「18歳未満にも選挙で応援する自由を!」訴訟 提訴のお知らせ
https://ledge.or.jp/
日本初(※1)の公共訴訟支援に特化した専門家団体「LEDGE(レッジ)」所属の弁護士・リサーチャー・キャンペーナーが参画する「18歳未満にも選挙で応援する自由を!」訴訟が2025年2月28日に東京地裁に提訴されましたのでお知らせします。
※1 日本国内における「公共訴訟支援に特化した専門家団体」として、2023年7月に弁護士による見解など自社調査した結果
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訴訟の概要
選挙期間中に、特定の候補者の当選を目的として行う活動を「選挙運動」といいます。現在の公職選挙法は、未成年者によるこの選挙運動を全面禁止しています。もし未成年者が選挙運動をした場合には、刑罰が科されてしまうのです。
本訴訟は、高校生4名が原告として立ち上がり、現在のルールは自発的に選挙で応援したいと願う18歳未満のユースの“政治的表現の自由”を侵害するものだとして、その撤廃を求めるものです。
1. 裁判所・被告・提訴日
裁判所:東京地方裁判所
被告:国
提訴日:2025年2月28日
2. 訴訟を提起した原告(4名)
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・竹島一心(17歳)
関西在住。ラッパー。中学時代、「ツーブロック禁止」など理不尽な校則の見直しに取り組み、居住地の青年事業「Up to You!」で中高生300人を対象に校則に関する調査を実施。これにより、校則見直しに向けた市のガイドライン策定を実現。昨年の選挙ではある候補者の応援を試みたが、未成年の選挙運動禁止規定により断念。その悔しさを込めて制作した曲「tohyoken」を公開。
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・宮田香乃(18歳)
愛知県在住。2023年の統一地方選挙で知人が長久手市議会選に立候補し、手伝いを試みた際に行動を制限され、未成年が選挙運動に関われないことを初めて知る。2024年の東京都知事選でボランティアに加わろうとした際、未成年であることを理由に再び断られる。未成年の選挙活動の禁止によって若者から選挙や政治が遠ざけられているという現状を変えたいと考え原告となることを決意。
[メディア掲載] 日テレNEWS2024年8月3日「立候補に”年齢の壁”若い世代も政治参加を・・・立ち上がった高校生を取材」
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・角谷樹環(18歳)
北海道在住。幕別町の自然豊かな環境で生まれ育つ。グレタ・トゥーンべリのスピーチを聞き「今すぐに動かなければならない」と考え、気候変動問題に取り組むことを決意。中学三年時にFridays For Future Japanに参加。石炭火力発電事業に対する反対運動やG7環境大臣会合でのハンガーストライキなどに尽力する。選挙運動禁止規定は、未成年者が「主体的に政治に関わる存在」として認められていないことの現われであり、制裁により権利が奪われている現状に強い問題意識を持つ。
[メディア掲載] 東京新聞2024年5月31日「『高校生に受け答えできるの?』と議員が心配 17歳の国会発言は幻に終わった『大人側の認識不足』影響か」
・匿名希望(16歳)
3. 請求の趣旨の概要
①地位確認請求
⑴18歳未満の原告らが、刑罰及び公民権停止を課されることなく自ら選挙運動をすることができる地位の確認
⑵18歳未満の原告らが、自らを選挙運動において使用した者が刑罰及び公民権停止を課されることなく選挙運動をすることができる地位の確認
②違法確認請求
⑴被告が、未成年者に対する刑罰及び公民権停止処分をもって選挙運動を禁止することは違法であることの確認
⑵被告が、未成年者を使用した者に対する刑罰及び公民権停止処分をもって選挙運動を禁止することは違法であることの確認
③国家賠償請求
4. 請求の法的根拠
①政治的表現の自由(憲法21条1項)を侵害し違憲無効
憲法21条1項が保障する表現の自由は、個人の人格的形成にとって重要な権利であるとともに、特に国民が政治に参加するために不可欠な権利です。今回問題となっている「選挙運動の自由」は、政治的な表現の自由の一つであり、民主主義社会の基礎となる重要な基本的人権です。
現在の公職選挙法は、未成年者による選挙運動を刑事罰により全面禁止し、未成年者の「選挙運動の自由」という極めて重要な権利を奪っています。
②侵害原理及び罪刑の均衡(憲法31条)に違反し違憲無効
法律は、その法律が保護するべき人を、同時に刑罰の対象とすることはできません。それは「他人を害さない限り罰されない」という原則(侵害原理)があるからです。未成年者の保護を目的としながら、選挙運動をした未成年者に罰則を与える決まりは、この侵害原理に反しています。
例えば未成年の飲酒防止に関する法律は、監督者やお酒の販売者に罰則はあっても、保護対象である未成年に罰則はありません。保護対象とする未成年者の行為までを罰する法令は、公職選挙法以外に見当たりません。
さらに、未成年者に対して「1年以下の禁錮」「30万円以下の罰金」「5年間の公民権停止」といった重い罰を科すことや、選挙という国民主権の大切な場面で、刑罰によって未成年者の表現を全面的に禁止することは行き過ぎた規制だと言えます。
これは、憲法31条が定める、罪とそれに対する罰則はバランスが取れていなければならない、という罪刑均衡の原則に反しています。
5. 弁護団
太田こもも(大江・田中・大宅法律事務所)
多田晋作(山越総合法律事務所)
戸田善恭(法律事務所LEDGE)
井桁大介(宮村・井桁法律事務所・一般社団法人LEDGE事務局長)
谷口太規(弁護士法人東京パブリック法律事務所・一般社団法人LEDGE理事)
亀石倫子(法律事務所エクラうめだ・一般社団法人LEDGE代表理事)
【報道のお願い】
本件につき、広く報道をお願いします。原告3人(竹島一心氏、宮田香乃氏、角谷樹環氏)は取材対応が可能です。お問い合わせください。
【CALL4にて裁判費用のクラウドファンディング実施中!】
本訴訟は、認定NPO法人CALL4のサポートを受け、CALL4ウェブサイトに掲載し、訴訟費用のクラウドファンディング等を実施しています。
訴状その他の訴訟資料や期日情報等も同ウェブサイトに随時掲載予定ですのでご参照ください。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000151
【LEDGE(レッジ)について】
公共訴訟を中心としたソーシャルチェンジを促進するための専門家集団です。公共訴訟に必要なリソースを社会から集めて、より充実した効果的な公共訴訟を遂行するための様々なサポートをします。また公共訴訟が取り扱うイシューについての認知を上げ、世論を喚起し、行政・政治を動かしていくためのキャンペーンも展開していきます。
日本初のフルタイムで公共訴訟に専従する弁護士を擁する法律事務所LEDGEと連携し、その活動を支えています。詳細については下記リンクをご確認ください。
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