麹甘酒による便通改善効果は 麹菌によるものであることが分かりました
日本の伝統発酵食品・麹甘酒の健康機能への関与成分が初めて明らかに
八海醸造株式会社(代表取締役:南雲二郎、新潟県南魚沼市)は、麹甘酒の飲用による便通改善効果が、麹甘酒に含まれる麹菌体、つまり「麹菌」そのものによってもたらされることを、ヒト臨床試験によりこのほど明らかにしました。この内容は9月21日にオープンアクセス学術誌「Journal of Fungi」(本部:バーゼル(スイス))の麹菌特集号“Aspergillus oryzae and related Koji molds”に、論文「Intake of Koji Amazake Improves Defecation Frequency in Health Adults(麹甘酒の飲用は健常成人の便通を改善させる)J.Fungi 2021,7,782」として掲載されました。これは麹甘酒の健康機能と関与成分との関係を示した初めての論文となります。また、この内容について今月開かれた第73回生物工学会大会(オンライン開催:10/27-29)でも口頭で発表いたしました。
弊社では、これまでも麹甘酒に含まれる成分の分析や、過剰摂取・長期摂取試験での安全性の評価、抗疲労や便通改善効果などの機能性の評価を進めてきました。特に、便通改善については、その明らかな効果を既に報告していましたが、その時点では関与成分の同定には至っておらず、今回実施したヒト臨床試験においてその解析を進め同定に至ったものです。
今回の研究は、便通頻度が1週間に2~5日の健常成人を22人ずつ無作為に2群に分け、弊社製品「麹だけでつくったあまさけ」(118g)と「プラセボ飲料」(118g)を、それぞれどちらを飲用しているか分からない状態で毎日3週間飲み続けてもらいました。麹甘酒とプラセボ飲料の大きな違いは、麹の成分や麹菌が含まれているかいないか、というものです。その後、どちらも飲用しない観察期間を2週間設けた「無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験」を行いました(図1)。その結果、図2に示すように飲用期間中の1週目~3週目から観察期間中の4週目までにおいて、プラセボ飲料と比較して麹甘酒を引用したグループで0週を基準として1週間あたりの排便日数および排便回数が優位に改善したことが分かりました。
また、これまで多くの研究で便通改善と腸内細菌叢との関係が報告されているため、本研究では腸内細菌叢の経時的な変化も追跡いたしました。その結果、図3に示すように、麹甘酒を飲用したグループではプラセボを飲用したグループと比較し、飲用3週間後においてブラウティア属※1が減少し、バクテロイデス属※2が増加しました。私どもは、このような麹甘酒飲用時の菌叢の変化が便通改善に寄与したと考えています。
さらに、何がこうした菌叢変化をもたらすのかを考察するため、私たちは他の食品による便通改善に関する報告とこれまでの弊社の研究成果から、麹甘酒に含まれるオリゴ糖、グルコシルセラミド、麹菌という3つの候補成分に絞り込んで検討を重ねました。その結果、プラセボ飲料には含まれず、麹甘酒のみに含まれている麹菌そのものが、便通改善の機能性関与成分であると結論づけました。今回の研究に使用した「麹だけでつくったあまさけ」には118gあたり約300㎎の麹菌が含まれています。
なお、本研究成果が掲載された「Journal of Fungi」には、弊社が執筆した、世界初となる甘酒についての総説論文※3「Ingredients, Functionality, and Safety of the Japanese Traditional Sweet Drink Amazake(日本の伝統的甘味飲料甘酒の成分・機能性・安全性)J. Fungi 2021, 7, 469.」も掲載されています。弊社では、麹甘酒のリーディングカンパニーとして、更に麹甘酒研究を深化させていくことはもちろん、このような総説論文や解説記事などを通じて、これからも国内だけでなく海外に向けても麹甘酒の魅力と実力をお知らせしてまいります。
※1ブラウティア属はグラム陽性菌で、一般的にヒト腸内細菌叢に存在している菌
※2バクテロイデス属はグラム陰性菌で、オリゴ糖を資化する能力が報告されています
※3特定分野の先行研究を集めて体系的にまとめたもの。研究の最新動向や展望を示す論文。
八海醸造では、
この研究内容や麹甘酒の生活への手軽な取り入れ方を紹介する無料ウェビナーを実施いたします。
【日本の伝統甘味飲料「麹甘酒」の魅力に迫る!八海山特別ウェビナー】
開催日程:2021年12月18日(土)10:00-11:00
内 容:麹甘酒の魅力とは 麹甘酒の成分、機能性、安全性と、日常への取り入れ方
(日本語のみ)
講師:八海醸造株式会社 取締役製造部長 兼 研究開発室室長 倉橋敦
講師:日本発酵文化協会 上席講師 藤本倫子
参 加 料:無料
申込方法:以下URLよりお申し込みください。当日のウェビナー参加リンクをお送りします
https://forms.gle/1Z2jBvMmbnQLfSfd6
申込開始:2021年10月29日(金)11:00~
申込締切:2021年12月17日(金)23:59
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