自然と人に優しい建築を生み出し続けるADX、”地球を冒険する”建築プラットフォーム「EARTH WALKER」を発表
2024年内に3種類のカスタムシリーズ 約100棟が完成予定
株式会社ADX(本社:福島県二本松市/代表:安齋好太郎)は、”地球を冒険する”をコンセプトに掲げる建築プラットフォーム「EARTH WALKER(アースウォーカー)」を発表します。EARTH WALKERは、標高4000mの過酷な自然環境でも安全・快適な滞在ができるよう設計された”サミットシリーズ”と、機能とデザインをカスタマイズ可能な”カスタムシリーズ”で構成され、この度、サミットシリーズから「MOON」、カスタムシリーズから「SANU CABIN MOSS」の構想を初公開しました。
EARTH WALKER 公式ウェブサイト:
■「EARTH WALKER」誕生の背景
「森と生きる。」をフィロソフィーに掲げるADXはこれまで、日本の森の循環を促すため、商業施設・宿泊施設・住宅などの設計施工事業を通して、積極的な木材資源の活用と木造建築に関わる技術開発を推進してきました。また、メンバーシップ制セカンドホームサービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」を提供する株式会社Sanuの創業当初からの建築パートナーとして、建築資材の再活用を可能にする「釘を使わない」工法や、土壌への負荷を軽減する高床式建築など、旧来の開発・建築手法を改革し環境配慮型建築を追求してきました。一方、雄大な自然を求めて都市から離れれば離れるほど、電気や水道設備などのインフラが限られていたり、温度や強風などの極端な気象条件に晒されたりと、建築物そのものはもちろん、建設に携わる人への負荷も非常に大きいことを課題視してきました。加えて、日本に現存する極地建築の多くは自然観測や人命保護を目的として建設されており、生活や宿泊の拠点として考えると快適性やデザインの面での向上余地があります。
そこで、大自然で過ごす喜びをより安全・快適に、より多くの人々に提供することを使命として、新たな建築プラットフォーム「EARTH WALKER」を発表するに至りました。これにより、ADXの建築の在り方を環境配慮型から環境共生型へとアップデートし、さらには建築が増えるほど森が豊かになっていくリジェネラティヴな事業展開に挑戦してまいります。
■「EARTH WALKER」とは
勇ましい山々、巨大な氷河、多様な生命の宿る豊かな森。私たちが暮らす都市を一歩飛び出せば、この地球には今なお原始の風景が広がっています。「EARTH WALKER」は、冒険家の精神を持つ人々が、そのようなまだ見ぬ未開の地において安全に滞在し、豊かな自然を楽しめるよう設計された革新的な建築プラットフォームです。
「EARTH WALKER」の建築モデルは、インフラが制限された過酷な自然環境でも快適に生活できる水準まで機能を高めた「サミットシリーズ」と、森や湖畔など都市からアクセスしやすい自然の中で快適に暮らすための「カスタムシリーズ」で構成されます。
■最も高機能なコンセプトモデル Summit Series 「MOON」
サミットシリーズ「MOON」は、雪深い山や無人島などの立地でも快適に生活できるように設計されたコンセプトモデル。標高4000mの高標高地帯での居住の困難を克服するため、気圧コントロールと酸素調整機能を含む多くの機能を備えます。これらの機能は、高山病や低酸素環境のリスクを最小限に抑えるために航空技術を応用しています。
物理的構造にはCFRP(※1)によるプレスホメオスター構造(※2)を採用し、積雪5mや風速90m/s、外気温はマイナス60度〜50度といった過酷な環境にも耐えられるよう設計。建物下部に備えられた機械室には、ソーラー発電による電力蓄電機能と雪や雨水などの収集システム、水の浄化や水再生循環機能による給排水機能も備えることで、完全オフグリッド型(※3) な自給自足の生活を可能にします。(水浄化・水再生循環システム監修 eau&company株式会社 北川力)
外壁のルーバー式デザインは風力を活用し、ダウンフォース(※4)を生み出して強風に対応。自然と調和するような設計と機能性、そして建材を追求し、持続可能で環境に優しい居住の新たな可能性を見出していきます。内装はミニマルデザインながらも、リラックスできるベッド、温かいシャワー、簡易キッチンを完備する想定。プログラミング設計と3Dプリンターによって生み出されたダイナミックな形状の窓からは、自然の美しさと偉大さを同時に感じ取ることができます。
この「MOON」は、過酷な環境下での生活を豊かな体験に変えるという「EARTH WALKER」の設計思想を具現化したコンセプトモデルであり、実現に向けての実証実験を順調に進めています。
※1 「Carbon Fiber Reinforced Plastics」=「炭素繊維強化プラスチック」のこと。樹脂を炭素繊維で強化することで、より高い強度や剛性を得ることができる素材。
※2 「プレスホメオスター構造」はプレスによって力を加えた材料の反力を意味し、ホメオスタシスは外部要因が働いても自然に戻ろうとする力を指した造語。
※3 電力、水道などの既存インフラに繋がっていない状態でも独立して電力等を確保できる状態のこと。
※4 例えば走行する自動車に対して空力によって発生する、負の揚力、つまり地面に押さえる方向に発生する力のこと。
■機能・デザインをカスタマイズできる Custom Series
カスタムシリーズは前述のサミットシリーズの意志を汲みながらも、より実現性と事業性を確保したシリーズ。サミットシリーズと比べて、より都市からアクセスしやすい自然の立地に適しており、本件と同日4月16日に発表された「SANU CABIN MOSS」をはじめとして、現時点では3種類の建築モデルの設計・施工が進んでいます。いずれも自然の中で快適に滞在できる居住性を確保しながら、部材の大部分を事前に工場で加工するプレファブリケーションを採用し現場施工期間を短縮。高いメンテナンス性と施工の安全性を実現するとともに、国産材の活用を促す高い木質化率を追求している点も特徴です。
「SANU CABIN MOSS」の他、「MIRU AMAMI(鹿児島県・奄美大島)」などの設計・施工が進行しており、2024年内に3種類のカスタムシリーズ合計で約100棟の完成を予定しています。
*「SANU CABIN MOSS」 に関する詳細は、こちらをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000060549.html
■「EARTH WALKER」を可能にするADXのデザインとテクノロジー
ADXでは、多様な建築モデルを設計するため、GrasshopperによるプログラミングとHoneybeeやLadybugなどの環境シミュレーションソフトを用いた独自の設計手法を開発してきました。複雑な条件に応じて即時モデリング検証を可能にするシステムを構築し、これまでの発想を超えたデザインを生み出すための体制を整えています。また、本社のある福島県内に「LABO」を併設し、パーツをあらかじめ工場で製造することを可能としています。将来的には、より大規模な生産ラインの拡充も計画しています。
「EARTH WALKER」は、美しい自然の風景を安全・快適に楽しめる体験を提供します。アルピニストや冒険家などの限られた人だけなく、一人でも多くの人々が地球の偉大さを感じ、地球への愛を深めるきっかけを創出することが私たちの使命です。
■株式会社ADX 会社概要
安齋好太郎率いる建築チーム。「森と生きる。」をフィロソフィーとし、自然と共生する建築を最重視し、自然に戻しやすい素材だけを使う工夫や建材のトレーサビリティの設計、さらには建築が増えるほど森が豊かになっていくリジェネラティヴな環境再生型の事業展開を目指す。設計・施工・プロダクト開発・森林地域における開発行為や環境に配慮したものづくりのコンサルティング等を行い、近年の代表プロジェクトに「五浦の家」「One year project」「K5」「SANU 2nd Home」「KITOKI」などがある。
ADX コーポレートサイト: https://adx.jp/
EARTH WALKER 公式サイト:http://earth-walker.jp/
本件に関するお問い合わせ先
株式会社ADX 広報担当
press@adx.jp
広報写真素材はこちらよりダウンロードをお願いいたします。
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