新型コロナをはじめとする世界の保健医療課題解決に向け、「グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同」が菅義偉首相に対し、民間企業の活力を発揮するグローバルヘルスの取り組みを更に強化するよう要請

新型コロナウイルス感染症及びその他の世界的な保健医療課題の解決に向け、今後5年間で日本の保健医療関連のODAを倍増することや、それを通じた民間企業のソリューションのさらなる展開支援を要請

*有志代表 渋澤 健 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO
家次 恒 シスメックス株式会社 代表取締役会長兼社長CEO
遠藤 信博  日本電気株式会社(NEC) 取締役会長
柏倉 美保子 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表
金子 洋介 SORA Technology株式会社/Terra Drone株式会社 CEO/最高戦略責任者
加留部 淳 豊田通商株式会社 取締役会長
酒匂 真理 株式会社miup 創業者兼CEO
更家 悠介 サラヤ株式会社 代表取締役社長
田代 桂子 株式会社大和証券グループ本社 取締役兼執行役副社長
手代木 功 塩野義製薬株式会社 代表取締役社長
十倉 雅和 住友化学株式会社 代表取締役会長
日髙 祥博 ヤマハ発動機株式会社 代表取締役社長
新浪 剛史 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長

4月27日、渋澤健シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役CEOを代表とする、グローバルヘルス分野(地球規模課題としての保健医療分野、特に公衆衛生分野、感染症対策分野での支援及び事業)に貢献する日本企業の経営者有志「グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同」(以下、有志)が菅義偉首相を訪問し、「民間企業の活力を発揮するグローバルヘルス戦略―複雑化・多様化する課題解決に向けて―」と題する要望書を手交しました。この有志には、製薬・医療機器をはじめとした保健医療分野のみならず、金融や商社、デジタル、サプライチェーン等多岐にわたる分野から、また大企業のみならず中小企業やスタートアップも含めた多様な企業の経営者が参画しています。本要望書では、日本政府の政府開発援助(ODA)を通じた戦略的なグローバルヘルス分野への貢献が民間企業にとっても意義のあることから、その着実な実行に向けて民間企業の立場からの要望を示しています。具体的には、日本政府のODAの活用による民間企業のグローバルヘルス分野への展開強化、政府、民間企業やODAのシナジー強化、民間企業人材を含むグローバルヘルス人材の育成強化が要望されています。このように、本要望書は日本のグローバルヘルス分野のODA倍増や二国間・多国間の連携強化を求め、自民党が2020年12月に政府に提出した政策提言(「ポスト・コロナのわが国の国際保健外交―求められるODA政策等のパラダイムシフト」)に賛同し民間企業の視点から補完した内容です[1]。

国際社会は、今回のパンデミックを通じて、グローバルヘルスの重要性を再認識しました。新型コロナウイルス感染症は国境に関係なく、すべての国々に影響を及ぼし、世界に前例のない健康危機を引き起こしています。国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(2020年10月改訂)では、世界経済の成長率は2020年に-4.4%、日本は-5.3%と予測されています[2]。そのような中、依然勢いが衰えない新型コロナウイルス感染症への対策を政府・民間セクター双方が強化することが急務となっています。また、将来のパンデミックを含む健康危機に迅速かつ適切に対応できる強靭な保健システムを構築することは、日本を含む国際社会全体の利益となります。

今回のパンデミックからの教訓は、自国の保健医療課題のみに対処しようと試みても、根本的な解決には至らず、世界的なヘルスセキュリティ強化が必須であるということです。2020年12月に地政学的リスク分析を専門とするコンサルティング会社ユーラシア・グループが発表した試算[3]によると、アフリカとアジアの低・低中所得国(LLMIC)に新型コロナウィルス感染症ワクチンが平等に配布されれば、日本は2020年から2025年の間に約1.4兆円の経済損失を防ぐことができると推測されています。新型コロナウイルス感染症へ対応するグローバルヘルス分野のステークホルダーは、ワクチン、治療薬や検査キットへのアクセスの不平等を克服し、公平かつ確実な分配を実現するシステムを整えるために、ACTアクセラレーター[4]等の新たなパートナーシップを形成してきました。新型コロナウイルス感染症のワクチンへの公平なアクセスの実現には、国際的な協力関係の継続が必要不可欠です。そして、日本にとっても、これらの国際協力や官民連携を進めることは、結果的に日本経済や国民を守ることに繋がります。

本要望書に示されているとおり、グローバルヘルス分野のODA増加は、低・中所得国の保健医療課題に資する日本企業のソリューションの展開を促進することにもなります。ワクチン、医薬品、医療機器、衛生用品、ICT、生体認証、金融、輸送機器、疾病予防ツール、サプライチェーン、コールドチェーンなどにおける日本のイノベーションは、世界中の保健医療課題の改善に貢献しており、今後更に飛躍できる余地があります。グローバルヘルス分野における日本企業の潜在能力を開花させ、世界的なヘルスセキュリティ強化に貢献しつつ、同時に日本の産業振興を促すために、戦略と体制の構築が求められます。

今回の要望は、以下の内容を日本政府に求めています。

  1. ​ODAの活用による民間企業のグローバルヘルス分野への展開強化
    1. グローバルヘルス分野での日本企業の更なる貢献につながるよう、グローバルヘルス分野のODA予算額を今後5年で倍増すること
  2. 政府と民間企業のシナジー強化
    1.  多様なセクターの民間企業がグローバルヘルス分野に参入し、事業拡大を目指す戦略と体制を構築すること
    2. グローバルヘルス分野の国際協調の枠組において日本政府が更なるリーダーシップを発揮し、関連する政策や規制に関する国際的な議論をリードすること
    3. 低・中所得国において日本企業が生みだすイノベーションがより広く認知され、より積極的に活用されるよう、政府が支援すること
  3. 民間企業人材を含むグローバルヘルス人材の育成強化
    1. グローバルヘルス分野での日本企業の更なる貢献に向け、官民連携を通じて競争優位な人材を育成する仕組を構築すること


渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役CEO)有志代表によるメッセージ:
「新型コロナウイルス感染症は日本と世界がグローバルヘルス分野の重要性を再認識する契機となりました。多様な業界の日本企業がグローバルヘルス分野の事業に取り組もうとする中、一企業では解決できない課題も多くあります。日本企業の潜在能力を開花させ、低・中所得国の保健医療課題の解決に寄与することは、日本の国際的なプレゼンス向上と産業促進にも繋がります。この様な課題意識から、多くの賛同者に集っていただきました。本要望書の内容が着実に政策文書に反映され、政府による環境整備が進み、日本企業が更にグローバルに活躍できることを願います。」

遠藤 信博(NEC取締役会長)によるメッセージ:
「NECは、情報通信技術(ICT)を活用し、人間社会の持続性を支えるための社会価値創造を目指しています。国際社会が抱える課題は多岐に亘ることから、NECはGaviワクチンアライアンスをはじめとする国際機関と連携して、次の世代を担うすべての子どもたちが健康であるために、低・中所得国に対する活動を開始しております。地球上のすべての人々へ、ICTの活用による「健康の向上と維持」を通して人間社会の豊かな生活を支える社会価値を創造し、安全安心な世界の実現に貢献したいと考えております。日本政府からのODA支援は、我々のグローバルヘルス課題への対応を加速化させるものであり、日本の先進技術を活用した社会価値創造による貢献ができるものと確信しております。」

柏倉 美保子(ビル&メリンダ・ゲイツ財団日本常駐代表)によるメッセージ:
「日本政府は、世界的な保健医療課題への取り組みや新型コロナウイルス感染症への対応を進めるなど、この分野において国際社会で重要な貢献を果たしてきました。日本は先進国の中で最も早くCOVAXファシリティ(国際的なワクチン共同買付とワクチンを公平に分配する為の枠組)への参加を表明し、6月に途上国へのワクチンの供給を広める為のワクチンサミットを共催します。また、日々の業務の中で、日本の多様な業界の企業がグローバルヘルス分野に関心を寄せていることも実感しております。日本がODAを通じ世界的な保健医療課題に更にコミットし、また民間の力を活用できる環境をより整備すれば、日本がこの重要な分野でリーダーシップを発揮し続けることに繋がり、日本や世界の人々の健康のみならず、活力のある健全な日本経済や世界経済を確保すると確信しています。」

要望書本文は、こちらよりご覧いただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d76537-20210423-1918.pdf


グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志について
グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志は、日本の民間企業のリーダー及びビル&メリンダ・ゲイツ財団で構成されるグループです。以下は、本提案の署名者の一覧となります。

  • (有志代表)渋澤 健 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO
  • 家次 恒 シスメックス株式会社 代表取締役会長兼社長CEO
  • 遠藤 信博 日本電気株式会社(NEC) 取締役会長
  • 柏倉 美保子 ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表
  • 金子 洋介 SORA Technology株式会社/Terra Drone株式会社 CEO/最高戦略責任者
  • 加留部 淳 豊田通商株式会社 取締役会長
  • 酒匂 真理 株式会社miup 創業者兼CEO
  • 更家 悠介 サラヤ株式会社 代表取締役社長
  • 田代 桂子 株式会社大和証券グループ本社 取締役兼執行役副社長
  • 手代木 功 塩野義製薬株式会社 代表取締役社長
  • 十倉 雅和 住友化学株式会社 代表取締役会長
  • 日髙 祥博 ヤマハ発動機株式会社 代表取締役社長
  • 新浪 剛史 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長

(五十音順)

本プレスリリースに関する連絡窓口

シブサワ・アンド・カンパニー株式会社
電話: 03-3556-9970

日本電気株式会社(NEC)
友永 有三
電話:080-2074-3176
メール:press@news.jp.nec.com

ビル&メリンダ・ゲイツ財団(ブランズウィック・グループ)
佐藤 陽一郎
電話:080-4107-7890
メール:GATESJAPAN@brunswickgroup.com

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
Center on Global Health Architecture(本要望書の執筆補助)
小柴 巌和、山形 律子
メール:ath-ch@murc.jp

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[1] ポスト・コロナのわが国の国際保健外交に向けた提言
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/200984_1.pdf

[2] IMF "World Economic Outlook, October 2020: A Long and Difficult Ascent”
https://www.imf.org/en/Publications/WEO/Issues/2020/09/30/world-economic-outlook-october-2020

[3] ユーラシア・グループ:COVID-19のパンデミック終息に向けて:公平なワクチンの供給における国際協調の重要性
https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/act-accelerator/2020-summary-analysis-of-ten-donor-countries-11_26_2020-v2.pdf?sfvrsn=6d6f630c_5&download=true

[4] ACTアクセラレーター(ACT Accelerator)は、は2020年に発足したWHO(世界保健機関)が主導する新型コロナウイルス感染症ワクチン・治療薬・診断キットの開発、生産及び公平なアクセスを加速化させるための国際的な枠組み。
https://www.who.int/initiatives/act-accelerator

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