プロドライバー向け安全運転啓発マンガを配布します
悲惨な事故を二度と繰り返さない
事業用自動車の交通事故防止と交通事故時の被害軽減を目的として設置された、国土交通省の外部委託組織である事業用自動車事故調査委員会(委員長:酒井 一博)は、2016年の軽井沢スキーバス事故をはじめとした痛ましい事故の削減への取組をさらに進めるべく、これまでに公表した調査報告書の事故事例を元に、安全運転の大切さを伝える啓発マンガを制作しました。本年1月に公表した第一弾に引き続き、今回第二弾の制作・公表となります。
この中では、2021年に発生した中型トラックの追突事故をはじめ、トラックの事故事例3件を取り上げました。
啓発活動や研修、運転者の安全指導に活用していただくため、全国の関係機関に配布しました。
【本マンガについて】
事業用自動車にかかわるプロドライバーや事業者など、より広い方々に調査報告書の事故事例を知ってもらい、安全を再確認するきっかけとして、読みやすいマンガと解説ページの2部構成で制作しました。
ドライバーが経験した事故発生時の状況を、フィクションとしてマンガのストーリーにすることで、読者により身近な視点で事故を追体験してもらい、改めて安全運転の重要性を確認してもらうことを目的としています。
■冊子概要
サイズ:B5版
ページ数:全40ページ
構成:全3話 マンガ 各10ページ、解説 各2ページ
配架場所:全国のトラック協会、トラック関係機関、認定機関等
■ 掲載内容
同委員会がこれまでに調査報告書を公表した下記3件の事故
・中型トラックの追突事故(山形県東根市)
・大型トラックの追突事故(滋賀県蒲生郡竜王町)
・大型トラックの衝突事故(滋賀県高島市)
■ マンガ冊子イメージ




事業用自動車事故調査委員会が公表する調査報告書は、事故の原因を調査・分析し、事故の防止と被害の軽減に寄与することを目的としており、事故の責任を問うために作成されたものではありません。今後も事業用自動車事故調査委員会は、交通事故の少ない社会を実現するために活動を続けてまいります。
本マンガについて
本マンガは同委員会がこれまでに調査報告書として公表した下記3件の事故をもとにしたフィクションであり、二度とこのような悲惨な事故が発生しないようにという思いから制作されました。
ドライバーが経験した事故発生時の状況をマンガストーリーにすることで、読者が「自分ごと」として事故を追体験して、安全運転の重要性を改めて確認してもらうことを目的としています。
事業用自動車にかかわるプロドライバーや事業者など、より広い方々に調査報告書の事故事例を知っていただき、安全を再確認するきっかけとして、交通事故低減に向けた意識の醸成を目的として公表します。
参考 調査を実施した事故の分類
同委員会では、これまで調査した事故を6つの類型に分類しております。その中でも本冊子ではパターンⅠ、Ⅲ、その他に分類される事故事例を取り上げております。(Ⅱ、Ⅳ、Ⅴに分類される事例については、第一弾に取り上げました)
今回は、トラック事業者の皆様にぜひ参考にしていただきたい特徴的な事故を取り上げております。
Ⅰ :過労運転による居眠り事故
Ⅱ:体調急変や体調不良による事故
Ⅲ :前方不注意(脇見運転)による事故
Ⅳ:速度超過状態で走行するセミトレーラの横転事故
Ⅴ:周囲の状況や積荷に合わせた適切な運転操作ができなかったため発生した事故
その他:飲酒運転等
CASE①中型トラックの追突事故(山形県東根市)※パターンⅢ
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事故概要
中型トラックが、バス停に停車していた乗合バスに追突。この事故により、バスに乗車しようとしていた乗客2名が重傷を負った。うち1名は、約1年後に死亡。
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内容
運行計画外の荷下ろし作業で疲弊。眠気を感じて休憩場所を探し、脇見運転によりバス停に停車していた乗合バスに追突。
CASE②大型トラックの追突事故(滋賀県蒲生郡竜王町)※パターンⅠ
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事故概要
高速道路において、大型トラックが渋滞中の車列最後尾でほぼ停止状態にあった乗用車に追突、3台が絡む多重衝突事故となり、3名が死亡、2名が軽傷を負った。
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内容
「もう少し先で」と休憩を先延ばし、居眠り運転の大型トラックが渋滞中の乗用車に速度超過で追突。
CASE③大型トラックの衝突事故(滋賀県高島市)※その他
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事故概要
大型トラックが、片側1車線の緩やかな左カーブを走行中、道路左側の縁石や街路樹などに接触した後、対向車線に進入し、当該車線を走行してきた乗用車と正面衝突。この事故により、乗用車の運転者が死亡し、同乗者が重傷を負った。
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内容
缶酎ハイを飲みながらの運行。強い眠気から仮睡状態となって対向車線に進入し乗用車と正面衝突。大型トラックドライバーは無自覚のアルコール依存症だった。
事業用自動車事故調査委員会について
「事業用自動車事故調査委員会」は、平成26年 (2014年) 6月24日に設立された事業用自動車が関わる重大事故について、その原因を分析し、再発防止策を提言するための事故調査機関。
概要
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人間工学、労働科学、健康医学、自動車工学、交通工学、道路工学などの専門知識を有する者で構成
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毎年4回開催し、報告書について審議



経緯
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社会的影響の大きな事業用自動車の重大事故については、事故の背景にある組織的・構造的問題の更なる解明を図るなど、より高度かつ複合的な事故要因の調査分析と、客観性のあるより質の高い再発防止策の提言を得ることが求められている。
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国土交通省は平成26年(2014年)6月、(公財)交通事故総合分析センターを事務局として、各分野の専門家から構成される「事業用自動車事故調査委員会」を設置し、事業用自動車の重大事故について事故要因の調査分析を行っている。
事故調査の流れ

事業用自動車事故調査委員会委員名簿
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酒井 一博
公益財団法人大原記念労働科学研究所主管研究員
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今井 猛嘉
法政大学法科大学院 教授、弁護士
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小田切 優子
東京医科大学医学部医学科公衆衛生学分野 講師
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久保田 尚
埼玉大学大学院 理工学研究科 名誉教授、日本大学 客員教授
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首藤 由紀
株式会社社会安全研究所代表取締役 所長
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吉田 裕
関西大学社会安全学部 教授
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廣瀬 敏也
芝浦工業大学工学部 教授
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