Nyx Foundation、富山県南砺市に研究所「Nanto」建設構想を発表
次世代の研究と人材育成を推進する新拠点を計画

一般社団法人 Nyx Foundation(所在地:東京都文京区、以下「Nyx」)は、富山県南砺市に研究所「Nanto」を建設する構想を発表しました。
NyxはこれまでLLMとブロックチェーンの研究を応用して世界的に成果を積み重ねてきました。
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本構想は、その延長として、世界の第一線で活躍する研究者が結集し、優れた研究環境と高い研究水準を備えた、目に見える独立した拠点の形成を目指すものです。
研究・実証・交流が結びつく場として、長期的な視点で研究を推進できる環境づくりを進めます。
1. 「Nanto」とは

本リリースにおける研究所「Nanto」とは、富山県南砺市に設置する研究拠点の名称であり、単なる建物ではなく、研究が継続的に生まれるための仕組みを含んだ「研究所モデル」を指します。
これは常駐研究者が活動する研究環境に加え、国内外の研究者が一定期間滞在して共同研究を行うゲスト滞在、研究を加速させる共通の研究基盤(ツール、計算・開発環境、支援等)、そして成果を方法・実装・ツールまで含めて公開し再利用を促す仕組みを一体として設計する構想です。
この一体設計によって研究者が研究と議論に集中でき、学際的な協働が自然に起こり、成果が次の挑戦へ連鎖する環境を整備します。
2. 研究が生まれ続けるための設計
Nantoが重視するのは、研究結果のインパクトだけではなく、研究が生まれ続けるための研究所の設計そのものです。高い難易度の課題に挑むためには、個々の研究者の力量に加え、日々の雑務や分断を減らし、異分野の協働が自然に起こる環境が重要だと考えています。
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AIを活用した研究基盤:
共通の研究基盤を厚く設計します。まずAIを使って研究者が申請や管理など事務手続きの負担を減らして研究できる時間を増やすこと、そして独自開発した研究のAI補助ツールをもとに支援体制を研究所の中核として整備します。
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目的を持った人が集まる物理的環境:
閉じた研究所ではなく、目的を持った人が集まれる研究の目的地であることを目指します。国内外の研究者が一定期間滞在し、常駐研究者と同じ環境でコミュニケーションをとり、手を動かしながら共同研究を進めることを前提とした設計です。訪問者がNantoの共通基盤にアクセスし、創発的に研究を推進していける開かれた環境を作ります。 -
オープンサイエンスを重視:
研究成果を論文のみに閉じず、方法・実装・ツールを含めて社会に共有するオープンサイエンスを推進します。技術が次の発見を連鎖的に生む領域において、ツールや知見が広く共有されることが科学全体の進歩速度を左右すると捉えています。論文の公開にとどまらず、結果の再利用がしやすい環境を提供します。
米国のベル研究所が、研究者の負担を減らし、学際的な協働と技術開発を同時に進める研究環境を設計してきた点は、研究所モデルとして示唆に富みます。Nantoはそうした知見を参照しつつ、独立した中立的な研究機関としての条件のもとで、現代に適合した研究所モデルを構築することを目指します。
3. ガバナンスと資金設計
ベル研究所は、当時の通信市場を牽引していたAT&Tの支援を受けることで、腰を据えた長期研究に取り組める体制を築きました。
その一方で、ベル研究所の衰退という歴史が示すとおり、研究基盤が単一の資金源に依存している場合、外部環境の変化が研究所の体制に負の影響を与える可能性も否定できません。
Nantoはこうした教訓を踏まえ、変化に強い研究所のあり方を追求します。
設立当初から単一の大口スポンサーが研究所全体を一括で支える形を取らず、あくまで独立した研究機関として、複数の個人・組織からご支援をいただき、長期的に研究が継続できるよう分散的な運営基盤を設計します。
※ 今後、Nantoに関する資金確保と配分の透明性を担保する仕組みなどについては準備状況に応じて順次情報を公開します。
4. 研究対象の射程
Nantoで取り組む研究の中心にあるのは、社会の重要な判断や手続きが、誰にとっても後から確かめられる形で行われる「検証可能な未来」を前進させることです。
Nyxは検証可能な社会基盤を実装するうえでEthereumが主要な基幹技術になると考え、研究対象の一つとしてEthereumに関する研究に取り組んできました。
そしていま、検証可能な未来を社会に広げていくうえで、AIの発展を検証可能な方向へと導くことも重要だと考えています。
情報収集や整理、契約、決済の支援など、AIが知的レイヤーとして社会に組み込まれる一方、単一主体への集権化やブラックボックス化が進めば、私たちが目指す方向から遠ざかりかねません。
だからこそNantoでは、Ethereumに関わる技術の研究を継続しながら、AIも研究対象に据え、検証可能性を社会実装の標準として根付かせるための研究をオープンな協働の中で進めていきます。
5. 関係者コメント

南砺市長 田中幹夫 氏
一般社団法人 Nyx Foundationによる研究所「Nanto」構想の発表を、南砺市として心より歓迎いたします。
「土地そのものが持つ徳・力・恵み」を意味する「土徳」の精神が息づくこの地に、未来の知を育む新たな挑戦が始まることは、地域にとって大きな希望であり、新しい時代への一歩です。地方創生そのものです。
豊かな自然に囲まれた環境と、進みつつあるデーターセンター誘致などの先端基盤が交わることで、南砺ならではの未来志向の研究所が誕生し、世界から多様な人材と知恵が集うことを期待しています。
学際的な協働やオープンな研究文化が育まれ、次世代の人材育成にもつながることでしょう。南砺市は、その独立性と中立性を尊重しながら、地域とともに持続的に成長する拠点づくりを全力で支援してまいります。
Nyx Foundationについて

一般社団法人 Nyx Foundation(所在地:東京都文京区)は、イーサリアム・ブロックチェーンに特化した私設の研究機関です。
すべての活動資金は寄付・研究助成金・スポンサーシップによって支えられています。そのような資金を原資にイーサリアムの重要課題を解決するための活動を継続してきました。
既にイーサリアム財団やブロックチェーン企業・大学との連携を進め、コロンビア・ビジネススクール等で成果を発表しています。
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