【緊急調査】小中高生の自殺者数が過去最多を受けて
10代女性の自殺者数増加が顕著、相談内容の分析から見える課題
特定非営利活動法人あなたのいばしょ(東京都千代田区、理事長:根岸督和、以下「あなたのいばしょ」)は、2024年の自殺統計(令和7年1月29日(暫定値)発表 警視庁「令和7年中における自殺の状況」)とあなたのいばしょの相談データ(「あなたのいばしょチャット相談」に寄せられた2024年1月1日〜2024年12月31日の相談)を分析し、以下の調査結果を発表いたします。
◆ 小中高生の自殺者数が過去最多を記録
警察庁の発表によると、2024年の小中高生の自殺者数は527人(前年比14人増)となり、過去最多を記録しました。特に注目すべき点は以下の通りです。
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内訳:小学生15人(前年比2人増)、中学生163人(同10人増)、高校生349人(同2人増)
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男女別:男子239人(前年比20人減)、女子288人(同34人増)
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女子の自殺者数が男子を上回るのは2009年以降初めて

◆ あなたのいばしょの相談データ分析
当法人の相談データからは、以下の傾向が明らかになりました。
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10代女性、特に中高生女子からの相談が顕著に増加
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小中高生全体の相談も増加傾向
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小学生からの相談の増加率(前年比27%増)が中学生(同18%増)を上回る
相談内容の傾向(小中高生全体)
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学校関連(30.5%)(前年比42%増)
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親族関係(9.2%)(同57%増)
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虐待・暴力(7.9%)(同85%増)
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生活・経済的問題(1.4%)(同60%増)

◆ 考察
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10代女性、特に中高生女子の自殺リスクが高まっている可能性があり、早急な対策が必要である。
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小学生からの相談増加は、低年齢化する相談者への対応の重要性を示唆している。
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小中高生の相談内容から、学校や家庭環境の改善、経済的支援の必要性が浮き彫りになっている。
あなたのいばしょは、こどもに向けて「あなたのいばしょチャット相談」につながる二次元コードが掲載されたクリアファイルの配布や、学校でこどもや教員に向けて独自で開発した孤独予防教育プログラムを実施するなど、様々な取り組みを行ってまいりました。
今回の調査により、本取り組みをさらに広げることが重要であると考えています。サポートいただける自治体・団体・企業の方からのご連絡をお待ちしております。
あなたのいばしょはこれらの調査結果を踏まえ、関係機関と連携しながら「望まない孤独のない社会の実現」と「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を目指します。
■あなたのいばしょチャット相談について
「あなたのいばしょチャット相談」は、特定非営利活動法人あなたのいばしょが運営する、24時間365日、年齢や性別を問わず誰でも無料・匿名で利用できるチャット相談窓口で、厚生労働省自殺防止対策事業補助事業、厚生労働省支援情報検索サイト登録事業となっています。
あなたのいばしょチャット相談では、相談員の研修から実際の相談対応までを全てオンラインで実施することにより、スキマ時間を活用してボランティア相談員として活動できる環境を整備しました。これにより、相談窓口で最も深刻な課題とされていた相談員不足という問題を解消したほか、相談が最も増える日本時間の夜22時から朝方にかけては海外在住の日本人相談員ボランティアが時差を活用した相談対応にあたることにより、全国規模で相談を受け付ける相談窓口としては初めてかつ唯一24時間365日対応の相談窓口として機能しています。
■あなたのいばしょについて
2020年設立。本部は東京都千代田区。24時間365日年齢や性別を問わずだれでも無料・匿名で相談できるチャット相談窓口「あなたのいばしょチャット相談」(厚生労働省自殺防止対策事業)を運営。世界32カ国に約1,000名の相談員を抱え、1日最大で約3,000件の相談に応じる国内最大規模のチャット相談窓口。孤独対策を日本で初めて提唱し、大臣設置や推進法成立に寄与。孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム幹事団体。2022年、Forbes JAPAN「すぐれた非営利団体30選」。
■本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人あなたのいばしょ 広報担当(鈴木)
pr@ibashochat.org
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