木質バイオマス発電所のオペレーションの革新!大規模言語モデル(LLM)を活用した運転保安支援システム導入のお知らせ
導入によりトラブル情報の検索時間が最大125分短縮!木質バイオマス発電所の運営効率を向上させる運転保安支援システムがサービスイン!
このたび、バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社(以下、「BPT」という。)は、経済産業省「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」を活用し、株式会社BM エコモ(以下、「BM エコモ」という。)と共同製作したバイオマス発電所運転支援システム「BMecomo」に蓄積されたデータを、大規模言語モデル(LLM)で利活用する保安支援機能「BM‒GPT」を構築・サービスインしましたことをお知らせいたします。
1. 導入に至る背景とシステムの概要
木質バイオマス発電は、化石資源を燃料とする火力発電と比較し、燃料の性状(含水率や形状)が都度
異なるため、設備(特に、燃料搬送の系統、燃焼の平準化)の負担が大きく、これにより年間5 件程度の発電停止を伴う突発故障が発生していました。安定した稼働を継続させるためには、この突発的な故障を未然に防ぐことに加えて、発生したとしても影響を極力小さくする(発電停止時間を短くする)ことが大きな課題となっていました。
この課題を克服するためには、運転員の技能や知識を向上させることで故障を防ぐことに加えて、突発的故障発生時に関連情報を素早く探し出すことにより、故障からの復旧を短時間で行うことが必要となります。
本機能は、「BMecomo」に蓄積したデータや過去のトラブルシューティングと大規模言語モデル(LLM)を組み合わせることで、上記の課題克服を支援する次のようなシステム構成・実施プロセスとなっています。
2. 保安支援機能「BM‒GPT」の概要
LLM を組み込んだ保安支援機能「BM‒GPT」は以下の各機能から構成されています。
Ⅰ.各プロセス値の検索機能
既存のBMecomo システムのデータベースに蓄積されているプロセス値データを、LLM を使って検索 する機能
Ⅱ.保全記録検索機能
社内サーバー中に保管されているPDF 形式の保全記録を、LLM を使って検索する機能
Ⅲ.ユーザーインターフェイス(UI)開発
上記検索を行うためのUI としてのチャットボット開発
3. 保安支援機能「BM‒GPT」の導入効果
本機能の導入により、当社木質バイオマス発電所におけるトラブルの早期復旧、発電停止時間の最小化への一助となります。具体的には、トラブル発生時の情報検索時間として、導入前後で最大125 分/件の短縮効果が実証されています。また、削減が難しい属人的な作業・対応についても、本機能を活用することで情報共有がスムーズになり、運転員のスキルアップと技能の平準化により、年間72 時間相当の作業時間の短縮が想定されています。将来的には、随時開発中の各種予測モデルと本機能を組み合わせることで、チャットボットによる設備の点検時期のお知らせや、運転操作のアドバイスなど、より一層の支援機能実現が可能となり、データドリブンな発電所運営という、更なる運転意識の向上と現場オペレーションの革新という定性的効果が期待されます。
4.バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社の概要
※木質バイオマス発電所運転支援システム「BMecomo」について
「BMecomo」とは、ビッグデータ解析やAI・IoT 等の最新テクノロジーを活用し、バイオマス発電
所の運転管理・設備管理・事業管理の支援を目的とした運転支援システムです。最新のテクノロ
ジーの活用と徹底的な「見える化」により、バイオマス発電所の収益最大化を目指してまいります。
「BMecomo」サービス紹介ページ:https://bmecomo.com/
<問合せ先>
バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社
経営管理部 広報担当
TEL:0598‒67‒2561
MAIL:bpt‒shared@bpt.co.jp
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