卒業生2名が起業構想を発表、海洋3D 卒業生支援 プログラム 発足
5年で 育った 約50名 の 卒業生 の 挑戦 を 資金・技術・企業ネットワーク の 3本柱 で 伴走
一般社団法人日本3D教育協会は2026年6月27日 (土)、東京ポートシティ竹芝で開催した「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」5期生 研究発表会において、卒業生 (アルムナイ) の挑戦を本気で支える新プログラム「海洋3Dアルムナイチャレンジプログラム」を発表しました。
中学生を対象に始まった本プロジェクトは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として2021年に開始し、5期目となる今年までに約50名の卒業生を輩出。それぞれ独自の3D技術と海洋知識を活かして、進学・進路・研究・事業構想などの新たな挑戦を始めています。「海洋3Dアルムナイチャレンジプログラム」は、こうした卒業生の挑戦を単なる応援に留めず、資金・技術・企業ネットワークの3つの柱で本気で伴走する新しい支援スキームです。
当日は、本プログラムの第一弾チャレンジャーとして3期卒業生2名 (渡邉 翔・永井 健太) が、それぞれの起業構想プレゼンを行いました。

公式サイト: https://kaiyo-3d.y-artfactory.jp/
■ プログラム概要
プログラム名: 海洋3Dアルムナイチャレンジプログラム
発表日: 2026年6月27日 (土)
発表場所: 東京ポートシティ竹芝 (5期研究発表会 会場内)
主催: 一般社団法人日本3D教育協会
共催: 日本財団「海と日本プロジェクト」
対象: 「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」の全卒業生 (2021年開始・現在まで約50名)
支援分野: (1) 資金 (2) 3D技術・データ・人的ネットワーク (3) 協賛企業・大学研究機関ネットワーク
第一弾チャレンジャー: 3期卒業生 渡邉 翔・永井 健太 (共に高校生)
■ 「海洋3Dアルムナイチャレンジプログラム」3つの柱
本プログラムは、「先生と生徒」という関係から、卒業生と一緒に 「3D業界・海洋業界を盛り上げる仲間」 というフラットな関係へと発展させていくことを目的として設計されました。以下の3つの柱で、卒業後の挑戦を本気で伴走します。
1. 資金 (出資・経営伴走支援)
起業や事業化を目指す卒業生に対し、単なる助成ではなく 出資や経営的な伴走支援 を提供します。事業構想の壁打ち相手から、実際の立ち上げフェーズにおける経営レベルの相談まで、大人が並走する体制を整えます。
2. 3D技術・スキャン環境・データ・人的ネットワーク
5年間積み上げてきた CT撮影 + ZBrush + フルカラー3Dプリント のワークフロー、独自の3Dスキャン環境、蓄積された研究データ、そして各分野の専門家ネットワーク を、卒業生が卒業後も継続活用できるように再設計します。「1年間だけの体験」ではなく「一生使える資産」として提供します。
3. 協賛企業・大学研究機関ネットワーク
5期時点で協賛いただいている14社の企業、および黒潮生物研究所・ほか多数の研究機関との連携を、卒業生の挑戦にも開放します。設備・技術指導・人脈の継続提供により、卒業後も挑戦しやすい環境を整備します。
■ プログラム発足の背景 ― 卒業生からの相談から生まれた
本プログラムは、卒業生から「先生こういうことを考えているんですけど、何かいい方法ないですかね」と相談を受けたことがきっかけで生まれました。
3D主任講師の吉本 大輝 (一般社団法人日本3D教育協会 代表理事) は、当日の発表で以下のように語りました。
「卒業した後の子たちが、それぞれ大人たちに交わって新しい挑戦を続けていく中で、『先生ちょっと相談があるんですけど』という連絡が増えてきました。せっかく5年間磨いた3D技術と海洋の知識を、卒業と同時に途切れさせるのはもったいない。彼らが本気で挑戦するなら、こちらも本気で伴走する仕組みが必要だと思いました。」
■ 第一弾チャレンジャー ― 3期卒業生2名が起業構想を発表
「海洋3Dアルムナイチャレンジプログラム」の第一弾チャレンジャーとして、3期卒業生2名がそれぞれの起業構想を発表しました。両名とも高校生 (17歳) ながら、社会実装まで見据えた事業構想を練り上げていることが特徴です。
◆ 渡邉 翔 (3期卒業生・愛知県立半田高等学校2年) ― 3Dプリント可動式骨格標本事業 (仮)

研究生時代の研究対象は深海ザメ「ミツクリザメ」。軟骨魚類のCTスキャンが困難という難点を、解剖図から構造を復元して可動式骨格標本を制作する ことで克服した経験を持ちます。この経験を土台に、「動かして実際の動きを見ることができる骨格標本」を軸とした事業構想を発表しました。
事業の動機と目的:
「日本は海洋国家でありながら海の教育を受ける機会は極めて限定的です。学校で『海の授業』を受けたことがあるかと会場に挙手を求めたところ、地理的な面 (排他的経済水域) では習うが、海を単体としては習わないという実態が浮かびました。この現状に対して、まず手に届くところから海への関心を作ることが必要だと考えました。」
3つの収益の柱 (いずれも SNS を活用して認知を広げる):
物販事業 ― EC販売 (BASE / Etsy)・受注生産・カプセルトイ
教育・ワークショップ ― 出張授業・オンライン講座・体験イベント
法人・大型案件 ― 博物館・水族館・研究機関向けカスタム制作
差別化ポイント: (1) 可動式構造による圧倒的な視覚化、(2) 3Dプリント技術がもたらす高いカスタマイズ性と安定供給。金属プリントで衝撃耐性を確保しつつ、一般家庭向けはプラスチック素材で安価に代替する二段構えの供給戦略を提示しました。
将来の夢: 民間の研究機関の創設。「自分で資金を稼いで、自由度の高い研究を目指すこと」 を人生の最終目標として掲げ、可動式骨格標本事業をその第一歩として位置づけています。
近況: 現在、日本財団「マリンチャレンジプログラム」で 深海魚キホウボウの形状による耐圧構造の解明 に取り組んでおり、7月に神奈川で加圧水槽実験を実施。事業構想と並行して、研究者としての活動も本格化しています。
◆ 永井 健太 (3期卒業生・聖学院中学校・高等学校Ⅲ年) ― 3Dプリンター教育事業構想

研究生時代の研究対象は「ウミガメの卵」。中学1年生から取り組んできた 「3Dプリンターの魅力を多くの人に知ってもらうには?」 という6年越しの問いを軸に、教育サービス型の事業構想を発表しました。
6年間の実績 (中学1年生 → 高校3年生):
@clubファブラボ 立ち上げ (中3・現在45名参加) ― 校内3Dコミュニティを毎週木曜「もくもく会」として定期化
「金魚の隠れ家」等のワークショップ発の作品事例 ― 「作って気づいて作り直す」学びのサイクルを実装
USBコードリール教材 ― 日本図学会 第一回高校生デジタルモデリングコンテスト 審査委員長賞 受賞
4DFF 2025 学会での高校生初口頭発表 ― 大会実行委員長賞受賞
マイプロジェクトアワード 地域summit特別賞・全国ロールモデル賞 (supported by しんくみ・トヨタ自動車) 受賞
6年間累計 250名 のワークショップ体験提供
東京新聞 および Web媒体「Teen's Snapshots」 での取材掲載
社会課題認識 (経産省・厚労省・文科省「ものづくり白書」2025年度版より):
全産業に占める製造業の就業者割合が低下傾向 (2023年 15.6%→2024年 15.4%)
ものづくり企業の約6割がDX導入時の人材確保を社内既存人材で賄っており、約2.5割は新たな人材確保を行わない → デジタル人材育成の早期対応が必要
指導する人材の不足も同時に発生
現場の実情 ― 「文鎮化」問題:
DXハイスクール補助金の影響で全国の高等学校1,191校に3Dプリンター導入が進みつつある一方、現場では 「誰も使い方が分からない」「生徒の目にも触れない」「説明書がない・説明書通りにやっても動かない」 といった 「文鎮化」 が発生。導入したのに使われていないという実態が浮き彫りになっています。
事業構想:
DX教員育成パッケージの設計 ― 教員が3Dプリンターを使いこなせるようになるための実践的研修プログラム
新教材の開発 / 公開 / オープンソース化 (例: AI×3D、課題解決型ワークショップ)
3Dモデリング オンライン塾の開講 ― 習い事化することで「日常」に3D技術を溶け込ませる
顧客対象は 小中高生 + 教員 の両側。教員側の育成と、生徒側の日常化を同時に進めるアプローチです。
プロジェクトへの期待: 本事業を発展させることで、海の研究データを3Dで扱える人材も継続的に輩出できる ようになると永井さんは語ります。海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトと共に事業を進めていきたいと表明しました。
メッセージ (発表の締めより):
「ゼロを1にする機会の提供こそが、新たなワクワクを生み出します。この海洋3Dプロジェクトも、皆様が機会を提供してくださっているからこそで、僕もワクワクして取り組んでいました。そのワクワクを感じた若手一人一人が、将来の日本のものづくりを担い、新しい社会を作る力になっていくと、私は固く信じています。」
■ 協賛企業からのエール ― 「高校生の段階から社会実装まで見据えて挑戦している姿勢」
卒業生2名のプレゼンを受け、当日ご参加いただいた協賛企業を代表して2社よりコメントを頂戴しました。
◆ 株式会社エヌエスエス / エキスパートマテリアルラボラトリーズ株式会社 代表取締役CEO 野田 裕介 様

「渡邉さんと永井さんのお話、根底にあるのは 『3Dを広めていきたい』 というところで、まさに私どもが抱えている課題と重なります。特に永井さんが提示された 『文鎮化』 の話は、製造業のものづくり中小企業でも同じことが起きています。渡邉さんの可動式骨格標本、永井さんの3D教育事業、いずれも社会に本当に必要なもの。ぜひ3Dの会社みんなが一緒になって応援させていただきたい。」
◆ さくらインターネット株式会社 営業本部 第二営業部 増田 崇志 様

「お二人の熱量の高いプレゼン、ありがとうございました。世の中が変わっていくというのは、お二人のような思いがきっかけになって、それが広がっていくことで変わっていく のかなと思っています。事業にしていくということは研究とは少し違い、大事なのは 『初心を忘れずやり続けていくこと』 と 『コミュニティ』。一人でできることはあまりありませんので、仲間・同僚・先生の力を借りて、自分のやりたいことを実現していってください。」
■ 主任講師コメント
◆ 3D主任講師: 吉本 大輝 (一般社団法人日本3D教育協会 代表理事)
「渡邉と永井の起業構想プレゼンは、卒業生の側から『3Dで社会をこう変えたい』という具体的な絵が出てきた最初の事例です。5年間積み上げてきた3D技術と海洋知識が、単なる学びに留まらず、社会実装のフェーズに入り始めています。海洋3Dアルムナイチャレンジプログラムでは、こうした挑戦を『先生と生徒』ではなく『一緒に3D業界を盛り上げる仲間』としてフラットに伴走していきます。」
■ 5年間の歩みと、次の一歩
本プロジェクトは2021年に開始し、5期目となる今年で 累計約50名 の卒業生を輩出しました。研究生時代のCT撮影+3D化のワークフローで培った経験を土台に、卒業後もそれぞれの進路で3D技術と海洋研究を継続する卒業生が現れています。
海洋3Dアルムナイチャレンジプログラム は、この5年間の蓄積を「次の5年」に接続する新たな仕組みとして、卒業生の挑戦を本気で伴走していきます。第二弾以降のチャレンジャー、および支援に加わる協賛パートナーは随時募集中です。
同日開催した5期研究発表会 (研究生10名) の詳細は 別リリース「中学生10名が3D・AIで海洋生物を研究、5期研究発表会を実施」 (同日 同時配信) をご覧ください。
<団体概要>
団体名称: 一般社団法人日本3D教育協会
活動内容: 3D教育・3D研究
公式サイト: https://kaiyo-3d.y-artfactory.jp/
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
