「有明早津江川大橋」 を福岡、佐賀県境のランドマークに
長大の技術力と地域への想いが評価された、土木学会デザイン賞2024(優秀賞)の授賞式が1月25日に行われました
人・夢・技術グループ株式会社の子会社である株式会社長大(本社:東京都中央区、代表取締役社長:野本昌弘) が計画・設計に携わった「有明早津江川大橋」が、土木学会デザイン賞2024の優秀賞を受賞。2025年1月25日、土木学会で授賞式が行われました。
土木学会は、2024年度の授賞式を2025年1月25日(土)に学会の講堂(東京都新宿区)で行いました。当社からは構造事業本部の塩尻らが出席。表彰状を授与されました。
この日は、受賞者自身による受賞作品プレゼンテーションと選考委員による講評、来場者からの質疑応答も行なわれ、「有明早津江川大橋」におけるデザインコンセプトやデザインの要旨、検討体制について解説しました。
●土木学会デザイン賞とは
土木学会デザイン賞は、公益社団法人土木学会景観・デザイン委員会が主催する顕彰制度です。2001年に創設され、正式名称は「土木学会景観・デザイン委員会デザイン賞」といいます。公募対象を広く土木構造物や公共的な空間に求め、計画や設計技術、制度の活用、組織活動の創意工夫によって周辺環境や地域と一体となった景観の創造や保全を実現した作品およびそれらの実現に貢献した関係者や関係組織を表彰しています。
URL:https://design-prize.sakura.ne.jp/
●「有明早津江川大橋」について
有明早津江川大橋は、福岡県大川市と佐賀県佐賀市を繋ぐ、橋長854mの橋梁です。
架橋地周辺には世界遺産「三重津海軍所跡」、選奨土木遺産「デ・レイケ導流堤」、国指定重要文化財「筑後昇開橋」があります。この地域は、広がりのある平坦な地形に加え、日本一の干満差があって変化に富んだ表情をもつ有明海、さらに、その背景には山々が連なるという自然美に恵まれ、これらの歴史的遺産と自然が織りなす風景そのものがシンボルとなっています。
橋梁設計に際しては、こうした地域の特性をさらに高められるよう、橋梁としての個性の主張を抑制しながらも準主役級の役割を果たすことができる、洗練された質の高い橋梁を目指しました。
有明早津江川大橋は、中央径間の一つをアーチ構造で早津江川を渡河し、もう一方の中央径間は桁構造で三重津海軍所跡を跨ぎます。支間長が同規模の橋梁で、アーチと桁の複合構造とした橋梁形式は国内で初めてです。三重津海軍所跡を跨ぐ上部工はシンプルな桁構造とし、桁高・桁幅を小さく抑えて圧迫感を軽減。歴史的遺産の価値を損なうことのないよう留意しました。
また、同橋に至る道路は線形が曲線になっていることから、様々な角度からアーチが見られる視認性を活かせるよう、逆五角形変断面のアーチを採用。軽快感を表現するとともに、塗装色は河畔の植生や田園に馴染む「裏葉色」を採用しました。
●評価ポイント
有明早津江川大橋は、単弦かつ多角形断面のアーチリブとシンプルな鉛直ケーブルの採用によって、橋上からの開放的な眺望とシルエットの軽快感を創出。同じ路線上の有明筑後川大橋と類似の中路アーチを採用する一方、張り出しの大きいブラケットと連続したフェイシアラインでデザイン的な統一と調整が図るなど、この地域のランドマークとなり得るシンボル性を巧みに獲得していることが高く評価されました。
隣接する世界遺産、三重津海軍所跡を跨ぐ部分をアーチ部と同じ程度のスパンにも関わらず桁構造にして、地域の歴史遺産の継承に配慮したことも高評価を得るポイントとなりました。
選考委員からは『橋上からアーチ越しに眺められるシークエンス景観も爽快で、多くのドライバーがきっと沿岸道路を「また通りたい」と思っているに違いない』—との講評もいただきました。
参考ページ
土木学会デザイン賞 受賞詳細ページ: https://design-prize.sakura.ne.jp/archives/result/2602
●今後の展開
長大は、本州四国連絡橋の架橋を端緒として創業して以来、これまで橋梁技術を磨き続けてきました。今回の受賞は、地域の景観や周辺環境を考慮した計画、設計に表れた、その技術力とともに、社会に貢献したいという私たちの心意気が高く評価されたものと受け止めています。
長大は創業以来のマインドと技術力をさらに磨き続け、「橋梁の長大」を担う、次代の技術者にも継承していきます。
有明早津江川大橋については、当社の第2期事業報告ビデオでも紹介しておりますので、ぜひ、ご覧ください。
有明早津江川大橋 動画内(15:16~)
●お問い合わせ先
本件に関するお問い合わせは以下にお願いいたします。
株式会社長大 経営企画部
Eメール: info@chodai.co.jp
電話: 03-3639-3465
■株式会社長大について
1968年創立以来、総合建設コンサルタントとして、橋梁・道路・交通・港湾河川・都市計画・ITS・情報システム・環境・PPP/PFIなどのインフラに関わる調査・計画・設計・運用など、社会インフラサービスを提供している企業です。近年は、インフラ整備でのノウハウを生かして、再生可能エネルギーの発電事業、空飛ぶクルマ・スマートシティ・量子コンピュータなどの新事業にも取り組んでいます。
公式HP : https://www.chodai.co.jp/
参考ページ
<お知らせ>
2024年12月9日 長大が計画・設計を実施した「有明早津江川大橋」 土木学会デザイン賞の優秀賞を受賞
<長大の事業>
【会社概要】
会社名:株式会社長大
本社所在地:〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目20番4号
創立:1968年2月21日
代表取締役社長:野本昌弘
資本金:10億円
売上高:195億3,600万円(2024年9月期)
従業員数:987名(2024年12月)
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