QPS研究所がSpace Compassの光データリレーサービスの活用について本格的な検討を開始
QPS研究所は従来のSAR衛星の20分の1の質量の高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功し、現在は3機の衛星を運用。夜間や天候不良時でも高分解能・高画質で観測できるSAR画像を提供しています。2021年5月にはQPS-SAR 2号機「イザナミ」による70cm分解能という日本の民間SAR衛星として最高精細の画像取得に成功し、衛星データビジネスの構築に向けて活動を本格化させました。今後は衛星を毎年複数機打ち上げ、2025年以降を目標に36機の小型SAR衛星のコンステレーション(*2)を構築し、平均10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指しています。
Space Compassは、「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」構想の実現に向けた取り組みとして、最新の光通信技術を持つ米Skyloom Global Corporationとの共同事業として光データリレーを行う静止軌道衛星の初号機を2024年末に打上げ、その後2026年までに追加投入によりグローバルカバレッジによるフルサービス展開を予定しています。Space Compassが進める最新技術をQPS-SARに採用することで、衛星データを準リアルタイムにユーザーに配信する事を目指します。
各社コメント
QPS研究所 代表取締役社長 CEO 大西 俊輔
「この度、Space Compassの光データリレーサービスの活用について検討を開始できることを大変喜ばしく思っています。レーダーを使って地表を観測するQPS-SARが一度に取得するデータ量は数ギガバイトに上り、直接のダウンリンクを行う際には地上局との通信可能なタイミングや電波による通信容量など制約がありますが、Space Compassの技術によって弊社の目指している”準リアルタイム地上観測データサービス”の実現に向けて強力な一手になると信じています。」
Space Compass 代表取締役Co-CEO 松藤 浩一郎
「QPS研究所が推進するSAR衛星による地球観測データは、災害時の状況把握や重要インフラのモニタリングをはじめとして、様々な場面での活用が期待される画期的なサービスです。一方で、SARの撮像データ量は大きく、災害時等における迅速なデータ取得を実現するためには、高速・大容量、且つ、準リアルタイムでの伝送を可能とする通信ネットワークが必要となります。Space Compassが構築する光データリレーネットワークが、QPS研究所のサービス品質を大きく向上できるものと確信しています」
*1 SAR (合成開口レーダー):電波を使用して地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測することができる点が特長です。
*2 複数の人工衛星によって、高頻度な地球観測を可能とするシステム。(コンステレーションは「星座」の意。)
QPS研究所について
QPS研究所は2005年に福岡で創業された宇宙開発ベンチャー企業です。名前のQPSとは「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州宇宙産業の開拓者となること、更には九州の地より日本ならびに世界の宇宙産業の発展に貢献するとの思いが込められています。その名の通り、九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みに携わってきたパイオニア的存在である名誉教授陣と若手技術者・実業家が一緒になって、宇宙技術開発を行っています。また、QPS研究所の事業は、創業者たちが宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とする、全国25社以上のパートナー企業に力強く支えられています。https://i-qps.net/
Space Compass について
Space Compass は日本電信電話株式会社(NTT) とスカパーJSAT株式会社(スカパーJSAT) が設立した合弁会社です。代表取締役 Co-CEO 堀 茂 弘、同 松藤 浩一郎。宇宙統合コンピューティング・ネットワークの構築により、持続可能な社会 を実現します。この構想の第一歩として、宇宙データセンタ(宇宙における大容量通信・コンピューティング基盤)、宇宙 RAN(Beyond5G/6G におけるコミュニケーション基盤) の事業・サービスに取り組んでいます。今後はIOWN等の革新的な技術も活用し、更なるサービスの強化をめざしていきます。https://space-compass.com
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。