戦争によるトラウマの世代間連鎖を描いたドキュメンタリー映画「父と家族とわたしのこと」ポレポレ東中野にてトークイベント開催決定のお知らせ
武力行使が相次ぐ今、戦争によるこころの傷をテーマに、武田砂鉄さん(ライター)や信田さよ子さん(公認心理師)、俳優のサヘル・ローズさん(俳優)、安田菜津紀さん(フォトジャーナリスト)ら著名人が語り合う
戦争によるトラウマの世代間連鎖と、当事者たちが自身の生きづらさに向き合っていく姿を描いたドキュメンタリー映画 『父と家族とわたしのこと』が 3月14日(土)からポレポレ東中野にて公開されます。この度、上映後にさまざまなゲストを招き、連日トークイベントを開催することが決定しました。
各地で武力行使が相次ぐ中、戦争によるこころの傷をテーマに、ライターの武田砂鉄さんや公認心理師の信田さよ子さん、イラン出身で俳優のサヘル・ローズさんら著名人らを招き、トークイベントを行います。
上映後トークイベント
ー 1週目(3月14日〜3月20日)12:00からの回上映後
3月14日(土)本作出演者 市原和彦さん
3月15日(日)武田砂鉄さん(ライター)
3月16日(月)信田さよ子さん(公認心理師・臨床心理士)
3月17日(火)安田菜津紀さん(フォトジャーナリスト)
3月18日(水)サヘル・ローズさん(俳優・タレント)
3月19日(木)大島新さん(ドキュメンタリー監督)
※島田陽磨(監督)は連日登壇します。

武田砂鉄さん
ライター

信田さよ子さん
公認心理師・臨床心理士

安田菜津紀さん
フォトジャーナリスト

サヘル・ローズさん
俳優・タレント

大島新さん
ドキュメンタリー監督
ー 2週目(3月21日〜3月27日)14:00からの回上映後
3月21日(土)中村江里さん(上智大学准教授)
3月22日(日)大久保真紀さん(朝日新聞編集委員)
3月23日(月)くるみざわしんさん(劇作家・精神科医)
3月24日(火)西村カリンさん(ラジオ・フランス リベラシオン特派員)
3月25日(水)神田香織さん(講談師)
3月26日(木)寺田和弘さん(『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち 監督)
※島田陽磨(監督)は連日登壇します。

大久保真紀さん
朝日新聞編集委員

くるみざわしんさん
劇作家・精神科医

西村カリンさん
ラジオ・フランス リベラシオン特派員

神田香織さん
講談師

寺田和弘さん
『生きる』大川小学校津波裁判を闘った人たち 監督
語られなかった戦争の傷

戦後、帰還した元兵士の心の不調や心的外傷後ストレス症(PTSD)が近年、兵士だけでなく、子供たちなど家族にも深刻な影響をもたらしていたことが近年、明らかになっています。昨年、多くのメディアでもその実態が取り上げられ反響を呼びました。DV や依存症が世代を超え、子や孫に連鎖しているケースもあります。
本作では、兵士の子どもや孫たちの苦悩を映し出すとともに、葛藤を重ねながらも自分を虐待した親の足跡を追い、自分の生きづらさと向き合う姿を丹念に描いています。

生きづらさの答えを求めて 子どもたちは親をたどる

大阪市で喫茶店を営む藤岡美千代。幼い頃、父から激しい虐待を受けて育ちました。9歳の時にその父が自死したと聞き、思わず万歳してしまうほどでした。だが成長後、彼女自身もまた、娘を虐待してしまうという苦悩を抱えることになります。
神奈川県でタクシー運転手をする市原和彦。幼少期、父が母に浴びせた「この淫売女が」という罵声は、今も消えない傷として胸に刻まれています。4 0 代で結婚するが、 妻に日常的に暴力を振るってしまったことを、死別した今も悔い続けています。


シングルマザーの佐藤ゆな(仮名)もまた、幼少期の虐待により複雑性PTSDを抱え、娘の向き合い方に悩んでいました。新興宗数に傾倒した母からの過剰な支配は、今も彼女の心を締めつけています。
三人が抱える「生きづらさ」は、どこから来たのか。 取材を進めるなかで浮かび上がったのは、彼らの父や祖父がいずれも戦争に従軍していたという共通点でしたー。
応援コメント
最初から⼈を殺したい⼈はいない。
誰が、何が、そういう⼈にしてしまったのか。
戦後⽇本が隠した問いに、今を⽣きる私たちがどう答えればいいのか。
武⽥ 砂鉄(ライター)
世代を超え追い迫ってくるトラウマの波の狭間で、それでもなお⽣きよう、⽣きようともがく⼈々。
戦争加害という構造的暴⼒を個⼈に背負わせたままの、社会のあり⽅こそが今問われているのではないか。
安⽥ 菜津紀(Dialogue for People 副代表/フォトジャーナリスト)
手当てされることなく打ち捨てられた精神の傷はこうして発見され、救いとってもらいたくて、待っていたと思う。酒・暴言・暴力・虐待・自殺―復員兵たちが家族に吐き出し、刻みつけた傷を、傷つけられた子どもと孫がたどりなおす。自らの傷を語る言葉は、兵士だった父や祖父をのみ込んだ戦争にたどりつく。兵士になる前の父と祖父が持っていた優しさは壊されて、元に戻らなかった。国家の都合で作られた物語では手が届かない、復員兵とその家族の悲しみを、この映画で、知って欲しい。
くるみざわしん(劇作家・精神科医)
カレンダーには「終戦記念日」、歴史の教科書でも「戦争が終わった日」が書いてあります。でも、戦争に参加した方々にとっては、生き残って、帰っても終戦はありません。同世代の全員が亡くなった日が近づいても、戦争は終わりません。次の世代も戦争の悪影響を受けてしまいます。「父と家族とわたしのこと」を見たら、世界中に「戦後80年」と言われても、実はいまだに第二次世界大戦の被害が続いていると分かりました。今こそ認識すべき辛い事実です。
西村カリン(ラジオ・フランス、リベラシオン特派員)
かつて多くの男性たちが、国のために戦って死ぬことを運命づけられ、人を殺すことをもいとわない「兵士」に仕立てられた。それは徹底的に彼らの安全感覚や倫理観、他者への信頼感を破壊する経験であり、辛うじて生き延びたものの、「別人のように」なって帰ってきた人々も少なくない。元兵士たちが戦時中どのような体験をし、どのような戦後を生きたのか、彼ら自身の口から語られることは少なかった。また、戦地から戻った父や祖父の暴力や依存症は、「家族の恥」として秘められてきた。戦後70年以上の時を経てようやく、元兵士の子どもや孫世代が、長期にわたって放置された傷痕と向き合い、語れるようになった。
映画に登場するご家族の語りが、また別の語りを開いていく。その語りに耳を傾けることで、一体戦争が私たちの社会に何をもたらしたのかをより深く理解できるのではないだろうか。
中村江里(上智大学 准教授)
黒井秋夫の推計では、先の大戦に参加した日本兵800万人のうち170-400万の人々がPTSDに罹患したとされる。日本政府はPTSD兵士を家庭に丸投げしたので、家族が国策トラウマのケアをさせられた。そして父や夫による戦争由来の暴力やアルコール依存等の問題を抱えながら戦後日本は経済復興を急いできた。しかし一つの社会が「トラウマの救済」と「経済の成長」とを両立させることは困難なのであるまいか。私には、「家庭内の暴力や虐待、自殺やうつ病、イジメや不登校、引きこもり」などの社会的破綻は、「救済されなかった戦争トラウマ」に由来するような気がしてならない。それを描いたこの映画は必見だ。
蟻塚亮二(精神科医)
自分が暴力を受けた父親から加害の原因は戦争体験にあると受け止め、さらに父親の人生を辿り、新たな人生を切り拓こうとする人たち。人間性まで変えてしまう戦争の恐ろしさ、戦争の罪の深さにおののく一方で、加害の原因を探求しようとするその姿に私は勇気づけられました。埋もれた記憶の発掘は、二度と戦争をさせないと願う市民の力になる。そんな息吹を感じることができる新たな「戦争史」の映画です。この映画を観て私たちも1歩前に進みましょう。
寺田和弘(「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち 監督)
ほか多数
監督情報

島田陽磨(しまだようま)
1975年⽣まれ。テレビディレクターとして、2003年のイラク戦争など国内外の報道やドキュメンタリー作品を数多く⼿掛ける。「ベトナム戦争40年⽬の真実」(朝⽇放送)でNewYork Festiva2016 World BestTV&Film⼊賞。映画「ちょっと北朝鮮まで⾏ってくるけん。」で第76回毎⽇映画コンクールドキュメンタリー部⾨ノミネート、World Media Festival 2023ドキュメンタリー部⾨(Human Concerns) ⾦賞、NewYork Festival2023 ドキュメンタリー部⾨(History & Society)銀賞、US International Award 2023 銀賞。「WHO I AM パラリンピック」(WOWOW)が第52回国際エミー賞スポーツドキュメンタリー部⾨ノミネート。映画「⽣きて、⽣きて、⽣きろ。」でWorld Media Festival 2025 エンタテイメント銀賞部門。
作品情報
撮影/監督/制作:島田陽磨『ちょっと北朝鮮まで⾏ってくるけん。』『⽣きて、⽣きて、⽣きろ。』
編集/撮影:鈴⽊響 撮影:井上耀介 熊⾕裕達
⾳楽:渡邊崇 ⾳楽助手:中原実優
オンラインエディター:中⽥勇⼀郎 効果/整⾳:⾼⽊創
協力 : PTSDの⽇本兵家族会
助成 : 文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)
製作/配給 : ⽇本電波ニュース社
2026年/カラー/127分/ドキュメンタリー
公式SNS
公式HP:http://chichito.ndn-news.co.jp/
公式Facebook:https://www.facebook.com/share/17gibCg8N4/?mibextid=wwXIfr
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