Enpower Greentechが円筒形電池でブレイクスルー実現

Enpower Japan 株式会社

 この度、Enpower Japan を傘下に持つEnpower Greentech ホールディングス(日本、米国、中国を拠点とする次世代電池企業)は、容量4095mAhを持つ18650円筒形電池の開発に成功しました。今回、本電池の体積エネルギー密度は888Wh/L、重量エネルギー密度は389Wh/kgを実現しており、多様化する市場へ向けた新たな選択肢の提案となります。


 Enpower18650円筒形リチウム金属電池(4.1Ah)18650円筒形電池 (直径18mm、長さ65mm/以下、18650)は、1991年にソニーによって開発され、実用化されました。1990年代にモバイル機器市場で人気を博してリチウムイオン電池(以下、LIB)業界の定番商品となり、日本、韓国、中国で急速に発展。 2008年には、米テスラによるパナソニック製 18650を採用した初のスポーツカータイプ電気自動車「ロードスター」が発売され、 初めて自動車動力用電池市場に円筒形LIBが導入されました。2020年9月、テスラが「バッテリーデー」に4680大型円筒形電池を発表したことで、業界の円筒形電池への関心は更に高まりました。

  1991年、ソニーが発売した18650LIBは画期的な電池でしたが、容量はわずか900mAh でした(図1A参照)。その後18650の容量は年々増加し、2015年にはパナソニックが容量3450mAhの18650を発売しました。ただその後5年間の容量推移はほぼ横ばいとなり、この間、韓国、台湾、中国の円筒形電池メーカーも3500mAh程度の発売に留まっています。2021年、米国のスタートア ップ企業NanoGrafは、シリコンベースの負極を使用した容量3800mAh(3.8Ah)の18650を発表、次いで今年10月には4000mAh(4.0Ah)を発表し、再び増加傾向に転じています。ただ、近年「次世代」電池(リチウム金属電池、全固体電池を含む)の技術開発が世界的に盛り上がりを見せていますが、その多くは主にラミネート電池であり、円筒形の「次世代」電池は少ないのが現状です。

  Enpowerが今回開発した本電池の主な技術的特徴は、リチウム金属を負極材料として使用している点です。従来のLIBのグラファイト負極や、最近のLIB業界でよく使用されているシリコン系負極と比べ、同じ正極材料(NCM/NCA)を使用する前提で、電池の平均電圧を100~200mV増加させることができます。また、容量を4095mAh まで増加させ(図2参照)、重量を約20%削減することが可能となった結果、エネルギー密度の大幅な向上を実現しました(図1B参照)。Enpower が開発したこの18650リチウム金属二次電池(LMB18650-4.1Ah)は、電池容量、平均電圧、体積エネルギー密度、重量エネルギー密度の全てにおいて性能向上を実現しました(表1参照)。

■ 表1.Enpower18650と従来品の性能比較 


 また、シリコンリッチ負極やリチウム金属負極を用いたラミネート(液系・固体)電池は、充放電時に電池の厚み方向への膨張収縮を伴うため、正常な充放電を行うには、一定の外圧を加える必要があります。本電池は、電池構造を利用し、外圧を加えることなく安定したサイクルを実現できます。

  今回開発した本電池は試作段階であるため、今後自動車メーカーを含む様々な顧客と共に、円筒形「次世代」電池商用化に向けて積極的に協力関係を構築したいと考えています。また今後、製品 モデルを2170や4680へと拡大していきます。本電池の設計を基に試算すると、サイズを4680に拡大した場合、容量は32Ah、エネルギー密度は400Wh/kgを実現できる見込みです(Teslaの現在の4680容量は27.5Ah、エネルギー密度は300Wh/kg)4)。

 ■ 図1A.リチウムイオン円筒形電池の容量推移


■ 図1B.18650電池のエネルギー密度の比較


■ 図2.充放電曲線(Enpower LMB18650-4.1Ah)

Reference:
1) The 18650 cell volume used for Wh/L calculation is 0.01753 L (D:18.5 x H:65.25 mm).
2)https://www.nasa.gov/sites/default/files/atoms/files/nabw21_li-ion_cylindrical_hard_case_cells_market_2021_ver1.pdf
3) https://electrek.co/2022/10/20/nanograf-battery/
4) https://insideevs.com/news/598656/tesla-4680-battery-cell-specs/amp/ 

Contact Information:
Enpower Japan Corp.
Email: contact@enpowerjp.co.jp

詳しくは弊社HP ニュースリリースへ
https://www.enpower-greentech.com/news/enpower-greentech-achieved-breakthrough-in-cylindrical-batteries

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会社概要

Enpower Japan 株式会社

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URL
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業種
製造業
本社所在地
東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟28階
電話番号
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代表者名
車 勇
上場
未上場
資本金
-
設立
2018年02月