アスリード・キャピタル:株式会社スペースバリューホールディングス(証券コード:1448)に対する議決権行使の方針を開示
~第2号議案に関して1名の取締役選任に反対を表明~
Press Release
アスリード・キャピタル ピーティーイー エルティーディー(ASLEAD CAPITAL PTE. LTD.)
2021年6月22日
株式会社スペースバリューホールディングス株主の皆様 及び 関係者各位
アスリード・キャピタル:株式会社スペースバリューホールディングス(証券コード:1448)に対する議決権行使の方針を開示
~第2号議案に関して1名の取締役選任に反対を表明~
Aslead Capital to disclose its voting policy for Annual Shareholders’ Meeting of Space Value Holdings (ticker: 1448)
~Against for appointment of one director~
当社は、2021年6月2日付で株式会社スペースバリューホールディングス(「SVHD」)株式(株券等保有割合:18.80%)に対する投資決定権限及び議決権行使権限を有する者として、変更報告書を提出しました。2021年6月29日に開催予定の第3期定時株主総会に先立ち、当社の議決権行使の方針を事前開示します。
大手資産運用会社やアセット・オーナーの間で、コーポレート・ガバナンスの向上に資するとの判断から株主総会に先立ち自らの議決権行使内容を開示する動きが出てきています(米カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)やニューバーガーバーマンなど)。当社も、投資先企業の企業価値向上に向けた建設的な対話の一環として、当社の投票行動及びその要旨を事前開示することが、他の株主の皆様に対して投票行動検討の一助として頂くという便益があると考えました。また、SVHD経営陣にも当社の意向を明確に理解いただけることを期待しています。
定時株主総会で提案されている取締役(監査等委員である取締役を除く。)5名の選任議案のうち、鈴木啓介氏(候補者番号2。現常務取締役)の選任について、反対とする議決権行使をすることを決定しました。鈴木氏の選任に反対する理由は次の通りです。
当社は過去1年間において複数回の面談をSVHD経営陣と持ってきました。本年5月下旬には監査等委員である取締役を含め、全ての取締役と個別面談を行い、SVHDがおかれた現状認識、これまでの取り組み、今後の経営方針等についての取締役各自のお考え、そしてそれぞれの役割等についてのお話を伺いました。
理由①:経営管理体制の不備により企業価値を毀損した責任
鈴木氏は2018年10月よりSVHDの取締役管理本部長、2019年4月より常務取締役管理本部長、2019年8月より常務取締役企画管理本部長、2021年4月より常務取締役グループ戦略兼グループ人事管掌を歴任し、コーポレート・ガバナンス改革及びコンプライアンス体制の再構築、新中期計画策定等の取り組みを統括してきました。現在、取締役コーポレート本部長兼グループ戦略担当の菊地潤也氏と取締役管理本部長の水野聡彦氏の両氏にとって、鈴木氏が上司に相当し、鈴木氏に対して業務報告を行い、指示を仰ぐ関係にあります。
SVHDは管理部門を担当する社内取締役が3名もおり、SVHDと同規模の企業と比べると管理担当の取締役が多いものの、SVHDのこれまでの状況を踏まえると、経営管理体制の再構築は残念ながら順調に進んでいるとは評価できません。前社長が辞任し、2019年4月26日に再発防止策を発表してから、すでに2年以上が経過しています。
それにも関わらず、業績は悪化し続け、かつ経営管理体制の不備が理由となる下方修正を続けています。営業利益については、2019年3月は4,176百万円であったのが、2020年3月期には2,483百万円となり、2021年3月期は2020年9月14日の当初予想では2,500百万円の営業利益が、その後2021年3月12日には1,000百万円、2021年5月13日には15百万円と2回下方修正され、最終的には14百万円となる2021年3月期決算を発表しています。主たる原因は再発防止策発表以降、SVHDが進めてきた経営管理体制の再構築が未だ組織内で浸透しきれていないことにあるとの説明を受けており、その最大の責任は鈴木氏にあると当社は判断しております。
業績の最終的な結果責任は代表取締役社長CEOである森岡直樹氏にあるとは考えていますが、主たる業績悪化の原因が経営管理体制の不備ということもあり、鈴木氏の責任がより重いと評価しています。森岡氏は、2005年に日成ビルド工業に入社し、社歴も長く社内の求心力を勘案すると、余人をもって代えがたいと認識していることから、森岡氏の再任には賛成の議決権行使をする予定です。
理由②:経営諮問委員会に対する懸念
SVHDでは、再発防止策の一環として、社長が独裁的に意思決定を行ってしまうリスクを回避するために、取締役会とは別に経営諮問委員会を設置しております。当該経営諮問委員会の委員は3名で構成され、そのうち2名は社外取締役であり、社内取締役からは鈴木氏のみが選任されております(注1)。経営諮問委員会では、実態として鈴木氏が作成した全役員の個別役員報酬など重要議案の叩き台となる素案を検討・承認することとなるなど(そしてこの鈴木氏が作成した素案は取締役会ではシェアされていないと聞いています)、経営諮問委員会の意思決定において、鈴木氏の意向が強く反映される建付けになっていることにも強い懸念を感じております。
注1:他の2名の委員は、社外取締役(監査等委員)の紙野愛健氏(公認会計士・税理士)と樋渡利美氏(弁護士)によって構成されています。
理由③:不透明な会計処理への懸念
SVHDはホテル開発事業の一環として2018年7月に取得した約1200坪の京都市右京区龍安寺の土地に係る会計処理において、2019年3月期に1,887百万円の減損損失を計上し帳簿簿価を473百万円まで落とした後、2020年10月に1,230百万円で売却し、2021年3月期に730百万円の特別利益という多額の利益を計上しております。帳簿価額を473百万円まで落として減損処理を計上した後、短期間の間に大幅な特別利益を計上した会計処理は、業績と株価に大きなインパクトのある事項であり、当社としては、SVHDから投資家に対する説明が不十分であると感じております。
また、2021年5月に発表された2021年3月期における991百万円という総合建設事業における多額な工事損失引当金についても、その内容に関する説明が不十分であることから、対話を重ねて参りましたが、現時点において経営陣からは明確な説明がなされていないことに対しても強い懸念を感じております。
2021年3月期の業績修正の経緯
本件に関する詳細情報は下記の特設サイトをご覧ください。
https://www.aslead.com/Aslead_SVHD_Press_20210622.pdf
以上
本件に関するお問い合わせ先: info@aslead.com
アスリード・キャピタルについて
アスリード・キャピタルは、2019年11月に創業し、シンガポールを拠点に、主として日本国内の上場企業を投資対象とする投資運用会社です。日本の「明日」を「リード」する企業の成長を柔軟な手法で支援し、真の企業価値の顕在化に貢献することによって、より豊かで安寧な社会の創造につなげることを目的として投資活動を行っております。
免責事項
勧誘規制
本プレスリリースは、当社の議決権行使の方針の公表に関して作成されたものであり、SVHDの株主の皆様の議決権行使につき、賛成又は反対の推奨をするものではありません。SVHDの定時株主総会における議決権の行使は、SVHDの定時株主総会の招集通知その他の資料をご確認いただいた上で、株主ご自身の判断でなされるようお願いいたします。本プレスリリースは、有価証券に係る売却の申込みの勧誘、購入申込の勧誘に該当する、又はその一部を構成するものではなく、本プレスリリース(若しくはその一部)の内容又はその配信の事実がいかなる契約の根拠となることもなく、また、契約締結に際してこれらに依拠することはできないものとします。
将来予測
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アスリード・キャピタル ピーティーイー エルティーディー(ASLEAD CAPITAL PTE. LTD.)
2021年6月22日
株式会社スペースバリューホールディングス株主の皆様 及び 関係者各位
アスリード・キャピタル:株式会社スペースバリューホールディングス(証券コード:1448)に対する議決権行使の方針を開示
~第2号議案に関して1名の取締役選任に反対を表明~
Aslead Capital to disclose its voting policy for Annual Shareholders’ Meeting of Space Value Holdings (ticker: 1448)
~Against for appointment of one director~
当社は、2021年6月2日付で株式会社スペースバリューホールディングス(「SVHD」)株式(株券等保有割合:18.80%)に対する投資決定権限及び議決権行使権限を有する者として、変更報告書を提出しました。2021年6月29日に開催予定の第3期定時株主総会に先立ち、当社の議決権行使の方針を事前開示します。
大手資産運用会社やアセット・オーナーの間で、コーポレート・ガバナンスの向上に資するとの判断から株主総会に先立ち自らの議決権行使内容を開示する動きが出てきています(米カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)やニューバーガーバーマンなど)。当社も、投資先企業の企業価値向上に向けた建設的な対話の一環として、当社の投票行動及びその要旨を事前開示することが、他の株主の皆様に対して投票行動検討の一助として頂くという便益があると考えました。また、SVHD経営陣にも当社の意向を明確に理解いただけることを期待しています。
- 第2号議案に関して1名の取締役選任に反対を表明
定時株主総会で提案されている取締役(監査等委員である取締役を除く。)5名の選任議案のうち、鈴木啓介氏(候補者番号2。現常務取締役)の選任について、反対とする議決権行使をすることを決定しました。鈴木氏の選任に反対する理由は次の通りです。
当社は過去1年間において複数回の面談をSVHD経営陣と持ってきました。本年5月下旬には監査等委員である取締役を含め、全ての取締役と個別面談を行い、SVHDがおかれた現状認識、これまでの取り組み、今後の経営方針等についての取締役各自のお考え、そしてそれぞれの役割等についてのお話を伺いました。
理由①:経営管理体制の不備により企業価値を毀損した責任
鈴木氏は2018年10月よりSVHDの取締役管理本部長、2019年4月より常務取締役管理本部長、2019年8月より常務取締役企画管理本部長、2021年4月より常務取締役グループ戦略兼グループ人事管掌を歴任し、コーポレート・ガバナンス改革及びコンプライアンス体制の再構築、新中期計画策定等の取り組みを統括してきました。現在、取締役コーポレート本部長兼グループ戦略担当の菊地潤也氏と取締役管理本部長の水野聡彦氏の両氏にとって、鈴木氏が上司に相当し、鈴木氏に対して業務報告を行い、指示を仰ぐ関係にあります。
SVHDは管理部門を担当する社内取締役が3名もおり、SVHDと同規模の企業と比べると管理担当の取締役が多いものの、SVHDのこれまでの状況を踏まえると、経営管理体制の再構築は残念ながら順調に進んでいるとは評価できません。前社長が辞任し、2019年4月26日に再発防止策を発表してから、すでに2年以上が経過しています。
それにも関わらず、業績は悪化し続け、かつ経営管理体制の不備が理由となる下方修正を続けています。営業利益については、2019年3月は4,176百万円であったのが、2020年3月期には2,483百万円となり、2021年3月期は2020年9月14日の当初予想では2,500百万円の営業利益が、その後2021年3月12日には1,000百万円、2021年5月13日には15百万円と2回下方修正され、最終的には14百万円となる2021年3月期決算を発表しています。主たる原因は再発防止策発表以降、SVHDが進めてきた経営管理体制の再構築が未だ組織内で浸透しきれていないことにあるとの説明を受けており、その最大の責任は鈴木氏にあると当社は判断しております。
業績の最終的な結果責任は代表取締役社長CEOである森岡直樹氏にあるとは考えていますが、主たる業績悪化の原因が経営管理体制の不備ということもあり、鈴木氏の責任がより重いと評価しています。森岡氏は、2005年に日成ビルド工業に入社し、社歴も長く社内の求心力を勘案すると、余人をもって代えがたいと認識していることから、森岡氏の再任には賛成の議決権行使をする予定です。
理由②:経営諮問委員会に対する懸念
SVHDでは、再発防止策の一環として、社長が独裁的に意思決定を行ってしまうリスクを回避するために、取締役会とは別に経営諮問委員会を設置しております。当該経営諮問委員会の委員は3名で構成され、そのうち2名は社外取締役であり、社内取締役からは鈴木氏のみが選任されております(注1)。経営諮問委員会では、実態として鈴木氏が作成した全役員の個別役員報酬など重要議案の叩き台となる素案を検討・承認することとなるなど(そしてこの鈴木氏が作成した素案は取締役会ではシェアされていないと聞いています)、経営諮問委員会の意思決定において、鈴木氏の意向が強く反映される建付けになっていることにも強い懸念を感じております。
注1:他の2名の委員は、社外取締役(監査等委員)の紙野愛健氏(公認会計士・税理士)と樋渡利美氏(弁護士)によって構成されています。
理由③:不透明な会計処理への懸念
SVHDはホテル開発事業の一環として2018年7月に取得した約1200坪の京都市右京区龍安寺の土地に係る会計処理において、2019年3月期に1,887百万円の減損損失を計上し帳簿簿価を473百万円まで落とした後、2020年10月に1,230百万円で売却し、2021年3月期に730百万円の特別利益という多額の利益を計上しております。帳簿価額を473百万円まで落として減損処理を計上した後、短期間の間に大幅な特別利益を計上した会計処理は、業績と株価に大きなインパクトのある事項であり、当社としては、SVHDから投資家に対する説明が不十分であると感じております。
また、2021年5月に発表された2021年3月期における991百万円という総合建設事業における多額な工事損失引当金についても、その内容に関する説明が不十分であることから、対話を重ねて参りましたが、現時点において経営陣からは明確な説明がなされていないことに対しても強い懸念を感じております。
2021年3月期の業績修正の経緯
- 2020年9月14日に、コロナ禍のため発表が遅れていた2021年3月期の業績予想を発表。営業利益2,500百万円予想。2021年3月末まではこの時点で当期は残り半年程度
- 2021年2月12日発表の第3四半期決算で、2020年4月から12月までの累計業績で営業利益34百万円と発表。残り1四半期で通期予想2,500百万円のうち2,466百万円(通期予想の98.64%)の利益を生み出さなくてはならない状況においても通期予想に変更無し
- 2021年3月12日に急遽業績下方修正を発表。営業利益1,000百万円予想
- 理由は、売上高は、主に立体駐車場事業における販売事業、メンテナンス事業及び駐車場運営・管理事業の売上高が総じて当初の想定を下回ったこと。利益面については、上記に伴う売上高の減少に加えて、人員の適正配置に伴う労務費の増加や工事予算外の費用が発生したこと。また、内部管理体制の維持・強化にかかる費用等の計上により販管費の増加が見込まれること
- かかる業績の下方修正は、SVHDが従来より進めてきた経営管理体制の再構築が十分に組織内で浸透できていないことが原因と聞いています
- 2021年5月13日に急遽再度業績下方修正を発表。営業利益15百万円
- 理由は総合建築事業の一部案件で追加工事が発生したため。
- かかる業績の下方修正は、工事費用見積り管理の甘さが原因と聞いています
- 2021年5月14日発表の本決算で、最終的に営業利益14百万円を発表
- 第1号議案(剰余金の処分の件)、第2号議案の鈴木氏以外の取締役選任、第3号議案(補欠の監査等委員である取締役1名選任の件)に賛成を表明
本件に関する詳細情報は下記の特設サイトをご覧ください。
https://www.aslead.com/Aslead_SVHD_Press_20210622.pdf
以上
本件に関するお問い合わせ先: info@aslead.com
アスリード・キャピタルについて
アスリード・キャピタルは、2019年11月に創業し、シンガポールを拠点に、主として日本国内の上場企業を投資対象とする投資運用会社です。日本の「明日」を「リード」する企業の成長を柔軟な手法で支援し、真の企業価値の顕在化に貢献することによって、より豊かで安寧な社会の創造につなげることを目的として投資活動を行っております。
免責事項
勧誘規制
本プレスリリースは、当社の議決権行使の方針の公表に関して作成されたものであり、SVHDの株主の皆様の議決権行使につき、賛成又は反対の推奨をするものではありません。SVHDの定時株主総会における議決権の行使は、SVHDの定時株主総会の招集通知その他の資料をご確認いただいた上で、株主ご自身の判断でなされるようお願いいたします。本プレスリリースは、有価証券に係る売却の申込みの勧誘、購入申込の勧誘に該当する、又はその一部を構成するものではなく、本プレスリリース(若しくはその一部)の内容又はその配信の事実がいかなる契約の根拠となることもなく、また、契約締結に際してこれらに依拠することはできないものとします。
将来予測
本プレスリリースには、将来に関する記述が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果がこれら将来に関する記述と大きく異なることがあります。当社又はその関連者は、かかる将来に関する記述が結果的に正しくなることについて何ら保証することはできません。本プレスリリースの中の将来に関する記述は、本プレスリリースの作成の時点で当社が有する情報を基に作成されたものであり、法令で義務付けられている場合を除き、当社又はその関連者は、将来の事象や状況を反映するためにその記述を更新又は修正する義務を負うものではありません。
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