社会課題に光を当てるプロジェクトSIL。第3弾は「防災格差」「防災あとまわし社会」をテーマとした活動を報告。/QO株式会社
~3人に1人が「ほとんど防災に取り組んでいない」層に該当。8割以上が防災は重要性だと感じる一方で、金銭や時間、心理的なハードルを感じているジレンマが明らかに~
QO株式会社(代表取締役社長:恒藤優/本社:東京都中央区、以下「QO」)が運営するSocial Issue Lab(以下、SIL)は、9月1日に迎える防災の日を前に、「防災格差」をテーマとした調査レポートと、調査を踏まえ着目した生活者の生声をまとめたソーシャルレターを発表しました。(データDLはこちら)
SILは、調査の力で社会の声なき声を拾い、社会課題を知るきっかけを届ける研究機関です。
東日本大震災や令和6年能登半島地震など自然災害が多く発生する日本では、防災の必要性がしばしば指摘されています。
SILの第3弾は、「防災格差」「防災あとまわし社会」をテーマとして、防災の現状とその背景から、「どこに差が生まれているのか」、「取り組みを進めるためにどんなヒントがあるのか」を明らかにするため、全国2,500人を対象とした定量調査を行いました。
調査レポート「防災格差」
■ほとんど防災に取り組んでいない層は3人に1人。”自分のためだけ”に防災に取り組むことの難しさが明らかに
調査では、防災チェックリストへの回答結果をもとに取り組み度を得点化し、点数が高い順に「FLOWER層(取り組み度:高)」、「SPROUT層(取り組み度:中)」、「SEED層(取り組み度:低)」の3層に分類しました。
FLOWER層は14.5%、SPROUT層は50.5%、SEED層は全体の35.0%と、約3人に1人が防災にほとんど取り組んでいない層に該当することが分かりました。
他の層と比べてSEED層では「未婚」「子どもなし」「ひとり暮らし」の比率が高かったことから、「自分のためだけ」に防災に取り組むことへの難しさがうかがえます。
■8割以上が防災の重要性は認識する一方、防災へのハードルを感じているジレンマも。一番のハードルは「金銭的に余裕がないこと」
防災の重要度を尋ねると、全体の8割以上が「重要だと思う・計(TOP2)」と回答しており、取り組み度を問わず、多くの生活者が「防災は大切なもの」 と認識していました。
また、防災に関して「行動する/行動したいと思う時にハードルになっていること」を聴取したところ、3層とも共通して『金銭的に余裕がないこと』が一番のハードルになっていました。
どの層でも約8~9割の人が何かしらのハードルを抱えていて、防災に取り組みたい気持ちはあるものの行動まで繋がり切らない、そんなリアルな生活者の様子も見られました。
調査レポートの後半では、各層の属性や防災への向き合い方をもとに「防災スタイルシート」をまとめています。
<FLOWER層>
同居家族がいて、自分だけでなく身近な人と共に防災に取り組んでいる。網羅的に防災に取り組み、高い知識を身につけているが、それ故に、いくらやっても終わりがない/自身の防災が完全でないことを実感している様子。
SEED層やSPROUT層と比べ、「時間的なゆとりがないこと」が抱えているハードルの中でより上位にあがり、防災をする上でネックになっている。
<SPROUT層>
身の周りの防災から着手している防災ビギナー。日本で災害があったときなど、防災への関心が高まっているときには行動できるが、だんだんと下火になってしまう様子。
防災へのハードルTOP5はSEED層と同じだが、金銭的な余裕のなさだけに集中するのではなく、「対応が面倒で後回し」「時間的余裕がない」「防災の効果が理解できていない」など、多方面に悩みが存在する。
<SEED層>
防災が大事なことだと認識してはいるものの、ひとり暮らしのケースも多く、自分だけのため”となるとつい後回しになってしまう…
あまり知識がないことも相まって、防災に対してどこか他人事になってしまう、防災への具体的なイメージが湧かず何をしたらよいのかわからない、誰かがきっと助けてくれるだろう…というのが本音。
・調査結果の詳細はこちらから
ソーシャルレター「コスパ、タイパが防災にも?防災あとまわし社会」
先ほどの調査結果から、このレターがさらに焦点を当てるのは、「防災を大事だと思いつつ、あとまわしになりがち」という実態です。
時間がないから。お金がないから。毎日が有事のように忙しくて、余裕がない。そんな現代社会では防災に注ぐエネルギーが削がれていく。命に関わるものなのについついあとまわしになってしまう…。そんな実態を紐解くことで、防災を前進させるヒントが見つかりました。 “やらなきゃ” から “やってみよう” へ、少しでも防災が前向きなものになればと思っています。
・ソーシャルレターはこちらから
【データDL】
・集計データ (602KB)
・調査票 (641KB)
・ソーシャルレター (317KB)
※こちらから上記4つをまとめてダウンロードできます。
【調査概要】
調査対象者:全国の男女15-79歳 ※中学生以下は除く
回答者数 :2,500人
割付方法 :全国7エリア*における、令和2年国勢調査の性年代の構成比に基づいて割付し、世の中の縮図を再現
*北海道、東北、関東、中部、近畿、中四国、九州地方
調査方法 :インターネットリサーチ
調査期間 :2024年2月22日(木)~24日(土)
調査実施 :株式会社 H.M.マーケティングリサーチ(現 QO株式会社)
SIL/ Social Issue Labサイト
レポートの元データをみなさまに活用いただくために、SILのこれまでの活動も含むデータを取りまとめたサイトをオープンしています。
こちらもぜひご覧ください。(https://socialissuelab.com/)
【QO株式会社 会社概要】
代表取締役社長:恒藤優
本社:東京都中央区京橋2-7-19 京橋イーストビル9F
設立:1965年6月
事業内容:リサーチソリューション事業、マーケティングプランニング事業
URL:https://www.q4one.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
QO株式会社 広報室
MAIL:corporate.info@q4one.co.jp
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