加齢による筋量低下予防『運動とホエイたんぱくの相乗効果が最有力』
高齢者は若年者より多くのたんぱく質が必要。効率の良い摂取が課題。
2016年5月14日、アメリカ乳製品輸出協会日本駐在事務所(代表ジェフリー N. マクニール)は、第70回日本栄養・食糧学会において、立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授を講師に迎え、ランチョンセミナー「加齢に伴う筋量低下とその予防に向けた乳由来たんぱくの応用」を開催しました。
藤田教授の発表は次の通りです:
「加齢による筋肉量の減少は、運動機能低下によるサルコペニアやロコモティブシンドロームの原因となるだけでなく、糖・脂質の代謝異常にもつながり、糖尿病や心疾患などの発症リスクも増加させます。筋量は健康な人でも20代をピークに減り始め、60代以降は一気に減少します。健康寿命の延伸には、若いころからの意識的な筋肉量維持が大切です。
筋たんぱく質の合成には、たんぱく質に含まれる必須アミノ酸、特にロイシンの効果的な摂取と筋肉トレーニングが必要で、両方行うと相乗効果が期待できることが最近の研究で分かっています。ところが、加齢と共にロイシン抵抗性が生じるため高齢者はより多くのロイシン摂取が必要となり、いかに効率よく摂取するかが課題です。日常摂取する食品の中で、乳製品は良質のたんぱく源ですが、乳由来たんぱく質の中でもホエイたんぱくは、ロイシン含有量が多く体内での利用率も高いことから、最も効率のいい食品と言えるでしょう。運動後に異なるたんぱく質を摂る効果の比較研究では、大豆たんぱくよりホエイたんぱくの方が筋たんぱく質合成効果が高かったことが確認されています。
サルコペニアの予防には、一日に体重1Kgあたり1.2~1.4gのたんぱく質が必要であると言われています。更に、一日を通したたんぱく質摂取量の確保と同様に、毎食体重1Kgあたり約0.4gずつ、三食平均して摂取する必要性も明らかになっています。ロイシン血中濃度が一定以上に達しないと筋たんぱく質合成が行われないためで、食事によるたんぱく質不足は運動効果にも悪影響を与えます。また、運動後の速やかなたんぱく質摂取は運動効果を一層高めます。高齢者は若年者と比較してより多くのたんぱく質摂取が必要であることを理解し、上手に筋量を維持してください。」
ホエイたんぱくは天然の牛乳が原料の、全ての必須アミノ酸を含む低脂肪高たんぱく食品です。くせが無く、様々な料理や飲み物に手軽に加えられるので、日々のたんぱく質補給に便利です。適度な満腹感を与えることから、健康的なダイエットへの利用も注目されています。欧米では、アスリートや高齢者、ダイエット志向の人など幅広い消費者層で高たんぱく商品が一大ブームとなっていますが、ホエイたんぱくは近年の新製品に最も多く使われているたんぱく原料です※。ホエイたんぱく入り製品の数は年々急激に増えており、2014年だけでも約6,000の新製品が世界で発売されています。※ 2012~2014年実績、Innova Marketing Insights 社調査データより
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藤田 聡
立命館大学スポーツ健康科学部教授、博士(運動生理学)
南カリフォルニア大学大学院博士号取得。テキサス大学医学部内科講師、及び東京大学大学院新領域創成科学研究科特任教授を経て、2009年より立命館大学に所属。運動生理学を専門とし、加齢と共に起こる筋量と筋機能の低下(サルコぺニア)に焦点をあてた骨格筋たんぱく質代謝についての研究を行う。専門分野:運動生理学、特に運動や栄養摂取による代謝系の変化
アメリカ乳製品輸出協会 (USDEC)は、全米の酪農家、乳製品加工業者とその組合、乳原料サプライヤー、輸出業者などを代表する会員制の独立非営利団体で、米国産乳製品に対する世界的な需要の喚起をサポートしています。、世界最大の牛乳生産量を誇る米国乳業界は、世界的な水準かつ非常に幅広い種類のチーズや、脱脂粉乳、ラクトース、ホエイたんぱくなどの栄養・機能性乳製品原料を供給し、世界の食品・飲料メーカーの多岐にわたる製品開発ニーズに対応しています。アメリカ産ホエイたんぱくの高い品質と鮮度は、豊富な生乳供給量と厳しい検査基準に裏付けされています。日本にはたんぱく質含有率が高い分離タイプ(WPI、含有率90%以上)と濃縮タイプ(WPC、同80%以上)が輸入されています。
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