制度はある。しかし、つながっていなかった。外国人材受け入れ体制の再考を促す。 重篤な病状における地方の現場からの実体験を報告します。

当社が直面した事例を通じて、急増する外国人材の受入れと現場の実態を公開し、再構築の必要性を訴えます。

株式会社あきた創生マネジメント

株式会社あきた創生マネジメント(本社:秋田県能代市、代表取締役:阿波野聖一)は、当社が支援に関わる外国人介護職員が日本国内で重篤な状態となったことを受け、その対応を通じて現場で実際に起きたことを公表します。

今回の発信は、特定の医療機関、行政機関、受入れ企業、送り出し機関、その他の関係者の責任を追及することを目的としたものではありません。また、完成した解決策や新しい制度を提示するものでもありません。

外国人材を受け入れる現場で、一人の人が重い病気になったとき、医療以外にどのような対応が必要になるのか。

その事実をまず正しく知っていただき、今後さらに外国人材の受入れが増えていく中で、受入れ企業や関係機関が、自らの受入れ体制をあらためて考えるきっかけにしていただきたいと考えています。

介護現場と外国人材支援に携わる事業者として

株式会社あきた創生マネジメントは、2011年の設立以来、秋田県内で介護事業を運営してきました。

現在は介護事業に加え、外国人介護人材の受入れ、来日後の生活支援、日本語学習、職場での育成、受入れ事業者への助言、送り出し機関や海外にいる家族との連絡調整にも携わっています。

今回の発信は、制度を外側から論評するものではありません。

外国人材本人と日常的に関わり、受入れ企業、送り出し機関、海外家族、医療機関、大使館、行政などとの調整を実際に行っている現場からの事実共有です。

同時に、私たち自身も、受入れ前の準備や、送り出す側との役割確認が十分だったのかを振り返る必要があると考えています。

増え続ける外国人材

厚生労働省が2026年1月30日に公表した「外国人雇用状況」の届出状況によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で、前年より26万8,450人増加しました。外国人を雇用する事業所数も37万1,215所となり、いずれも届出が義務化された2007年以降、過去最多を更新しています。(厚生労働省)

また、公益財団法人国際人材協力機構(JITCO)が、出入国在留管理庁の公表データをもとにまとめた資料によると、2026年3月末時点の特定技能1号在留外国人数は40万4,527人となりました。2029年3月までの受入れ見込数80万5,700人に対する割合は50.2%です。

介護分野では、特定技能1号の在留者数が7万4,745人となり、受入れ見込数12万6,900人に対する割合は58.9%に達しています。

外国人材の受入れが急速に進む一方で、受入れ体制は、採用や就労、生活支援だけでなく、病気や事故など、本人が日本で生活する中で起こり得る重大な事態まで想定できているでしょうか。(JITCO

外国人材は、すでに日本の産業、介護、地域社会を支える重要な存在となっています。

一方、在留資格を取得し、雇用契約を結び、住居を準備し、日本語や仕事を教えることだけで、一人の人が日本で生活する中で起こり得る重大な事態への備えまで整ったことになるのでしょうか。

病状の変化とともに、医療以外の対応も同時に始まった

今回、当社が支援に関わる外国人介護職員が重篤な状態となり、本人が自ら意思を伝えることが難しくなりました。

医療機関から受けた説明を整理し、通訳を通じて海外にいる家族へ伝え、理解と意向を確認しました。病状が短期間で大きく変化する中、医療機関から生命に関わる内容を含む説明を受け、それまで予定していた説明や家族の来日調整も見直す必要が生じました。

海外にいる母親の来日を早めるため、国際線と国内線の航空券、日本国内での移動、宿泊、通訳、病院での面会や説明日程を調整しました。

同時に、雇用契約、就労継続、在留資格、健康保険を確認し、送り出し機関、大使館、通訳者、海外家族との連絡を続けました。宗教や文化への配慮、帰国や医療搬送の可能性、万一の場合の手続、搬送、費用負担についても確認しています。

医療は医療機関、雇用は受入れ企業、在留資格は出入国在留管理機関、自国民支援は大使館など、それぞれに制度と窓口があります。

しかし、本人と家族にとっては、病状、雇用、在留、家族の来日、宗教、費用は、すべて同時に起きている一つの出来事です。

どこか一つの窓口へ相談すれば、すべてが進むわけではありませんでした。複数の窓口へ個別に連絡し、得られた情報を整理して家族や関係者へ伝える実務を、現場で同時に進める必要がありました。

今回、誰か一人の対応が間違っていたということではありません。一人の外国人材に複数の出来事が同時に起きたとき、制度と制度の間をつなぐ実務が現場に発生したという事実を、知っていただきたいと考えています。

※本記事に記載した経過は、医療機関からの説明記録、関係者間の通話・連絡記録、家族の渡航調整記録等に基づいて整理しています

制度はある。しかし、一人の出来事としてはつながっていなかった

医療は医療機関が担います。

雇用は受入れ企業が担います。

在留資格は出入国在留管理機関が扱います。

生活支援は登録支援機関などが担います。

自国民への支援は大使館が担います。

母国の家族との連絡には、送り出し機関や現地の関係者が関わります。

それぞれに制度があり、それぞれの担当者がいます。

しかし、本人と家族にとっては、病状、雇用、在留資格、母親の来日、宗教への配慮、費用の問題は、すべて同時に起きている一つの出来事です。

どこか一つの窓口へ相談すれば、すべての対応が進むわけではありませんでした。

医療については医療機関へ確認する。

在留資格については関係機関へ相談する。

家族の来日については、航空券や移動方法を調べる。

送り出し機関や大使館へ連絡する。

それぞれから得られた情報を整理し、家族や関係者へ伝える実務を、現場で同時に進める必要がありました。

今回、誰か一人の対応が間違っていたということではありません。

それぞれに制度と担当者がいる一方で、一人の外国人材に複数の出来事が同時に起きたとき、制度と制度の間をつなぐ実務が現場に発生したという事実を、知っていただきたいと考えています。

制度はある。しかし、つながっていない

それぞれに制度と担当者はいるが、一人の人生として全体をつなぐ主体が見えない。

医療機関の外で必要になった対応

厚生労働省は、外国人患者を安全かつ円滑に受け入れるため、医療通訳者や外国人患者受入れ医療コーディネーターの配置を支援しています。

令和8年度の事業は、国が選出した「拠点的な医療機関」を対象に、多言語対応体制の確保と、院内外における外国人患者への対応を支援できる体制の構築を目的としています(厚生労働省「令和8年度『医療通訳者、外国人患者受入れ医療コーディネーター配置等支援事業』)(厚生労働省)

これは、外国人患者が医療を受けるための重要な取り組みです。

一方、今回、受入れ現場で必要になったのは、医療機関における患者対応だけではありませんでした。

雇用、在留資格、海外家族への説明、送り出し機関、大使館、家族の緊急来日、宗教や文化、帰国や搬送、費用負担など、医療機関の外にある問題にも同時に対応する必要がありました。

医療機関だけに、そのすべてを求めることはできません。

今回の経験では、医療と、その外にある本人や家族の生活上の問題を、受入れ現場でつなぐ必要がありました。

同じような経験を、私たちは見つけることができなかった

今回のような事案は、これまでにも日本のどこかで起きてきたのではないかと思います。

しかし、外国人材が重篤な状態となった際に、海外家族への説明、家族の緊急来日、在留資格、雇用、保険、宗教への配慮、帰国や搬送について、どのような対応が行われたのかを調べても、私たちは参考にできる情報を見つけることができませんでした。

どこへ相談すればよいのか分からないだけではありません。

今の状況をどのように整理し、何を、誰に、どのように相談すればよいのかも分からない状態から、一つずつ対応を組み立てることになりました。

今回の発信を通じて、同じような経験をした企業、支援者、医療関係者、行政関係者などからも、経験や対応について情報を寄せていただきたいと考えています。

今回の経験を共有する理由

今回の経験を公表することで、すでに外国人材を受け入れている企業や支援機関、これから受入れを検討する事業者が、自らの体制を確認するきっかけになればと考えています。

確認していただきたいのは、次のような点です。

緊急時の連絡先を確認しているか

海外にいる家族と連絡できる関係があるか

送り出す側と緊急時の役割を共有しているか

本人が意思表示できない場合の対応を考えているか

宗教、文化、保険の内容を把握しているか

家族の来日、帰国、搬送などに必要な実務を想定しているか

必要な費用を誰が担うのか確認しているか

そもそも、外国人労働者を受け入れ事業所は緊急時や有事の時に相談できる場所はあるのか

今回の発信は、一つの答えを示すものではありません。

一つひとつの経験が共有されることで、次に同じ状況に直面する本人、家族、受入れ現場が、すべてをゼロから始めなくてもよい環境、社会につながることを願っています。

代表取締役・阿波野聖一のコメント

今回、一人の外国人介護職員の病状が重篤化する中で、医療機関から説明を受け、海外の家族へ伝え、母親の来日を手配し、大使館や送り出し機関などとの連絡を続けています。

医療、雇用、在留資格、生活支援には、それぞれの制度と役割があります。しかし、本人と家族にとっては、すべてが同時に起きている一つの出来事です。

私たち自身も、受入れ前の準備や、送り出す側との役割確認が十分だったのかを振り返る必要があります。

今回の発信は、誰かを責めるためでも、答えを示すためでもありません。外国人材が日本で重篤な状態になったとき、受入れ現場で実際に何が起きるのか。その事実を、まず正しく知っていただきたいと考えています。

報道関係者の皆さまへ

本件について取材を希望される報道関係者には、本人と家族の尊厳、個人情報、治療環境を守ることを前提として、今回の対応経過と、現場で実際に必要となった対応について説明します。

当社が伝えたいのは、個人の病状そのものではありません。

一人の外国人材が重篤な状態となったとき、複数の制度や関係機関にまたがって、どのような対応が同時に必要になるのかという受入れ現場の実情です。

本記事は、医療機関からの説明記録、受入れ事業者・支援関係者間の通話記録、家族の渡航調整記録、大使館や関係機関との連絡記録などに基づいて作成しています。

一方、病歴、身体状況、病状、治療内容などは、個人情報保護法上、特に配慮を要する情報です。要配慮個人情報の取得や第三者提供には、原則として本人の同意が必要とされています。

そのため、本人の氏名、顔写真、住所、生年月日、勤務先、入院先、詳細な病状や治療内容など、個人を特定し得る情報については原則として公表しません。

また、本件は特定の医療機関や個人の責任を一方的に追及することを目的とするものではありません。

取材にあたっては、本人と家族への配慮を最優先としていただくようお願いいたします。

株式会社あきた創生マネジメントについて

株式会社あきた創生マネジメントは、秋田県能代市を拠点に介護保険サービスを運営しています。

人口減少と介護人材不足が進む地域において、介護事業に加え、外国人介護人材の受入れ、育成、日本語学習、生活支援、受入れ事業者への助言などに取り組んでいます。

外国人材を単に不足する労働力として捉えるのではなく、地域で共に暮らし、学び、働く仲間として受け入れる環境づくりを進めています。

会社名:株式会社あきた創生マネジメント
所在地:秋田県能代市二ツ井町切石字竜毛沢17番地2
代表者:代表取締役 阿波野聖一
設立:2011年10月
事業内容:介護保険法に基づく居宅サービス事業、介護予防サービス事業、外国人介護人材の受入れ・育成支援等

本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先

株式会社あきた創生マネジメント
担当:代表取締役 阿波野聖一
電話:0185-71-0005
E-mail:aktsousei105@gmail.com

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会社概要

URL
https://rin-sousei.com/company/
業種
医療・福祉
本社所在地
秋田県能代市二ツ井町切石字竜毛沢17-2
電話番号
0185-71-0005
代表者名
阿波野聖一
上場
未上場
資本金
-
設立
2011年10月