中学受験で加熱する小学生の英検受験。幼児・小学生向け英検ライティング対策にAI導入も
▼「パルキッズ通信2023年12月号〜変わる英検、たったひとつの攻略法」
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中学受験に向けて小学生の英検受験者数はここ10年で1.5倍に
小学生の英検受験者数が大きく増加している。10年前、2013年には33万人だった受験者数が、2021年には46万人と約1.5倍に急増している。この背景として考えられるのが、2020年度から小学校3・4年生から「外国語活動」が必修化され、5・6年生では「外国語」という教科として位置付けられたように、英語教育の早期化が国を挙げてトレンドになっていることであろう。
またもうひとつの理由としては、「中学受験における英語試験の導入」が考えられる。ちなみに首都圏の中学入試では、2014年から2021年の間に、一般入試(帰国生入試以外)で「英語(選択)試験」を実施した私立・国立中学校は15校から143校とほぼ10倍になっており、大学受験を見据えて、より高い英語力を持っている生徒を獲得したい中学・高校側の思いが表れている。
中学受験の場合、英検の級を取得していることで、「英語入試の受験資格が得られる」「加点対象となる」「優遇措置が得られる」などのメリットがある。こういったことを背景に、小学生の英検受験者数の増加は今後も高止まりするであろう。
2024年度から英検ライティング試験がどう変わる?
英検ライティング試験が導入されているのは3級以上である。2023年度までは「英作文」のみとなっている。内容は指定されたトピックについて自分の立場を明らかにし、理由もつけて自分の意見を述べるというもので、級によって、トピックの内容の難易度、回答の語数制限が異なっている。
2024年度からは「英作文」にもうひとつ設問が加わる。3級、準2級は「Eメール」、2級以上は「要約」となっている。
「Eメール」では、シチュエーションが与えられたメール文とその内容に対して、指定された点に関して自分の意見を表明したり、さらに相手に対する質問などを作文する。具体的に、現在分かっている範囲では、3級では2つの質問のいずれかに対して15~25語程度で答える形式とされている。15語というと、もはや短文で、復文や重文では25語を超えてしまうかもしれない。 質問を上手に選択して、端的に答える必要がある。同じく準2級では、質問に対して理由を添えて答えるのと同時に、2つほど追加の質問を作文する形式となる。こちらは40~50語なので、比較的余裕はあるが、問いに対する自らの答えとその理由を書けば25語程度には軽く達し、さらに2つの質問を考えて25語程度でまとめるのは、難易度が高い。
そして2級以上の「要約」では、与えられる課題の文章を1/3ほどに圧縮する作業となる。2級では150語の課題を50語程度に、準1級では200語ほどの文を70語ほどに、1級では300語ほどの文を100語程度に要約することが求められる。
アーギュメンタティブエッセイとサマリーが小学生にとってハードルが高い
3級、準2級の「Eメール」に関して、Eメール文は会話文のようなものなので、慣れれば小学生でもある程度書けるようになる。しかし、難しいのが「作文」と「要約」である。
「作文」にはさまざまな種類があるが、英検で出題されるのが「特定のトピックや問題についてのある観点や立場をとり、その立場を論じるエッセイ」とされるアーギュメンタティブエッセイである。このタイプのエッセイでは、Pathos(パトス)、Logos(ロゴス)、Ethos(エトス)の全ての要素を織り込むことが成功の鍵となる*。また日々、賛成と反対、両方の立場でものを考える練習を繰り返すことも重要だ。(*)2級以上の場合に必要となる。
「要約」に関しては、必要となるのがパラフレーズの技術である。パラフレーズとは、元の文章の意味を変えずに、自分の言葉で言い換えることを言う。具体的には「単語の置き換え」「文の構造の変更」を使って行う。その上で「要約」する手順は以下の通りである。
1. 全体を読みポイントとテーマを理解する。
2. 文章を読み返し、重要とする部分、キーワード等をマーキングする。
3. 要点をまとめ、パラフレーズを活用して文章を作成する。
4. 要約した後、元の文章と比較して重要な情報が反映されているか、自分の言葉になっているかを確認
『英検オンラインレッスン』でAI (OpenAI)の言語モデルを活用したライティング対策を導入
株式会社児童英語研究所は、2024年1月中旬より、前出の英検ライティング問題の改変にあたって、これまで難しいとされた幼児・小学生向けの対策にAI (OpenAI)の言語モデルを活用したプログラムを新たに導入し、より手軽に英検ライティング対策が行えるサービスを提供する予定だ。
具体的なサービス内容については12月中旬に発表予定となっているが、30年以上培った幼児・小学生の言語獲得プログラムである『パルキッズ』の考え方を学習させたAIが指導するものとなっている。従来の取り組みはサンプル文を参照しつつ、自分の文章を書く練習のみだったのが、今後は即座にAIからフィードバックを得られるようになる予定だ。
▼「英検オンラインレッスン」
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