WAN: Art & Tech Creators Global Network 第一期クリエイター、ニューヨークへ派遣開始!
この度、国内の有望なメディアアートクリエイター(アーティスト、キュレーター等)の海外進出を支援する育成プログラム「WAN: Art & Tech Creators Global Network」では、審査を経て決定した令和6年度 第一期クリエイター4名を、今秋よりニューヨークへ派遣を開始するとともに、公式ウェブサイトを正式オープンしました。
ウェブサイトでは、各採択作家の現地レポートやWAN TALKなどの動画コンテンツを発信し、海外展開を目指す日本のクリエイターに有益なコンテンツを提供します。日本のメディアアートの「いま」を伝えるプラットフォームとして、本分野のグローバルな発信力向上を目指します。

WAN: Art & Tech Creators Global Networkとは
本プログラムは、国内の有望なメディアアートクリエイター(アーティスト、キュレーターなど)の海外展開を支援する育成プログラムです。海外のアートマーケットやアートフェスティバル、企業、研究機関などとのコラボレーションを通じて、海外での活動に挑戦するクリエイターをサポートします。
審査を経て採択されたクリエイターは、海外での滞在(初年度はニューヨーク)を通して、展示、発表、現地でのネットワーキングの機会等、本プログラムに参加することで、今後の海外展開に必要とされる知識やスキル、経験を得ることができます。これらの取り組みにより、グローバルに活躍できるクリエイターを育成し、本分野の国際的プレゼンスを向上することを目指します。
主催:文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会、CG-ARTS


文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター等育成・文化施設高付加価値支援事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
本プロジェクトは「⽂化芸術活動基盤強化基⾦(Japan Creator Support Fund)」によるメディアアート分野の「クリエイター等育成プログラム」として運営しています。
令和6年度 第一期採択クリエイター(支援期間:2025年3月〜2026年3月)
初年度となる第一期は、4名のクリエイターを選出。海外展開を戦略的に育成・支援し、本分野の国際的なプレゼンス強化を目指します。採択クリエイターはそれぞれ、ニューヨークでの展示、発表、ネットワーキングなど多岐にわたるプログラムを通して、今後の海外展開に必要とされる知識やスキル、経験を習得します。
青木 竜太 AOKI Ryuta | 芸術監督/社会彫刻家

芸術と科学技術の中間領域で、作品制作をしながら、研究開発プロジェクトや展覧会などの企画・設計・指揮を手掛ける。主な作品展示に「北九州未来創造芸術祭」、「千の葉の芸術祭」、「2121年 Futures In-Sight展」、「AI・Human・Multiverse展」などがある。第25回文化庁メディア芸術祭では、アート部門ソーシャル・インパクト賞を日本人グループとして初受賞。2024年、イーサリアム財団初のアーティスト・スカラーシップに選抜され、同年には韓国・光州の国立アジア文化殿堂(ACC)のアーティスト・イン・レジデンスにも選ばれた。

■渡航時期:2025年10月中旬〜12月中旬
活動内容:アジア発の新たなアート&サイエンスのフェスティバル、アワード、アートセンターの実現を目指し、コンセプトの深化、民間芸術機関における資金調達や運営モデルの調査・分析、そしてニューヨーク在住のアジア系文化人や事業パートナー候補とのネットワーク構築を主な目的として活動します。
宇佐美 奈緒 USAMI Nao | アーティスト

個人的な物語を追体験するビデオゲームや映像作品を制作する。3D-CG技術を用いて⾝体感覚や⽪膚感覚を想起させる表現を取り入れている。 アルス・エレクトロニカ 2024 New Animation Art部門にてHonorary Mentionを受賞。

■渡航時期:2026年2月〜3月
活動内容:現地でフェミニストアートやクィアアートを研究するアーティストや関連機関を訪問し、インタビューを実施し、ネットワークを構築します。また、同時に現地ギャラリーでの個展も計画しており、「サイバーフェミニズム」をテーマとしたトークイベントの開催も予定しています。
木原 共 KIHARA Tomo | メディアアーティスト/ゲーム開発者

新しい問いを引き出す遊びをテーマに、実験的なゲームや都市空間へ介入するインスタレーションを制作。AIなどの新技術が私たちの社会や思考をいかに変容させるのかを、多くの人を交えて探求する場を作っている。主な作品に画像認識AIには判別できないが人間には理解可能な絵を描くゲーム『Deviation Game』がある。ヴィクトリア&アルバート博物館、アルスエレクトロニカ、エクスプロラトリアムなどで作品を発表。

■渡航時期:2026年2月〜3月
活動内容:ゲームとアートが交差する領域での実践についてリサーチを行います。滞在中は、この越境分野で活動する現地の作家や研究者へのインタビュー、および自身が制作中のゲームのテストプレイを実施。これらの活動から得られた知見や成果は、レクチャーでの発表やZINEの制作を通じて共有する予定です。
田中 みゆき TANAKA Miyuki | キュレーター/アクセシビリティ研究/社会福祉士

障害は世界を捉え直す視点」をテーマに、カテゴリーにとらわれないプロジェクトを企画。表現の⾒⽅や捉え⽅を鑑賞者とともに再考する。2022年ACCの助成を得て、ニューヨーク⼤学障害学センター客員研究員。主なプロジェクトに、「ルール?展」(21_21 DESIGN SIGHT、2021年)、「オーディオゲームセンター」(2017年〜)など。主な書籍に、『誰のためのアクセシビリティ?』(リトルモア)、『ルール?本 創造的に⽣きるためのデザイン』(共著、フィルムアート社)がある。

■渡航時期:2025年9月下旬〜10月下旬
活動内容:「テクノエイブリズムへの抵抗」をテーマとして、現地の障害者コミュニティだけでなく、テクノロジーに関わる健常者コミュニティにも話を聴きながら、最終的にはインタビューの記録や成果を映像作品としてまとめることを目標とします。
アドバイザー
メディアアート分野で国際的に活躍するアーティスト、ディレクター、プロデューサーなど、多様な視点と専門性をもつアドバイザー陣が、採択クリエイターに並走。海外展開へのチャレンジをサポートします。

イェスル・ソン YESEUL song
アーティスト、ニューヨーク大学 ITP/IMAxAssistant Arts Professor
韓国出身でニューヨークを拠点に活動するアーティスト。テクノロジーやインタラクション、参加型の表現を活用し、視覚以外の感覚を通じた創造的な可能性を探る作品を制作し、想像力豊かで包摂的な世界観を提案する。私たちの感じ方や思考、交流のあり方に問いを投げかけ、公共空間や非伝統的な展示場所を積極的に活用することで、芸術へのアクセスに新たな視点を与えている。代表作『インビジブル・スカルプチャー』(2018-2021)は、音や香り、熱、空気、思考といった非視覚的要素で構成された体験型彫刻シリーズで、国際的に展示され、著書「Invisible and Existent」として2021年に出版された。このシリーズの一部作品はミドルベリー大学美術館に収蔵されている。

エキソニモ EXONEMO
アーティスト・デュオ
千房けん輔と赤岩やえによるニューヨークを拠点とするアーティスト・デュオ。1996年にインターネット上で活動開始。以降、ネットワーク時代の人間の身体性や感情を、デジタル/アナログメディアを掛け合わせ、批評的かつユーモラスな切り口で表現している。アルス・エレクトロニカでのゴールデン・ニカ(2006)、芸術選奨文部科学大臣新人賞(2021)等を受賞。メディアアート、コンテンポラリーアート双方からの評価を得ている。ホイットニー美術館でのオンライン展示(2019)、東京都写真美術館での個展 (2020) をはじめ、国際展にも数多く参加。また、2012年に立ち上げたイベント「インターネットヤミ市」は、世界30都市以上に広がり、The New York Times, The Guardian, Libération等の海外主要メディアでもとりあげられている。

サロメ・アセガ SALOME Asega
NEW INC ディレクター
アーティスト、NEW INC ディレクター。シアスター・ゲイツ、リビルド財団、プラダが共同で開発したドーチェスター・インダストリーズ実験デザインラボの第一期生。 NEW INCがインキュベートするブルックリンの10代のためのデジタル・アート・ラボ「POWRPLNT」の共同設立者。Eyebeam、The Laundromat Project、Recessのレジデンスやフェローシップに参加。 ムンク美術館、第11回上海ビエンナーレ、MoMA、カーネギー・ライブラリー、オーガスト・ウィルソンセンター、ノックダウン・センターなどで展覧会を開催。 School for Poetic Computation、Jerome Foundation、National Performance Center の理事を務めている。

戸村 朝子 TOMURA Asako
ソニーグループ株式会社 デジタル&テクノロジープラットフォーム技術戦略部門 主任研究員
表面科学とメディアアートを学び、株式会社資生堂宣伝部を経て、2001年よりソニー株式会社。株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、株式会社アニプレックスで、映画やアニメ作品のデジタル事業の新規開拓。その後、本社CSR部にて、国際NGO等と技術を活用した社会課題解決に取り組む。16年より現在まで、アーティストとエンジニアによる先端コンテンツ開発、技術コミュニケーション、サステナビリティ技術推進等を担当。アルスエレクトロニカ2021 「The Power of the Unseen」Garden TOKYO企画ディレクター、欧州委員会2022年および2025年 S+T+ARTS Prize Jury、SIGGRAPH Asia 2024 Art Gallery 審査員など。21年より東京大学大学院情報学環客員研究員、24年より東京工科大学客員教授。
WAN 公式ウェブサイトがオープン!
WAN: Art & Tech Creators Global Network では8月28日に公式ウェブサイト
(https://www.w-a-n-art.net/)をオープンいたしました。
このウェブサイトでは各採択作家の紹介をはじめ、渡航までのアドバイザーとの面談レポート、採択作家の現地レポート、活動報告レポートなどを随時掲載していきます。採択作家のみならず、海外への展開を考えている日本のクリエイターに広く参照いただけるようなコンテンツとして運用してまいります。
また、開催予定のトークイベントや、第3期の募集など、本プログラムの最新情報も公式ウェブサイトで発信いたします。


ウェブサイト・各種SNS
ウェブサイト:https://www.w-a-n-art.net
instagram:https://www.instagram.com/w_a_n_art
Facebook:https://www.facebook.com/w.a.n.art.tech
YouTube:https://www.youtube.com/@wan-project-jp
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