイワイヤにとって大きな到達点となる一本です。ぜひ、劇場に足をお運びください。

タナカ役・薄平広樹 コメント
この作品はある男が母の介護をきっかけにあらゆるものを手放す過程を描いてます。しかし、この複雑な物語はどのように受け取ってもらえるのか、本当に初日開けてみないとわからないなと思ってました。強いていうなら物凄い嫌悪されて誰かに怒られるか、面白がられるかのどちらかだと思ってました。しかし、開けてみると様々な人に愛してもらえる作品だったようです。物凄い気に入ってもらえて、とてもホッとしてます。誰もが通る現実があるからかもしれません。是非是非劇場にいらしてください!

トシエ役・大竹このみ コメント
おかげさまで初日が無事にあけました。ここまで本当に怒涛で、稽古が驚くほどあっという間に終わってしまい、気がついたら本番を迎えておりました。
今回、認知症の母親という大事な役をやらせていただいております。私は、おばあちゃんが好きで普段から街で出会ういろんなおばあちゃんのことをよく観察しています。この役を演じるために、高畑くんが以前働いていたデイサービスにもお邪魔させて頂きました。デイサービスの利用者さんと接していて私が感じたのは、老いていくことは、生きていたいろんなことを忘れていくことなんだ、ということでした。親が老いていくのは、何故だかものすごく悲しい気持ちにもなりがちですが、記憶を忘れていくことも、身体(感情も)が思うように動かなくなっていくことも、尊いことだなと思います。腰が曲がってしわしわになった身体には、しっかりとその人の生きてきた証が残っているから。親の老いも、そして自分の老いも、ちゃんと見つめて生きていきたいです。
そんなことを考えながら、今回の作品に参加しています。変な言い方ですが、「老い」を楽しんで演じています!ぜひ、劇場でお待ちしています!

幻役・松尾望 コメント
本日無事に初日を終え、今は興奮と楽しみとが入り混じる中、稽古でみんなで作り上げてきた世界にお客様と劇場空間とが合わさって、きっとこの作品は毎回色んな顔を魅せてくれる、と感じています。生の舞台ならではの、感性を揺さぶる濃厚な2時間です。私も素直な身体で作品の中に生き続けたいと思います。この素晴らしい機会に心から感謝いたします。
あらすじ
都内企業で働くタナカは、日々の仕事や、人間関係に激しく疲弊していた。
そんな中、故郷に一人残してきた母親がレビー小体型認知症を発症したという知らせが入る。
数年振りに母と再会したタナカは自身の肉親に訪れた「老い」を直視出来ないまま東京に戻る。
母の介護、職場での人間関係、恋人との未来。
目まぐるしく襲いかかってくる現実にタナカの心はどんどん削られていった。
そしてとある日ついにタナカの精神は限界を迎えて、勤務中に重大な事故を起こしてしまう。
その後離職を余儀なくされたタナカは故郷に帰って、認知症の母と二人で暮らすようになる。
ハイワイヤとは
2021年5月6日に俳優・高畑裕太主宰の劇団として旗揚げ。
以降、主宰・作・演出の高畑裕太を中心に、サポートスタッフの協力の下、活動、運営、企画考案を行う。主に個人の体験をベースに、「社会の片隅で過ぎていく誰かの半生」を描く。
生きていく中で誰にでも生じる不条理、ストレス、孤独、愛など、人間の普遍的な感覚を呼び起こす作風は、観る者に強い没入感を与える。目に見える出来事のみにとらわれず、人間が無意識の中に抱えている世界観や、「日常」と「非日常」の狭間にある抽象空間を舞台上に表出することで、その時のカンパニーにしかできない新しい表現を追求し続けている。作品を通して、観客の記憶に深く残り続ける瞬間を生み出すことを目標とする演劇団体である。
「ハイワイヤ」という名称は、高層ビル、峡谷、滝の間など、通常より高い場所にロープを張って行う綱渡り「ハイワイヤー・アクト(Highwire act)」から由来している。


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