東南アジア デジタルマイクロファイナンスのビー・インフォマティカ、シードラウンドで7.1千万円の資金調達
デジタルライセンス取得でマレーシア全国展開。創業以来の累計調達額は、約1.1億円に
「すべてのスモールビジネスがフェアに評価され金融にアクセスできる世界を作る」をミッションに、マレーシアの小規模事業者向けデジタル少額金融ソリューション「Funding Bee」を展開するビー・インフォマティカ株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役:稲田 史子)は、この度、シードラウンドを実施し、第三者割当増資により、総額7,100万円の資金調達を実施いたしました。引受先は、リードVCのデライト・ベンチャーズをはじめ、CVC・エンジェル投資家として株式会社フォーデジット、株式会社Luatsu、株式会社エージェントほか10先になります。ビー・インフォマティカの創業以来の資金調達累計額は、約1.1億円となりました。
◆資金調達の目的・背景
具体的な資金調達の使用使途は、東南アジアのマレーシアにおけるカフェ飲食業や小売などのスモールビジネス向け少額融資事業の拡大やデジタルライセンス取得のための開発費用、有担保(車両)ローンスキーム創生と実行のほか、今後進出していきたい東南アジア諸国の市場調査を行っていきます。そのほか、組織拡大に伴う新規採用を予定しております。
◆ビー・インフォマティカの描く未来
現在事業展開をしているマレーシアをはじめ東南アジアでは、スモールビジネスが仕入れや事業展開などの事業性資金を必要とするタイミングで、商業銀行や資金の貸し手と借り手をデジタルプラットフォームで結び付けるピアツーピア(P2P)レンディングから、信用スコアや担保不足のため、資金を借りられないことが課題となっています。統計からは約8割のスモールビジネスが金融機関からの事業性融資にアクセスできていないという実態が伺えます。当社では、こうした銀行融資までのギャップを埋めるため、独自の信用スコアリングを用いた「マイクロファイナンス事業」を行っております。当社の要件は、銀行残高証明書に記載される6ヶ月分のキャッシュフロー記録やSNSのPV数、そして、自社で開発した「サイコメトリックテスト」で返済意思や能力を判断します。こうしてスモールビジネスが現在持ち合わせるデータを使って信用スコアを作成することで、金融アクセスへの壁ゼロを目指します。
◆引受先一覧
<リードVC>
・デライト・ベンチャーズ
<CVC・エンジェル投資家>
・株式会社フォーデジット
・株式会社Luatsu
・株式会社エージェント
・株式会社AGENT SUCCESS
・エバーグリーン株式会社
・荻原国啓氏
・今井勇樹氏
・牛丸敦詞氏
・坂本和樹氏
他4名
◆引受先からのコメント
「今回ビー·インフォマティカに出資させていただくことになりました。多くの新興国と同様に、東南アジアでもスマホ普及·支払いのデジタル化が非常に早いスピードで進んでいる割に、ビジネスに必要な金融へのアクセスが限られています。その結果この領域は、世界中で優良なフィンテックスタートアップを生み出してきています。稲田さんのように金融ビジネス経験と国際感覚、そして高いバイタリティを持つ日本の起業家が、急成長する東南アジアのフィンテックに取り組む機会に、関わることができて大変光栄です。この出資を通じて、私たちは稲田さんとビー·インフォマティカが、東南アジアの様々なアントレプレナーや中小事業者に新たな金融の機会を提供し、経済の活性化に貢献することを強く信じています。」
「ビー·インフォマティカ社は、現在マレーシアでデジタルマイクロファイナンス事業に取り組んでいます。中小事業者にとって商業銀行からの融資は依然として難易度が高く、SME向けのマイクロファイナンスには大きな需要があります。2022年よりマレーシアではデジタルライセンスが発行され、すべての手続きがオンラインで完結できるようになっています。当社は条件付きライセンスを取得済みで、今後本ライセンスの取得を通じてマレーシア全土での事業展開を目指します。今回の投資を通じて、更なる成長を遂げ、より多くの人々に新たな金融機会を提供できることを期待しています。稲田さんのビジョンと使命に共感し、パートナーとして支援できることを嬉しく思います。」
「フォーデジットはデジタルデザインカンパニーとして、東南アジア圏に展開し2023年にはマレーシアブランチを設立しています。さらにインドネシアにおいてもビジネス展開を検討しています。その中で、マイクロファイナンス事業を行うビーインフォマティカさまに出会い、この素晴らしいチャレンジに出資させていただくことになりました。ビジネスチャンスはもちろんですが競争も激しい市場ですので、資金だけでなくAPACでのデジタルデザインのプロフェッショナルとしてサポートさせていただくことで、成長の一助になればと思っております。」
「私は東南アジア(ベトナム)で10年間日系企業向けの法務サポートやコンサルティングを行っており、現地マーケットの増加(人口増加と個人あたりの経済成長)を肌で感じています。毎年成長するマーケットにおいて購買意欲も高く、預金よりも消費し、今年は去年よりも稼ぐ、というマインドの人々が多くいます。そのような状況では、マイクロファイナンスは非常に重要なインフラであり、各国で成長している分野となります。今回、金融ということもあり各国で参入条件が厳しく、外資規制も多い分野にもかかわらず、マレーシアで既に実績を積んでおり、多くのユーザーにアプローチできているBee Infomaticaの活動を知り、とても魅力的で成長可能性の大きいビジネスと考え、すぐに投資を決めました。稲田さんの強いリーダーシップのもと東南アジアでのインフラとして大きく成長できると期待しています!」
「ノーベル平和賞を受賞したムハマド·ユヌス氏のように、アジアにおけるマイクロファイナンス領域で挑戦する起業家が日本から誕生したことを非常に誇りに思います。ビー·インフォマティカ社が行う、与信のない女性や若者に挑戦の機会を提供し、スモールビジネスを創出する取り組みは、私たちが目指す『みんなが笑顔になれる社会』の実現を力強く後押しするものであり、アジア全体の発展に大きく貢献するものと確信しております。また、その活動を通じて信用スコアリングの確立を目指す野心的な挑戦が、日本の金融業界にも大きな影響を与えることを期待しています。今回、出資という形で参画できることを大変光栄に思うと同時に、今後もビー·インフォマティカ社の発展を微力ながらサポートして参りたいと思います。」
◆代表取締役 稲田 史子からのメッセージ
「今回は、シードラウンドでデライト・ベンチャーズをはじめ、フォーデジット、Luatsu、エージェント、他11先の投資家を迎えることができ、とても光栄に思っています。デライト・ベンチャーズの担当西田さんは、この新興国でのマイクロファイナンス事業がどうしたら継続的にスケールできるかについて、粘り強くやり取り頂き、テーマに強く共感してくださっているのを感じました。デライトのような、グローバルイシューに強く、投資家にフェアな投資条件を提供する先進的なVCとご一緒できることを心から楽しみにしています。また、13名のCVC&エンジェル投資家は、東南アジア、スタートアップ経営、金融包摂にゆかりのある方が揃い、投資面談でも実用的アドバイスや情報交換を数多く頂けたのが新鮮でした。この頼もしい投資家の皆様と、事業を次のフェーズに引き上げていくこと、デジタルライセンス取得により多くのスモールビジネスに金融サービスを届けることをとても楽しみにしています。」
◆ビー・インフォマティカ株式会社について
社名:ビー・インフォマティカ株式会社
代表取締役: 稲田史子
所在地:東京都墨田区京島1-6-6–603
設立:2020年11月
事業内容:マイクロファイナンス・代替信用スコアリングモデル
ミッション:すべてのスモールビジネスがフェアに評価され、金融にアクセスできる世界を
URL:https://jp.bee-informatica.com/
◆会社名「ビー・インフォマティカ」に込められた想い
蜂(ビー)のようにコツコツ働いて多くの富を作り出すスモールビジネスを、金融面から応援していきたい想いと、彼らの普段の事業活動や資金取引履歴、行動パターンをデータ化して、新しい信用を作り出し、フェアに信用判断する金融機関になりたいという2つの思いが込められています。
◆経営陣プロフィールについて
ビー・インフォマティカ株式会社 代表取締役CEO: 稲田史子プロフィール
慶応大商学部卒。2003年日本銀行に入行。12年から2年間、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)に留学し、「地域経済開発学」修士号取得。ソーシャルビジネスとマイクロファイナンス(小口融資)を学ぶ。その後、バングラデシュのマイクロファイナンス機関BRACで就業後、同地日系財団および日系IT企業で携わったフィンテック(ITを活用した金融サービス)に可能性を見いだし、19年、女性起業家向けのマイクロファイナンスを手掛ける「BEEインフォマティカ」をマレーシアで設立。翌年20年に日本法人を設立。今年7月までに地場90社への少額融資を実行した。APTWomen第8期卒。東京金融賞2022金融イノベーション部門第3位受賞。
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