「職場の忘れられない大きなミス・大失敗」の7割は「うっかり」。100名のアンケート結果
調査結果から確認できた職場の大きなミス・大失敗の傾向について、アンケートで頂いたコメントとあわせて紹介します。
アンケート概要
テーマ 「過去に体験した、忘れられない仕事上のミス・大失敗」
集計期間:2023年10月5日~2023年10月12日
集計手法:自社Webアンケート
回答者:20代~50代の男女
(全100名 20代:10名 30代:34名 40代:32名 50代:24名)
1)大きなミス・大失敗を起こす要因で最も多いのは、「知識・経験不足」
●「大きなミス・大失敗となった、直接的な要因は?」アンケート結果
大きなミス・大失敗の原因で最も多かったのは、「知識・経験不足」の36%でした。
次いで多かったのが、「忙しさ・体調不良」と「確認漏れ・チェック体制の不備」のそれぞれ20%です。
実際にどのようなミス・大失敗があったのかについて、アンケートのコメントの一部を紹介します。
●「知識・経験不足」からの大きなミス・大失敗経験の事例
映像制作会社に入社し、配属されて初めて仕事に従事した20代前半。 一つ上の先輩から、子役をオーディション控え室から、オーディション会場まで連れて行く仕事を託されました。 オーディションが終わるたび、また次の子を連れて行き、入れ替えに、終わった子を控え室の保護者のもとに連れて戻るという風に、オーディション控え室から会場を何度も往復していました。 そのときの監督は、オーディションにだいぶ長い時間をかける人だったんですね。 オーディションが終わってもまだ子どもと控え室に待たされていた母親は、待ち時間に痺れを切らし、すごい剣幕で私に対して、「もう帰っていいか?」と怒って尋ねてきたんです。 そこで私はすっかり委縮してしまって、「あ、たぶん大丈夫だと思います」と言ってしまいました。 オーディションが最後まで終わった時には、控え室には既に誰も居なくなりました。 私は「お疲れ様でした」を言いに、オーディション会場に戻りました。 すると監督が「じゃあ、子どもたち、違う組み合わせで見ていこうか」と言ってきたのです。 そのとき、控え室にはもう誰も残っていないと知っているのは、私だけでした。 冷や汗が、全身から流れ出しました。 正直に伝えたところ、「バカヤロー!!!!!」の怒声と灰皿が飛んできてきました。 (ひっきさん 映画製作AD 男性 50代 東京都在住) エピソードの続き:https://studio-tale.co.jp/career-stories/guide/a-failure-at-work/#episode3 |
介護福祉士として勤務している施設で担当する利用者のご家族に対して「食がすすまないのでお好きな食べ物や飲み物を差し入れして下さい」と依頼しました。 その際に私は、買い物していただいてお金を使わせることを申し訳ないと思い「高い物でなくて安い物でいいので」と伝えてしまいました。 本来なら食に話は栄養士から説明をしてもらうのが一般的ですが専門職を飛ばして連絡してしまうという介護士として初歩的なミスが発端でした。 そのうえ、言葉選びが悪かったです。 翌日、ケアマネージャーのところにご家族か電話があり、「高齢の母に安い物を飲み食いさせる気はありません。昔から母は食にはこだわりがあり高価でも体に良いものだけを口にしてきました」とものすごく立腹していたと伝えられました。 (匿名希望さん 介護福祉士 女性 30代 長崎県在住) |
仕事をしていると、「決断・判断しなくてはならない場面」に少なからず遭遇します。
ときに相談する人が近くにおらず、自分自身でその決定をすることもあるでしょう。
こうした際に、その業務への知識・経験不足があるとミス・大失敗に繋がりやすいことがアンケート結果からうかがわれます。
●「忙しさ・体調不良」からの大きなミス・大失敗経験の事例
私が入社2年目のことです。顧客のデータを扱っていたのですが、誤ってすべて消去してしまいました。 いつもはしっかりと確認をするのですが、その時はたまたま忙しくて確認を怠り誤って消去を押してしまい、顧客のデータ1,000件あまりが一瞬で消えてなくなりました。 すぐに上司に報告しにいき、ものすごい勢いであやまりました。 あの時ほど、死にたいと思ったことはありません。 (たたこさん 医療事務 女性 30代 愛知県在住) エピソードの続き:https://studio-tale.co.jp/career-stories/guide/a-failure-at-work/#episode1 |
4年前の年末にやってしまった失敗です。 私は、広告を制作する仕事をしていまして、大体いつも2~3件の仕事を受け持っています。ただその時は病欠の人がでたりしていて忙しく、いつもよりも多くの仕事を担当していました。 それが原因で担当していた仕事の納期がぎりぎりになり、慌てていたことで2件の制作物をそれぞれ依頼先とは違うクライアントに間違えて送ってしまったのです。 私がそれに気が付いたのが翌日でした。 それからは、もうてんやわんやです。最終的に納期まで遅れて、たくさんの人に多大な迷惑をかけてしまいました。 (kokutouさん インターネット広告クリエイティブ 男性 40代 兵庫県在住) |
どんなに仕事に慣れていても、忙しいときや体調不良のときには、ミス・大失敗が起こりがちです。
ちょっとしたミス・大失敗でも、その対象や状況によって非常に大きなトラブルに発展するのも仕事の一面といえるでしょう。
●「確認漏れ・チェック体制の不備」からの大きなミス・大失敗経験の事例
新卒として、入社して約半年のことです。私は、中古商品を取り扱う会社に勤めていました。 毎月棚卸があり、商品を1点1点数えていました。毎月の作業でしたので、慣れてきたせいもあったのかもしれません。 バックヤードの商品をカウントするのを忘れたまま、締めてしまいました。 そこでは、約100万円分の在庫不足があり、それはそのまま月の損失になってしまいました。 在庫不足があったことは翌週気付いたのですが、始めのうち私はそのミスを隠そうとしてしまったんです。 すぐに上司には報告せず、同僚の社員に相談してどうにかそのミスを取り戻せないかと悪あがきをしていました。 結果として、「ミスをしただけでなく隠している」という後ろめたい気持ちを存分に味わうことになって、その後上司にもバレました。 (マサーさん 物流会社 男性 40代 神奈川県在住) エピソードの続き:https://studio-tale.co.jp/career-stories/guide/a-failure-at-work/#episode4 |
Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングなどに出店しているEC事業のマーケティング部で働いているときのミスです。 |
確認漏れ・チェック体制のミス・大失敗は、原因をどう捉えるかでその後の対策が変わります。
ミスをした人に原因があるとするのか、そもそも業務フローや体制に問題があるのか、またはその両方という場合もあるでしょう。
続いては、大きなミス・大失敗はどんな時に起きたのか、そしてその後に取った対策について見ていきます。
2)「職場での忘れられない大きなミス・大失敗」の7割は「うっかり」
職場で起きたミス・大失敗を「うっかりミス」「判断ミス」「その他」に分けてアンケート回答結果を集計したところ、それぞれの割合は以下の通りとなりました。
●質問「大きなミス・大失敗のタイプは?」アンケート結果
最も多いのが「うっかりミス」の68%で、職場のミス・大失敗をした際のほとんどがこのパターンでした。
次いで多いのは「判断ミス」の22%。PCの故障などの外的要因によるミス・大失敗は10%という結果でした。
3)大きなミス・大失敗をした際に、まず取った行動で多いのは「上司への報告」58%
●質問「大きなミス・大失敗をした際に、まず取った行動はなんですか?」アンケート結果
「大きなミス・大失敗をした際に、まず取った行動はなんですか?」という質問に対して、最も多かった回答は「上司への報告」の58%でした。
次いで多かったのが、「自分でそのミスを挽回しようとした」の18%です。
「ミスを隠そうとした」と答えた人は、10%(10名)いました。
ただし、その10名のうち、そのまま隠し通せた人は1人のみ。また、隠したことでミスへの影響が更に大きく発展してまったケースが目立ちます。
仕事のミス・大失敗を隠す行為は、非常に大きなリスクがあることを知っておくべきでしょう。
ミスをしたらきちんと報告をすることが大切と思いました。 私にとって初めての大きなミスでしたので、最初のうちは隠そうとしてしまいました。 ですが、結局はバレてしまいまして、「なんでもっと報告しなかったんだ」と更に怒られました。 ミスをしても、多少のことならなんとかなるものです。 しっかりと上の人たちがカバーしてくれるので、ミスをしたら正直に報告する意識を徹底しようと思っています。 (もかさん クリエイティブ職 男性 20代 東京都在住) |
4)大きなミス・大失敗の経験をして「自分の働き方を見直した」人は74%
● 質問「大きなミス・大失敗の経験をした後に、自身または周囲に変化はありましたか?」アンケート結果
「大きなミス・大失敗の経験をした後に、自身または周囲に変化はありましたか?」という質問では、74%の人が「自分の働き方を見直した」と答えました。
●「自分の働き方を見直した」と答えた人のコメント
忙しかったとはいえ、確認が疎かになったことが一番の原因だったと思います。 それから、見落としが無いように確認する習慣がついたことはもちろん、自分がどういったときに抜けやすいのかを分析し、その状況を避けるように意識したことでそれ以来ミスは減りました。 また、当時いっしょに謝罪に行ってくれた上司の方の、お話の聴き取り方も勉強になりました。 当時の私はミスを挽回しようと、謝罪することしか頭になかったのですが、そうではなく、ミスをされてしまった相手のお気持ちに耳を傾けるべきでした。 現在の職場でも、クレーム対応等の際に共感的に接するように心がけています。 (けいさん 医療事務 女性 30代 東京都在住) |
いくら激務だったとは言え、大切なお客様の書類を取り違えるというのはもっての外です。 当時の私は、書類の整理整頓も何もできていませんでした。 今では別業種に転職しましたが、机の上には今作業する1つのものしか置かないようにしています。 それと、キャパを超えるような仕事はしないこと。 今抱えている仕事が無理だと思ったら、早目に上司に相談をして解決策を探すようにしています。 あとは仕事内容の共有、私だけが知っている情報を作らず、上司なり先輩なりに私が今やっている事を話して共有することで、「もうあんなミスをしないように」にと心がけるようにしています。 (にがこさん 不動産営業 女性 40代 岡山県在住) |
同じ仕事を何年もやっていたことからくる慣れ・慢心が最大の要因だったと思う。 今なら、確認作業を必ず行い、怠ることはないが、当時は無意識のうちに、「間違えることはないだろう」という先入観があり、確認作業を飛ばしてしまった。基本をしっかりと行うことの大切さを学んだ。 また、一つのミスで会社に大きな損害を与えてしまうこと、直接関係のない上司や同僚を多く巻き込んでしまうこと、など失敗することの大きさを学んだ。同時に対応に一緒に当たってくれた上司と同僚には感謝しかない。 (トミージョンさん 企画管理 男性 40代 長野県在住) |
●「職場の業務改善に活かした」と答えた人のコメント
発注書の再確認は元々していましたが、更に確認を徹底するようにしました。 保管している過去の発注書も見て、違和感のあるものは店舗へ直接確認、発注前に業者への発注書の行がずれていないかなども作成日だけでなく、FAX送信する日も改めて見直しをします。 最初は自分だけがそうしていたのですが、店長達からも「あれが届いた」「これが届いていない」と連絡をしっかりもらえるようになって、あのミスがあったからこそ、より良い体制が作れているように感じます。 (みみさん 販売 女性 40代 京都府在住) |
ダブルチェックをしていましたが、2人目のチェックの際に甘えがあったと感じています。 最終チェックをもっと細かく行うべきでした。 また、ミスをしてしまった時には、とにかく迅速に行動をすることが大切だと思う学びました。ミスの報告が遅れて、後手後手になると周りからの信用も落ちて行き、隠そうとすればするほど墓穴を掘ってしまいます。 現在私は支店長として働いていますが、このときの教訓を活かし、ミスをしたことを責めるのではなく、何故ミスが起きたのかをチームで相談して解決する文化にしています。 (yuki-ezさん 小売業 男性 30代 栃木県在住) |
● まとめ
大きなミス・大失敗を起こす要因で最も多いのは「知識・経験不足」の36%。次いで多いのが、「忙しさ・体調不良」20%と「確認漏れ・チェック体制の不備」の20%
ミス・大失敗のタイプで最も多いのは「うっかりミス」の68%。次いで多いのは「判断ミス」の22%。PCの故障などの外的要因によるミス・大失敗は10%
「大きなミス・大失敗をした際に、まず取った行動はなんですか?」という質問に対して、最も多かった回答は「上司への報告」の58%
「大きなミス・大失敗の経験をした後に、自身または周囲に変化はありましたか?」という質問では、74%の人が「自分の働き方を見直した」と回答
今回アンケートに回答いただいた方々のエピソードを読んで印象的だったのが、9割以上の方が「当時のミス・失敗を活かして、仕事をしている」とコメントをしていたことでした。
長く働いていれば、誰しも大きなミス・大失敗に出くわす可能性があります。
その可能性をゼロにすることよりも、むしろそのミス・失敗を「学ぶ機会」「成長の機会」と捉えることが、より大切で自然な試みになるのかもしれません。
本レポートの詳細については、以下記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
https://studio-tale.co.jp/career-stories/guide/a-failure-at-work/
情報サイト:みんなの転職「体験談」。
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