サクソバンク、「2019年大胆予測」を発表

~ 10 Outrageous Predictions for 2019 ~

デリバティブ取引の世界的大手であるサクソバンク(Saxo Bank A/S、デンマーク)の100%子会社であるサクソバンク証券は、サクソバンクの市場分析チームが執筆したレポート「2019年大胆予測(原題:10 Outrageous Predictions for 2019)」の翻訳版を発表しました。
この「2019年大胆予測」の内容は、実際には起こる可能性は低いものの、現実に起こった場合には、世界市場に多大な影響を及ぼす10大テーマを取り上げたものです。サクソバンクの各分野のエコノミストがさまざまなシナリオを予想し、来年の投資アイデアを練るうえで欠かせない、「想定外を予想する機会」を読者に提供します。

サクソバンクグループのチーフ・エコノミスト、スティーン・ヤコブセンは「大胆予測」について次のようにコメントしています。

「サクソバンクは『大胆予測』を10年以上に渡り発表してきましたが、2019年は投資家の皆様にコンセンサスの枠を超えて考える機会を提供する、魅力的かつ衝撃的な内容となりました。なお、本レポートはサクソバンクによる公式の市場見通しではなく、外れ値とみなされつつも、実現すれば市場の見解を揺るがす可能性が極めて高いイベントや市場動向をまとめたものであることをご理解ください。

2019 年大胆予測は「もうたくさん」という共通テーマに沿っています。空疎な状態のまま走り続けている世界は目を覚まし、改革に進まなければならないでしょう。それは改革を欲するからではなく、そうしなければならないからです。 

その兆しは至るところに見られます。新たな負債を積み上げるやり方が終わりを告げつつある今、2019 年はこのような精神構造が大きく転換し、常軌を逸した行動のツケを払う年になると当社は考えています。信用サイクルはすでに 2018 年後半から抑制の兆しを見せており、各国中央銀行の政策が振り出しに戻る来年には先進国市場に衝撃が走るでしょう。結局のところ、2008 年から実施されてきた量的緩和策は負債の穴を深くしただけで、それは中央銀行に付託された管理の域を超えるほど大きなものとなっています。

私は大胆予測のリストを見て、この中のいくつかが日の目を見ることになれば、私たちはようやく借金漬けの社会から健全な形で距離を置き、短期的な利益や成長に今ほど重きを置かなくなるのではないかと感じました。また、目先の危機を乗り切った後は、生産性や、よりフェアな舞台でのグローバリゼーションを改めて目指す、新たな経済革命が重視されるようになると考えます。一方で、この大胆予測は中央銀行の独立性が著しく損なわれること、また信用収縮や、誰もが持ちすぎている資産、すなわち不動産で大きな損失が出ることを示しており、これらはネガティブな側面と言えるでしょう。」


サクソバンクグループの「2019年大胆予測」の全文はこちらからお読みいただけます。
https://www.home.saxo/ja-jp/-/media/documents/regional/ja-jp/insights/outrageous-predictions-2019.pdf
(日本語サイトへリンク)

https://www.home.saxo/campaigns/pr/2018-h2/saxo-bank-10-outrageous-predictions-for-2019
(Saxo Bank A/Sのサイトへリンク)


■「サクソバンク2019年大胆予測」10大テーマ
1. EUがデットジュビリーを表明
2. アップル、テスラを1株当たり$520で買収する「資金は確保」
3. トランプ大統領がFRB議長に「お前はクビだ」
4. コービンの首相就任でGBPUSEDは1.00へ
5. 企業の信用収縮でネットフリックスがGEの流れ弾に当たる
6. 豪州は四大銀行を国有化後、“豪州版TARP(不良債権救済プログラム)”を導入
7. ドイツが景気後退期に突入
8.  X線等級の太陽フレアが大混乱を招き、2兆ドルの損害が発生
9. 気候変動に対するパニックが広がり、世界通行税法が成立
10. IMFと世銀がGDPを評価するのではなく、生産性に焦点をあてると発表


1. EUがデットジュビリーを表明

2019年は公的債務が持続不可能な水準まで増え、ポピュリストは政権に反旗を翻します。さらに、欧州中央銀行(ECB)の出口政策と流動性の低下に伴う金利の上昇、そして景気の低迷を受け、欧州では新たな危機に先手を打つにはどうすればよいかという議論が再燃するでしょう。EUが景気後退に傾く中、イタリアがもたらす悪影響が欧州各国の銀行へと広がっていきます。ECBは新たな貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)とフォワードガイダンスを切り札にこの流れを食い止めようとしますが、それだけでは十分とは言えず、その影響がフランスにも広がれば、政治家たちもEUが奈落の底を見下ろしていることを理解するでしょう。ユーロ圏の瓦解を拒んだドイツとその他の欧州中核国は、債務のマネタイゼーション(貨幣化)を支持する以外、選択肢はありません。欧州経済通貨統合(EMU)はECBのマンデートを拡大し、GDPの50%相当を超えるすべての債務についてマネタイゼーションを求めると共に、それ以外についてはユーロ債のスキームを使って保証するでしょう。これは物議を醸している安定・成長協定のゴールポストを動かす行為と言えます。EMU加盟国は対GDP比3%相当の債務を2020年に相互化するという新たな財政ルールを採用し、それ以上の債務については欧州委員会(EC)がEUの経済情勢を勘案しながら、定期的に検討することになるでしょう。

2. アップル、テスラを1株当たり$520で買収する「資金は確保」
アップルは、自社のユーザー基盤の生活により深く入り込もうとするならば、次の未開拓分野はデジタルとのつながりが深まっている自動車であると理解しています。故スティーブ・ジョブズは一企業が現状に満足せず、今日の社会から取り残されないようにするには、大きく、また大胆な賭けに出る必要があることを改めて示したと言えます。アップルはテスラが財務力の強化を必要とし、また自社はそのエコシステムを拡大し、現在提供しているソフトウェアのApple CarPlayよりもさらに深い形で自動車と関わる必要があると認識しており、テスラを手に入れようとするでしょう。同社はテスラの株価$520に40%を上乗せした金額で買収を取りまとめるだけの資金を確保しており、テスラのイーロン・マスクCEOが「(株式を非公開化する)資金は確保した」という炎上ツイートで提示した株価よりも$100高い水準で同社を買収できるのです。

3. トランプ大統領がFRB議長に「お前はクビだ」
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、2018年12月に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ委員のうち過半数をわずかに超える人数が利上げに賛成票を投じたと示唆するでしょう。米国の利上げは1回分余計であり、米国経済および米国株は2019年第1四半期中に断崖絶壁を転げ落ちると予想されます。株価が大幅に下落し、米国債のイールドカーブが逆イールド状態となる2019年夏までに、議長はトランプ大統領の怒りを買って解任され、代わりにミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が議長に任命されるでしょう。野心家のカシュカリ総裁はFRB内では最もぶれないハト派で、米国の金融引き締め策を批判してきました。FRBは米政府を喜ばせるように仕えるべきだという考え方への反発も弱く、すぐに「偉大なる救済者」の異名を得るようになります。トランプ大統領が打ち出す「美しい」インフラ関連の新プロジェクトの資金を調達し、また米国の名目GDPを世界金融危機後に失われた軌道に戻すため、カシュカリ総裁は米財務長官が唱えた新しいゼロクーポン永久債を購入する5兆ドルの信用枠を約束、トランプ大統領が2期目を目指し2020年の大統領選に出馬するのを後押しするでしょう。しかし、物価上昇率は6%に達する一方、CPIは3%、またFRBの政策金利は1%に留まるでしょう。救済者たちにとっては大きな不利益となる金融面の抑圧を通じてデレバレッジが進む、というシナリオなら、信憑性もあるのではないでしょうか。

4. コービンの首相就任でGBPUSEDは1.00へ
労働党が圧倒的な勝利を収め、包括的かつ進歩的な改革と、“まだ定義されていない”ブレグジットへの対応について2度目の国民投票を約束したジェレミー・コービン党首が首相に任命されます。選挙民からの高い支持と英議会で過半数を大幅に超える議席を獲得したことで、コービン首相率いる労働党政権は20世紀半ばを彷彿とさせる社会主義的な焦土作戦を展開、その矛先は英国のおぞましい不平等にも伸びていきます。コービン首相は新たな税源として、高額所得者に対する累進税率が非常に高い財産税を英国で初めて導入すると共に、英中銀には“人々のための量的金融緩和政策”つまり最低所得保障を実行するための財源確保に回るよう要求します。電力・水道のなどの公益性の高い事業や鉄道会社は再び国有化され、財政拡大により赤字は対GDP比約5%に増加します。インフレ率は急上昇し、企業による投資は停滞。非定住外国人は難を逃れようと、自身が保有する莫大な財産と共に国外へ脱出するでしょう。英ポンド相場は醜い双子の赤字と、解決されないブレグジット問題によって足踏み状態となった設備投資というダブルパンチを受けて崩壊します。GBPUSDは2018年下半期中の基本水準であった1.30エリアから1.00まで下落。下落率は20%を超える事態となり、1ポンド=1米ドルが初めて実現するでしょう。

5. 企業の信用収縮でネットフリックスがGEの流れ弾に当たる
2019年はクレジットのドミノ倒しが起き、米国社債市場は壊滅状態に陥るでしょう。そのきっかけを作るのはゼネラル・エレクトリック(GE)で、向こう数年間にわたりキャッシュフローの創出力が落ちていく中、1000億ドルの負債を借り換えなければならないという事実に投資家がパニックとなり、クレジット市場での信用力をさらに失う結果、クレジット・デフォルトの価格が600ベーシスポイント押し上げられます。この衝撃の余波はネットフリックスにまで拡大します。純負債/設備投資を差し引いたEBITDAの比率が3.4倍、バランスシート上の負債額は100億ドルを超える同社の負債比率の驚がく的な高さに、投資家が突如として懸念を示すのです。ネットフリックスの資金調達コストは倍増し、コンテンツの伸びに急ブレーキを掛けると共に株価を急落させます。さらに追い討ちをかけるように、ディズニーが2019年に動画配信業界に参入、ネットフリックスの成長をさらに抑えるでしょう。社債を取り巻くネガティブな連鎖反応は、ハイイールド債に対する極めて大きな不透明感へとつながります。米国のハイイールド債市場と連動する上場投資信託(ETF)はマーケットメイカーが有意なスプレッドを設定できなくなり、ある日の立会時間中、動揺が収まらない中でマーケットメイカーが市場から完全に退却する結果、大暴落を起こします。ETF市場の暴落はパッシブ型の投資商品と、混迷する市場への悪影響に対する最初の警告弾となるでしょう。

6. 豪州は四大銀行を国有化後、“豪州版TARP(不良債権救済プログラム)”を導入
2019年は、豪州の不動産市場を巡る狂想曲が幕を閉じます。信用の伸びの急低下が主因となり、不動産市場は壊滅的な状態となるでしょう。王立委員会による調査後、銀行に残されるのは貸出業務の機能停止と、負債に頼り過ぎ、過大評価された住宅ローンを担保とする不動産物件で、銀行は融資をさらに引き絞らざるを得なくなります。不動産価格の急落が家計の財産と消費支出に大打撃を与える結果、豪州は27年ぶりに景気後退期に突入します。また不動産市場の不況は住宅投資の急減につながり、GDPが減少するでしょう。貸し倒れにより企業の利益率が圧迫され、利益も落ち込みます。銀行が抱えるエクスポージャーは個々に対応するには大きくなり過ぎており、豪州準備銀行(RBA)による救済措置として、恐らく同行のバランスシート上でのモーゲージの再編や証券化が要請されるでしょう。

7. ドイツが景気後退期に突入
数十年にわたり世界のリーダーであったドイツは、自国が有する現代的な技術を新しい形で活用するのに苦心しています。ドイツ経済の基幹産業は自動車で、GDPの実に14%を占めています。2018年の世界の自動車の販売台数は1億台に達しており、ドイツの自動車産業は成長が止まることのない巨大産業であるはずでした。しかしながら、出荷台数はわずか8100万台と前年比2%増にとどまり、2000年代に見受けられた年間5%~10%という伸び率を大きく下回ります。2040年までに、世界で販売される新車の55%、在庫の33%は電気自動車となるでしょう。しかしドイツはようやく電気自動車に転換し始めたところで、何年も後れを取っています。また、米国が課した非常に高い関税により、ドイツのサプライチェーンまたは輸出動向が改善される気配は見られません。2019年はグローバリゼーションに対する反感がピークに達し、コストや国内市場、国内生産といった側面が特に重視されるでしょう。さらに、1980年代からドイツ社会の支えてきたトレンドとは正反対にある、ビッグデータのさらなる活用や環境汚染につながる物質の排出量削減にも注目が集まるとみられます。これらを勘案し、ドイツでは早ければ2019年第3四半期から景気後退期が始まると考えます。

8. X線等級の太陽フレアが大混乱を招き、2兆ドルの損害が発生
地球上のすべての生物は太陽が浴びせるエネルギーの安定した恩恵のおかげで存在しています。しかしながら、太陽は常に穏やかに水素を燃やす慈悲深い球体、というわけではありません。太陽を研究する天文学者は、この星が太陽フレアという形で驚くほど破壊的な力を生み出すことのできる、沸き立つ大釜のように活発な存在であること、そしてその中で最も有害なのはコロナ質量噴出で、実際の物質や放射エネルギーを吐き出すことを痛いほど認識しています。サイクル25と命名された太陽活動周期が本格的にスタートする2019年は、地球もこれまでほど幸運ではいられないでしょう。太陽嵐が西半球を直撃し、衛星の大半はおかしな方向に向くことになります。GPSに依存する航空機や地上の交通手段、物流、そして電力インフラは計り知れないほどの大混乱に陥ります。その損害額はどの程度でしょう?約2兆ドルと考えますが、これはロイズが2013年に講演した太陽嵐による金融リスクの可能性に関する研究で示した最悪な場合のシナリオに比べ、2割少ない金額です。

9. 気候変動に対するパニックが広がり、世界通行税法が成立
欧州が極端な猛暑に見舞われるなど、今年も荒々しい気候は悩みの種となり、世界各国の首都に非常警報が鳴り響きました。そこで税金面で非常に大きく優遇されている国際的な航空、海運業をターゲットに、新しく世界通行税が導入されます。これは航空会社にグローバルなチケット税を、また船舶には“トン数”に応じた資本税を課す仕組みで、その税額は二酸化炭素の排出量と連動しています。この新税制の税額は二酸化炭素の排出量1トン当たり50ドルに設定され、以前に提案された水準の2倍、そして欧州連合域内排出量取引制度(EU ETS)が定めた1トン当たり15ユーロという2018年の平均水準を大幅に上回ります。この新しい世界通行税による負担は消費者に転嫁されるため、航空運賃や海運の輸送料金が上がり、一般的な物価水準も上昇するでしょう。米国と中国はこれまで、1944年に締結された国際民間航空条約、通称シカゴ条約を盾に航空機に対する燃料税の課税に反対していましたが、中国は環境汚染に対峙する中で自ずとそのスタンスを変えていきます。その結果、米国も渋々ながら航空機および船舶に対する世界通行税の導入に協力するでしょう。結果として観光、航空、海運業に関連する銘柄は、先行き不透明感の高まりと成長の鈍化を材料に値を下げると予想されます。

10. IMFと世銀がGDPを評価するのではなく、生産性に焦点をあてると発表
国際通貨基金(IMF)と世界銀行は春季会合で予想外の動きを見せ、チーフ・エコノミストのピネロピ・ゴールドバーグとギータ・ゴピナートがGDPの測定を止めると発表します。両者は低コストで技術を基盤とするサービスが経済にもたらす真のインパクトをGDPは捉えていないとし、また環境汚染がインドやその他の国々の人々の健康や環境に与えている恐ろしい影響を挙げながら、GDPは環境問題に対する説明責任を負うことができていないと論じます。一方の生産性は、最もよく知られていながら、最も理解されていない経済用語の一つであることは間違いありません。生産性を簡潔に定義するなら、労働時間1時間当たりの産出量と言えるでしょう。しかしながら、実社会における生産性ははるかに複雑な概念となっています。事実、生産性は長期にわたる生活水準の最も重要な決定要因とも言えるのです。一つの国が自国民の幸福と健康を改善したいと考えるならば、労働者1人当たりの生産量をこれまでよりも増やす必要があります。IMFと世銀によるこの前例のない決断は、世界金融危機以降、世界全体の生産性の大幅な低下に関与してきた中央銀行によって支配される時代からの転換を象徴するものでもあるのです。


【サクソバンク(Saxo Bank A/S)について】
1992年に設立されたサクソバンク(Saxo Bank A/S)は、デンマーク金融監督庁の許可を受けたオンライン取引を専門とする銀行です。創業以来の約25年間、最新テクノロジーを利用したプロの取引環境をお客様に提供することを使命としてきました。現在はサービス提供に必要な認可を世界各国で取得した銀行グループとして、世界中の金融商品を一つのIDで取引できるマルチアセット口座を開発。様々なデバイスからアクセスできる環境でご提供しています。また、金融機関や機関投資家に対しては、マルチアセットの執行、プライムブローカレッジ、取引テクノロジーの提供を行っています。さらに、数々の受賞暦を誇る取引プラットフォームは、20の言語で利用可能なだけでなく、世界中の100以上の金融機関で採用されています。サクソバンクグループは本社をデンマークに置き、日本、イギリス、シンガポール、フランス、スイス、アラブ首長国連邦などを含む世界の金融都市にて1,500人以上の社員を雇用しています。

【サクソバンク証券株式会社について】
社名:サクソバンク証券株式会社
第一種金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第239号
商品先物取引業者 農林水産省 指令22総合第1352号
経済産業省 平成22・12・22商第6号
所在地:〒105-0001  東京都港区虎ノ門1-2-8  虎ノ門琴平タワー22F
加入団体:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
URL:WWW.HOME.SAXO/JP
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