今は亡き大切な人への想いを手紙に綴るコンテスト 第17回「つたえたい、心の手紙」入選23作品を本日発表
総計775点の応募から、祖母からの深い愛情に対する感謝の想いを綴った神奈川県・高橋萌香さんの『振り袖姿の私を見て大泣きしたおばあちゃんへ』を金賞に選出 (金賞作品掲載)
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首都圏で冠婚葬祭互助会を運営する㈱くらしの友〔社長:伴 久之、所在地:東京都大田区西蒲田8-2-12〕は、第17回「つたえたい、心の手紙」コンテストを実施し、入選23作品を決定しました。金賞には高橋 萌香さん(神奈川県)の作品『振り袖姿の私を見て大泣きしたおばあちゃんへ』が選出されました。
本コンテストは、「亡くなられて、今はもう会えない大切な人への手紙」をテーマに、今伝えたい想いや、生前に伝えられなかった言葉を“心の手紙”に記し、応募していただくものです。
当社でのご葬儀で、故人への手紙を棺に入れる方を数多く拝見する中で、“亡くなった大切な方への想いを手紙として記すことで、悲しみを乗り越えるきっかけとなれば…”との思いから2008年から毎年実施しています。
17回目となる今回は、2024年5月~10月の応募期間に全国から寄せられた775作品から、金賞1名、銀賞5名、佳作5名、入賞6名、審査員賞6名の計23名の作品を選出しました。10代から90代まで幅広い方の応募があり、累計応募総数は18,000通を超え、広く世の中の関心を集めていることが伺えます。
今回金賞に選出された高橋さんの『振り袖姿の私を見て大泣きしたおばあちゃんへ』は、作者の晴れ着姿を泣いて喜んでくれた祖母へ宛てた手紙です。作者は祖母の逝去後、彼女が壮絶な生涯を送っていたことを知ります。その事実を家族に何も語らず亡くなった祖母の胸中を慮り、切なさを感じながらも、自身を愛してくれたことへの感謝を綴っています。祖母の人生の転機に対する作者の心情が鮮やかに描写されている作品として金賞に選出いたしました。
審査員による入選作品の総評
今回で17回目を迎えましたが、回を重ねるごとに心に響く作品が多くなっている印象を受けております。本審査会では、悲しみの中にも故人への感謝の気持ちが伝わる作品、前向きな意思が強く伝わる作品、人と人との絆の大切さを感じる作品を選出いたしました。
全国各地の幅広い年代の方々より応募があることから、在住地や年齢を問わず、多くの方々が日々を生きていく中で、故人と過ごした時間を“心の拠り所”とするための受け皿として本企画が存在していると改めて実感しております。
なお、入選作品は「つたえたい、心の手紙」作品集として小冊子にまとめ、2025年5月より抽選で1,500名の方にお送りいたします。また3月下旬より公式Webサイトにて金賞・銀賞作品の全文を公開いたします。
くらしの友「つたえたい、心の手紙」公式Webサイト:https://www.kurashinotomo.jp/tegami/
第17回「つたえたい、心の手紙」コンテスト概要
・審査委員長:㈱くらしの友 代表取締役会長・伴 良二
・審査員:ジャーナリスト・足立 則夫、小説家・朝比奈 あすか、ライター/紀行家・山内 史子、一般社団法人手紙文化振興協会 代表理事・むらかみ かずこ、クリエイティブディレクター・中井川 功
・募集期間:2024年5月1日~10月31日
・応募作品数:775点(アマチュアのみ)
・作品字数:800 字程度
各賞一覧
■金賞(1作品)
『振り袖姿の私を見て大泣きしたおばあちゃんへ』 高橋 萌香 さん(神奈川県・27歳)
■銀賞(5作品・順不同)
『じぃじへ』 帶包 ひかり さん(東京都・7歳)
『お義母さん』 竹岡 千賀 さん(京都府・71歳)
『やっと言えた母への「ありがとう」』 矢野 実紀 さん(京都府・51歳)
『私の仕事を見守ってね』 田中 典子 さん(東京都・48歳)
『ここから』 鹿住 敏子 さん(埼玉県・67歳)
■佳作(5作品・順不同)
『先に行ってるね』 中嶋 知子 さん(埼玉県・62歳)
『もし次の世があるものなら』 杉田 節子さん(大阪府・87歳)
『貴女と私の記念日』 工藤 郁子 さん(北海道・49歳)
『母のデジカメ』 浅野 憲治 さん(愛知県・77歳)
『おーい息子よ、元気でいるかい』 井上 英敏 さん(埼玉県・80歳)
■入賞(6作品・順不同)
『運動会の楽しみ』 堀池 博 さん(滋賀県・76歳)
『ちょっとそこまで』 西﨑 良子 さん(岡山県・79歳)
『紡ぐ』 小川 瞳 さん(東京都・27歳)
『赤い犬のぬいぐるみ』 山田 奈津美 さん(福岡県・46歳)
『社長だったおじいちゃん』 鈴木 アユミ さん(静岡県・41歳)
『ごくらく、ごくらく』 中村 美智子 さん(佐賀県・93歳)
■審査員特別賞(6作品・順不同)
『お父さん、大好きです』 古田 知子 さん(熊本県・71歳)
『私の宝物』 中村 実千代 さん(栃木県・69歳)
『母への最後の手紙』 新海 純子 さん(山梨県・74歳)
『おじいちゃんになっちゃったのよ』 塚田 桃子 さん(神奈川県・35歳)
『お母さん 有り難う』 長坂 隆雄 さん(千葉県・83歳)
『ママの優しい笑顔』 古田 陽世莉 さん(神奈川県・13歳)
金賞作品「振り袖姿の私を見て大泣きしたおばあちゃんへ」
(高橋 萌香さん・神奈川県・27歳)
成人式の振袖を着た私を見るや否や、言葉もなく涙を流したあなたの姿を忘れられません。
確かにあなたは涙もろい人でした。私のへたくそなピアノを聞いただけで泣いていました。
お誕生日おめでとうと電話口で言っただけでも泣いていました。
でも、あの日言葉の代わりにぽろぽろとこぼれていたあなたの涙は、特別なもののように思えてなりません。
あなたがなくなってから、遺産を整理するために父が戸籍を取りにいくと、あなたは、私の祖父とは2度目の結婚であることがわかりました。父-つまりあなたの一人息子は、この事実に驚愕していましたよ。
戸籍を見るに、あなたとの婚姻関係があるうちに、前夫と妾の間には子供が一人できています。きっと今の私と同じ年齢の頃でしょう。
あなたにとっては不本意な嫁入りだったのでしょうか?あるいは、とてもつらい思いをしたのではないですか?
あなたはとても口が堅い人だ。そんなこと一言も生きているうちには話してくれなかった。それとも、そんな過去はとっくにあなたの中で闇に葬った出来事だったのでしょうか。
あなたはその人と別れ、私の祖父と結婚しました。
父を産み育てる前に、女の子を2人産んでいますね。しかしどちらも死産でした。
そのことを知ったとき、私は一人の女性としてあなたのことを想いました。
一度目の結婚、そして二度にわたる死産のこと。その悔しさを、無念を私は女として聞きたいのです。
あの日、晴れ着姿の私を見て大泣きしたあなたを、とても抱きしめたいと思っています。
孫の私の前では、そんなことをおくびにも出さない、優しいおばあちゃんでした。過保護なまでに甘く、優しいおばあちゃんでした。
過去については口を閉ざしたあなたの生き方を心から尊重するとともに、次にもし会えたらあなたが背負い続けたその重すぎる荷物を少し持ってあげたいです。
お問い合わせ先
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TEL:03-3735-5357
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